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【音魔法使い】の魔紋  作者: フリューげリュ
エノワール昏睡中
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21話【騎士団の動き】

ダンジョン発見から1日が経過した。

森の中、木の根の下にあるとゆうこと、さらにスタンピード時村で確認された魔物がシルバーウルフだけであったため、当初はかなり小規模なものが予想されたが、それに反してダンジョンは層ごとがかなり広大であり、これを確認すると当初20人だけでの進行であったものを2時間ほどで修正することになったりと、初日はかなりバタバタしていた。

またその植生は地上の森と告示しており、このことからこのダンジョンを収める現ダンジョンマスターはこの森出身の魔物である可能性が考えられるに至る。

1層半径12キロのダンジョン、実に森の7割ほどのサイズが想定され、それが地下に何層も広がっているとされるダンジョン内にて、騎士団120名が各5名ずつに別れ探索を行っていた。

ダンジョン入口では発見したフレイムバードの3名とその周辺で探索をしていた約30人の冒険者達が警戒に当たっており、15人交代の3週目に差し掛かったのがだいたい1時間ほど前の事だろう。

1階層、及びに2階層は昨日のうちに攻略され、今日初めて進行した3階層も変わらず似たような植生に似たような魔物ばかりのダンジョンであった。

こう同じ光景では緊張感が続かないのも仕方ない、若い騎士達の雑談が少し目立ち始めてきた。


「なんてゆうか、ジョボいんですね?ダンジョンって、俺もっとめちゃくちゃ強い魔物がそこら中徘徊してるの想像してましたよ」

「ふむ、まあ少し前まではそうだったのだろうな。このダンジョンで起こったスタンピードの跡を見ただろう? シルバーウルフの他にグレーウルフ、それにホーンラビットやスライム、グランドボアにビッグボア、まあ色々な死体がころがっていた」

「そうですね?」

「だが、今回村に押し寄せたのはシルバーウルフの群れだ、なぜだと思う?」

「えーっと、他の奴らは野生動物だから、とか?ですかね?」

「ふむ、まあその可能性もゼロではないわな。だが、それだとシルバーウルフの食料はシルバーウルフ、ないしグレーウルフだったとゆうことになるな?そんな訳は無い。シルバーウルフとグレーウルフ以外の死体は全てウルフ系の魔物に襲われたことで絶命していた。 おそらく今回のスタンピードは本来下層に生息していたシルバーウルフが餌の不足で上階に登ったことが原因だったんだろう。 その証拠にこの森、そこら中ラビットやらボアやらの血肉まみれだ」

「とゆうことは、?」

「飢えて数の減ったシルバーウルフに大きい魔物はあらかた食われちまったのさ」

「なるほどぉ!」


上司と思われる騎士と新米なのだろう騎士が会話を交わしている。

すでに1時間ほどこの調子だ、彼らだけではなくほとんどの騎士たちが少し気の抜けた雑談を交わしているのを考えると、隠れていた魔物以外は全てウルフに食われてしまったとゆうことなのだろう。

ダンジョンで起こったこと、殆どは正解である。

下層で急増したシルバーウルフが食糧難に陥り、上層の魔物を蹂躙した事から始まった1連の事件。

命の危機に上層へ逃げるホーンラビットら獲物達と食料を追い上層に登るシルバーウルフ。

それはダンジョン外でも行われ、逃げ出したほとんどの魔物はダンジョンを抜け20分もすると食い尽くされてしまったと考えられる。

その証拠に森の外に行けば行くほど獲物たちの死体は少なく、ダンジョン周辺はまさに地獄と言わんばかり、どこもかしこもラビットやボア、スライムの残骸だらけであったそうな。

これの掃除をするのが監視任務に着いていない15人の冒険者に課せられた仕事なのだが、それは少し別の話かもしれない。





ーーーーー





ダンジョン発見から2日目の朝。

騎士団の姿はダンジョン内、6階層に続く階段の前にあった。

これまでの階層でも階段を発見すると直ぐに招集がかけられたため6階層に続く階段だけが特別こんな光景であった訳では無いにしろ、やはり2人横並びで通るのがやっとの広さしかない入口の前に120名の騎士団が並んでいる光景は壮観である。

そんな騎士達の前で演説をする男がいる。


「諸君も気付いているとは思うが確認しておく! この第5階層で見られた大量の痩せたグレーウルフと膨大な量のホーンラビットの死骸に関してだ! 1階層から4階層までの光景と比べ明らかに以上であることがよくわかると思う!!」


男の声はよく通る。

マイクも無いのに120人もの騎士に声を届かせるのは『拡散魔道具』と呼ばれるマイクのような役割の魔道具があるからこそではあるものの、話を聞かせる能力は間違いなく彼の人望が厚い故であろう。

そんな男の演説は続く。


「この事から恐らくシルバーウルフの生息域がかなり近付いているとゆうのは間違いない! 餓死寸前のグレーウルフが多く見られることから次の階層はグレーウルフの生息域であると思われるが、しかしグレーウルフとシルバーウルフが同じ階層で生活していなかった証拠は何も無い! スタンピードが起こってもダンジョン内には生態系を保つに足る最低限の魔物は残っていた!このことからグレーウルフ及びシルバーウルフも一定数は残されていると考えるのが妥当だろう! 何があっても動揺せず、的確に対処して欲しい!」


男はヤルダという。

第六騎士団団長を任じられる彼は、本来ならば村の警備に残るはずであった。

実際昨日までの探索に彼は参加していない。

ではなぜ今回は参加したのか、報告の内容があまりにも不吉であったためだろう。

ただでさえバール目撃の青い煙幕が1度上がって以来まったくその後の報告はなく、またフレイムバードの3人とAランクの2人が消息不明となって2日が経とうとしているのだ。

分かったのはバールがAランク2人とBランク相当のパーティーを相手に圧倒する実力を有することだけ。

そんな戦力が身を潜めているとゆう事実自体が恐ろしく、また抑止力として働いている。

騎士団の全投入にはダンジョンをいち早く攻略し万全の体制でバールに当たるとゆう博打のような思考もあっての事だったのだろう。

いや、実際それ以外に対抗策も思いつかないのだ、仕方ないだろう。


「それではこれより階下へ下る! 全員生還だ! 各自自分の命を第1に考えろ!! 分かったな!!!」

「「「「「はいっ!!!!!」」」」」

「よし!! 進行!!!」


騎士達の大声量、負けじと放たれた騎士団長ヤルダの号令を受け騎士が階下へと下る。


「グルルルルルッ!!!」

「ギャンッ!ギャンッ!!」

「ブルゥッ!!!」

「キュウー!!!」

「キュッ!キュッ!!」


聞こえるのはシルバーウルフの鳴き声にグレーウルフの鳴き声、グランドボアの鳴き声にホーンラビットの鳴き声、さらにスライムの鳴き声も聞こえてくる。

かくしてそこは、シルバーウルフとグレーウルフの楽園であった。

、、、騎士団が30人の被害を出しながらも無事ボス部屋の発見を伝えたのはそれから6時間後の事であった。

その後に編成された少数精鋭の騎士・冒険者混合部隊は実に12人規模になる。

この部隊がボス部屋の攻略に派遣されたのは騎士団帰還から2時間が経った後のこと。

かくしてそれが希望の光となるのか、はたまた絶望の闇を落とすのか、それは神のみぞ知るとゆうやつだろう。

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