18話【緊急依頼とフレイムバード】
「現刻、ラグン王国歴361年11月23日10時30分! これより我々は作戦行動を開始する!!!ここに集まった120の騎士と140の冒険者達、実数260名には最上の感謝を伝えたい!挨拶が送れた!今作戦行動を指揮させて頂く第6ラグン王国騎士団団長を務めるヤルダ・ウール・テレスである!! 」
フェルノラートの外壁、その東門から繋がれた橋の先に260名の人影が見える。
一際高いところに立ち号令をかけるのは、その豊富な筋肉をプレートアーマーに隠してなお感じさせるような男。
周りの静寂からも、彼の威厳が感じられるのではないだろうか。
「これより我々はクリコ山脈を超えクリコ大森林内に新しく出来たダンジョンの捜索、および攻略を行う! 村長殿が到着されて既に14時間、スタンピードから1日が経っている!現場は混乱していることだろうことが予想され、そのぶん食料の問題も考えられる! 補給班には無理をさせるが頑張って欲しい! これにて私の演説は終わりとしたい! 次に、、」
挨拶もそこそこに交代を宣言する騎士団長ヤルダ。
真面目なのだろう、早く駆けつけたいのを我慢して演説をするのが相当に苦痛なのかその顔は不快そうだ。
それが分かるのだろう、騎士団各員が苦笑していた。
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副団長の挨拶と領主様の挨拶を終え進行したラグン王国第6騎士団、および140名の冒険者達が山を超え村に到着したのは17時40分の事となった。
「歯ごたえねぇなぁ〜! シルバーウルフってのはこんなに小さかったかよ?」
「そいつはグレーウルフ、似ているが全くの別種だよ。 さっき騎士団長様も言ってただろ? シルバーウルフはあらかた神速の元勇者様が始末してくださったんだそうだ」
「やりがいがねぇって話をしてんだ俺は!」
「そう言うなエドガー。 いい事じゃないか? 危険の少ない緊急依頼だ、金払いは相当いいはずだし、悪い話じゃないだろう?」
「それもそうか、つってもなぁー! こう雑魚ばかりだと腕がなまる、!!」
「それはもう我慢しろ」
「はぁあ、!!」
20時頃、森林の中に3人の人影があった。
その中の1人、一際大きな体格の男がデカい牛刀と呼ばれる包丁を15倍はでかくしたような剣を担ぎ騒いでいる。
その剣から比較的新しく、生暖かい液体が流れ落ちて居ることから足元のオオカミを倒したのはこの男なのだろう。
グレーウルフと呼ばれるこの魔物、群れでCランクと認定されるこの魔物は、決して雑魚では無い。
それこそ相当に硬い毛と強靭な足腰、鋭い牙を持った大型犬ヨリもう少し大きいくらいの狼だ、魔力の属性は風属性であり、グレーウルフの魔法は通常のCランク級の魔物と同等かそれ以上になることも珍しくは無く、それだけを見ても十分に驚異的と言えるだろう。
一般人として見れば十分に脅威であり、実際1匹でもランクDランク指定であり、初心者がグレーウルフに襲われたとゆう話は比較的よくある話と言える。
そんなグレーウルフを事も無げに蹂躙する男、名はエドガー・クードルと言う。
Bランクの冒険者であり、同時にフレイムバードとゆう冒険者パーティーのリーダーを務める男であった。
「この調子ならエレーナの方も心配ないな」
「そうですね、この程度の魔物なら彼女たちでも十分に対処可能でしょう」
「心配なのは例の最上位種か?」
「そうだな、とは言え未だに目撃情報が無いとくればどこかに身を隠しているか、既に森を抜けているかもしれんが」
「それならそれで良いじゃありませんか」
「違いない」
彼らの言うエレーナとは彼らのパーティーの新人の名前であった。
フレイムバードは総員18名の中小バーティーであった。
今回招集されたのはその中でBランクに到達しているエドガーともう1人エドソンとゆう男。
それとCランク帯が7人、Dランク帯はエレーナ1人とゆう構成である
エドガーとエドソンがそれぞれ2人ずつ受け持ち残り4人でパーティーを組むとゆう構成で森林に突入したと言っても4人組のシーランクパーティーは森林の浅い所で主に逃げ出した魔物の討伐なんかを受け持っており、中に入ることは基本的には無い。
この中で、エレーナはエドソンのパーティーに参加している。
名目としては新人教育なのだが、実情はエドソンの私欲に始まりエドソンの私欲に終わると言っていいだろう。
この討伐作戦でいいところを見せて告白でもするつもりなんだろう。
そんなフレイムバード含む森林内探索班は冒険者のみでの編成となっている。
騎士団はこれには参加せず街の警備にあたり、ダンジョンの発見次第突入とゆう構成になっていた。
不完全要素としてオオカミ型最上位種バールとゆう魔物が潜んでいる可能性があり、この発見時も騎士団突入とゆうことになっている。
それぞれダンジョン発見は赤色の煙幕、バール発見は青色の煙幕、さらに遭難者発見の場合は黄色の煙幕とゆうふうになっており、各冒険者チームごとに各3つずつ渡されている。
もちろんエドガーもこれを所持しており、いざ発見した時はこれを地面に叩きつけるとそれぞれの色の煙が空に立ちのぼるのだそう。
「お?あれダンジョンの入口じゃないか?」
「なに!? どこだ!?」
「あそこです!あの、木の根っこの下、?みたいな所!」
「お!ほんとだ!」
「よし!でかした! 早速打ち上げるぞ!」
その3秒後上がった赤色の煙幕、かなり深い場所だったにも関わらずこれを目視してから騎士団が到着するまでに15分ほどしか掛からなかったのは、まさに日頃の訓練がなせる技だろう。




