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【音魔法使い】の魔紋  作者: フリューげリュ
プロローグ
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プロローグ②

実技の時間が始まる。

学校が開かれてる古民家と馬小屋の間みたいなボロい建物を出て30メートルほど、そこに体育館くらいはある、まあそこそこ大きな広場みたいなのがある。

もちろん屋根みたいなものは無いから雨の日は室内で午後も座学となるんだけど、今日は幸の快晴、少しテンションが上がる。

先生を中心に円を描くようにして体育座りの僕達、その視線がしっかり向いているのを確認すると、先生は説明を始める。


「今日するのは防壁の展開です!昨日した内容は覚えてますね?」

「「「「「はーい!!」」」」」

「はい!いい返事です! それでは今日は最初、昨日のおさらいをして、そこから応用の仕方を学んで行きましょう!」

「「「「「はいっ!!!」」」」」


子供たちの元気な返事が青空の下響き渡る。

近くの畑を持つ老夫婦が少し離れたところから微笑ましそうに見ているのもいつもの光景だ。

昨日の授業を思いだしてみる。

昨日はまずその前日から防壁の魔術陣ってゆうのを覚えて、昨日の実技でこれの展開をしてみた、はず。

その時は結局最後の方に2回成功することは出来たものの、ほかのみんなと比べるとどうしてみ見劣りしてしまった。


「はい、では始める前に。 今日の日直さん! 号令をしてください!」

「はーい! きりつっ!きおつけぇ!」

「「「「おねがいしまーす!」」」」

「おねがいし、ますっ!!」


言葉が詰まってしまった、けど言えた。

良かった。

号令が終わるともう一度、体育座りだ。

先生を見上げるようにすると、先生はどこから取りだしたのか、そこそこ分厚い紙の束を持っていた。

たぶん胸ポケットから出してるんだと思うけど、未だに出す瞬間を目撃したことがないとゆうのもあり個人的学校の怪談として日々ひっそりと楽しませてもらっている。


「まずは防壁の魔術陣を描きます! みんな紙を取りに来てください!」

「「「「「はーい!」」」」」


先生の声で立ち上がると、1人20枚ずつ紙を貰う。

僕も20枚の紙を貰う。

そそくさと元の位置に戻り体育座りになって、ポケットのペンを出しキャップを取った。

みんなもキャップを外して用意万端なのを確認すると、先生が話し始める。


「はい、行き渡りましたね! それでは魔術陣の書き込みを始めてください! 20枚書き終わったら先生に見せてくださいね! 失敗して紙が足りない場合も先生に言ってくれたら取り替えます!遠慮せず言ってくださいねー」

「「「「はーい!」」」」

「あっ、はーい!」


周りに習い、少し遅れてから返事をする。

少し恥ずかしい、けどいつもの事だ、もう気にしないことにした。

さて、記述法での魔術行使、昔は小説みたいに文字をズラーっと書いたものを使って発動していたらしい。

けど、魔術も時代と共に進化する。

現在使われる記述法は『魔術陣』と呼ばれ、円とその中に五角形、そして五角形の中心に点を描き、点の周りに魔術発動に必要な長ったらしい文章を省略した『略語』とゆうのを書き込んでいく、とゆうものになっている。

書き込むのは専用のペン、魔力を込めて描くことで文字を描くことの出来る、あるいは魔力をインクのように使い魔術陣を描くためのもの、だ。

貰ったのは1枚1枚が薄い紙、記述法は魔力を込めて文字を書き込む、とゆうものであって紙自体に特殊な細工は必要ない。

現にこの紙も日用目的の物を転用しているに過ぎず、元はコピー用紙だ。

コピー機、と呼ばれる魔道具がある事には驚いたけど、きっと僕より前に来た人が広めたんだろうと思う。

それを言い始めたらこんなに綺麗な紙を木から作っているとゆうのも、どうも何か別の場所から来た知識で作られ、広められているように感じられる。

真面目な人がいた、とゆうことでいいだろう。

重要なのは、一般的に普及するただの紙では魔術は使えません、高額な魔力の通りがいい紙を使ってください、みたいな事はないとゆう事だ。

とは言うものの、魔力紙と呼ばれる蜘蛛などの魔物の糸から作られ、魔力を多く含んだ特殊な紙とゆうのもある。

そうゆうのは、すこぶる高価な代わりにすこぶる魔術との相性が良く、同じ魔術陣を描き同じ魔術を発動させても、全く違う魔術かのように威力や繊細さが変わってくる、とゆうのはままあることだ。

これはもう田舎者にどうこう出来る話じゃない。


「なあなあエノ、ここってコレでいいんだよな??」


ふと、誰かに声をかけられた。

見る、僕と同い年入学でそこそこ仲のいい、とゆうかどの家も近所のこの村でも指折りの腐れ縁と言えるマシェルだった。

淡い茶色の髪に、これまた淡い茶色の瞳、肩ほどで切られた無造作で色気のない髪型をした少女なのだが、顔立ちが整っていることから将来の楽しみな美少女と言えるだろう。

マシェルは、既に大方出来上がった魔術陣の紙を見せてきていた。


「どれどれ、、」


彼女の事を昔から妹のように思っている僕としては頼ってくれるのはシンプルに嬉しいことだ。

入念に魔術陣を見ていき、、


「ここ、文字かぶってる。 これじゃまともに、発動しない、かな、?」

「あっ!ほんとだ! ありがと!新しい紙貰ってくる!!」

「うん、転ばないよう、気をつけてねマシェル」

「おう!まかせろっとっと、、! まかせろっ!!!」


返事をしながら転けそうになるマシェル、不安だ。

活発なのは良いのだが、本当に昔から危なっかしいこなのだ。

放っておくつもりもないが、放っておけない魅力のある子である。

と、僕も書き始めなきゃ行けない。

紙を広げて、ペンを走らせていく。

下は地面だ、踏み固められていてもある程度は凸凹している。

最初は書きにくかったけど、これに関しては慣れなのだろう。

今では特に問題なく描くことが出来ている。

マシェルに注意したてまえ間違えられないとゆう謎のプレッシャーを感じながら1枚目を書き上げていく。

とはいえ、僕は作業がすこぶる遅い。

ノロマなのだ、頭では既に出来上がっている、でもそれを紙に起こそうと思うと何故か変に時間を食ってしまう。

みんな2、3分で書き上げるところ、7分かけてようやく1枚目を書き終えた。

これを20枚、幸いなことに実技が本格的に始まるのは午後の部の2限のラスト30分から、3限まで、1限はまるまる魔術陣につかえるのだ。

1限につき1時間半なので、まあグダらなければ、ギリギリ間に合うだろう。

言ってて悲しくなってきたが、考えないことにする。

黙々と魔術陣を書いて、書いて、書いて、たまにマシェルと喋って、また書いて。

こうゆう単純作業が実はそこそこ好きな僕としては楽しい授業である。

もっとも、セッカチで野生児な所のあるマシェルは適当にギリギリ発動するかしないかみたいな魔術陣を1分ほどでパパッと書いてしまう。

そうゆう所、少し羨ましくもある。

まあ適当すぎて半数は書き直ししているからそこまで効率がいいやり方とも思えないんだけど。

まあマシェルのやることだ、僕は暖かく見守って行こうと思う。

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