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【音魔法使い】の魔紋  作者: フリューげリュ
プロローグ
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プロローグ

文章力が無いので読みづらいとは思いますが、何卒よろしくお願いします。

昔昔のそのまた昔、 人が生まれるよりもっとずっと昔の話。

その世界には、3柱の神々がありました。

1柱目世界創造の神、イルミナーゼ様。

2柱目は運動を司る神、リファーナ様。

3柱目はあらゆる物質を司る神、ティフォン様。

3柱は、それぞれに世界を運用します。

イルミナーゼ様は世界の創造を続けます、より理想的な世界を想像し、そうあるために創造するのです。

リファーナ様は世界の流れを統率します。

星の回転、星同士の関係性、それだけではどうしても足りない引き寄せるエネルギーをブラックホールと呼ばれるエネルギーの塊で持って補い、これを後に銀河と呼ばれるものの中心へ向かう力へと転用しました。

それでも足りない外側のエネルギーは回転のエネルギーで補います。

ティフォン様は物質を作り、また運用し、法則とします。

イルミナーゼ様が創造された物質に細かな役割を与え、世界の法則付けに大きく貢献しました。

そうして宇宙空間は広がり、この惑星が存在するサルワーム銀河もまたゆっくりと法則の元生まれたわけですね。

さて、世界が生まれて何兆年が経ったでしょう、彼らは待ち望んだ惑星を発見しました。

それは、生物が生まれ、育まれることのできる惑星です。

まだ何も無い、しかしその環境は理想てきです。

早速神々は雨をふらせます。

恵みの雨です。

雨は川となり、そして湖となり、そして海となりました。

雨に押し流され、押し固められた大地を、神々は大陸と呼び、恵みの雨により生まれた海のことを、初めて海と呼びました。

この瞬間、世界に大陸と海が産まれました。

それから数億年ぶりに、神々は歓喜します。

海に生物が生まれたのです。

小さな生物、微生物と呼ぶのだと創造の神は神々に教えました。

この瞬間を持ち、神々は彼ら小さな生物を微生物と呼びます。

小さな生物が生まれると、1柱新たな神が生まれます。

最初こそ自己の認識が曖昧で、認識するのに時間を要した彼でしたが、200年も経つと彼は自らが神であり、自らは生物を司る存在であるのだと認識します。

生物の神は、ほかの神の存在など知りません。

神々も、元より姿を現すつもりなどありません。

世界を司る神々が、1つの惑星だけを構っていることはできません。

だから創造の神は考え、生み出したのです。

新たな発展に伴い、新たな神が生まれ、これを管理するとゆうシステムを。

生物の神が産まれてからは早いものでした。

神を生み出す感覚を星が覚えたのでしょう、大地を統べる神と海を統べる神が生まれます。

この時、生物の神は思いました。

彼らと自らを定義する何かが必要だ、と。

途端、創造の神はその願いを叶えました。

神々の中に言葉が生まれたのです。

それ以降、生物を統べる神はリューレン。

海を統べる神はウォリア。

大地を統べる神はベルヘイン。

と、神々はそれぞれに固有名詞を得ることに成功します。

神々は熱心に働きます。

瞬く間に木々生い茂る大地と沢山の魚たちが生まれ落ちました。

多く海の生物が生まれる中で、段々と陸地へ逃げる個体が生まれ始め、彼らは陸地に適応していきます。

不思議なことに、その時には既に虫と呼ばれる存在がいたそうです。

昨今では川辺で生まれた小さな生物達が虫の原型では無いか、と言われていますね。

それから更に数千万年、陸と海は互いに大きく安定した生態系を得ます。

この時には後の時代で恐竜と呼ばれるもの達が生まれていました。

創造の神が認識する一瞬とは、何億年とゆう単位なのです。

言葉通りにスケールが違いますね。

新しい神々も沢山産まれました。

波を司る神を筆頭に、空気を司る神、空間を司る神、時間を司る神、段々と目に見えない概念を元とした神が生まれ始めます。

しかし、この時点では知的生命体などいるはずもありません。

きっとそれは、創造の神が思い、その思念が生み出した産物だったのでしょう。

ともかく、世界はこれにより円滑に回り始めます。

ふと、イレギュラーが発生しました。

未知のエネルギーを、生物達が持ち始めたのです。

きっかけは瑣末なことでした。

1匹の、ネズミと名付けられた生物が、願ったのです。

生きることを。

それまで歯車でしか無かった生態系が、歪みました。

それに続くように、複数の生物が同じ願いを思うようになります。

神々も虫が願いを送った時はさすがに驚いたことでしょう。

それより少し前に大きな事故で多くの生態を失い、途方に暮れていた神々は、この願いを叶えてやりたいと思ったのです。

方法は、いくつかありました。

このネズミ等もネズミ等でそこそこ色々なイレギュラーを抱えていました。

本来ありえない、理性を得ていたのです。

理性は危険です。

生物は理性を持つと、たちまち知恵をつけ、大きくなろうとします。

大きく、とは体のサイズではありません。

彼らは理解するのです、強大な個よりも、大きな集を作るべきなのだ、と。

このエネルギーは周りに波及し、大きな変化をもたらすでしょう。

神々はそんな未来を望みました。

ネズミや、その他大勢の生き物たち、その1部に、理性を持って生まれる個体が産まれます。

そして同時に、イレギュラーも発生します。

後に魔紋と呼ばれる現象が起こったのです。

ネズミ等の体、そのどこかに、小さな紋章が刻まれるようになります。

とある熊は強靭な蹴りを得ました。

その蹴りで大木の幹を粉砕するものだからたまに怒られていましたが、愉快なその熊を、神々は慈愛の目で観察しました。

同時に、神々は不思議に思います。

この不思議な力を与えている紋章は何なのだろう、と。

その後1000年ほど、ようやく原因となった2柱が見つかりました。

根源であったのは同時期に生まれた2柱です。

彼らはそれぞれ、魔力を司る神と、絵画を司る神であったそうです。

彼らは父神とも言える神々のため、ある法則を作ったのです。

絵画の神が体に記した紋は、魔力の神が世界に満たした魔力の残滓を繰り、取り込み、流すことで発動するようになっています。

発動すると紋章で刻まれた特殊な力を発動することが出来、これは後々の生活に大きく役立ちました。

この時から、異様に力の強いネズミ、火を噴くトカゲ、水の上を歩くブタ、中には空を歪めるほどの空間干渉を可能にした個体もいました。

神々はこの変化を喜び、この紋章の事を魔紋と呼びました。

それから10億年と少しした頃でしょうか。

彼らはついに言葉を手に入れます。

そう、言葉です。

この瞬間から、彼らは急速な成長を遂げていきました。

言葉に魔力を乗せるのです。

そこに神々の言葉を使うことで、擬似的に神々の力を再現したのでした。

とは言っても、神々と彼らではそもそも扱っている力の種類も違えば出力も全く違います。

神々は、子供たちが親を真似るようだ、などと笑い合い、その成長を喜びました。

それと同時に生まれたのが、音を司る神、リーチェです。

彼は、人々がより生きやすく、またより多くのものたちがこの力を使えるようにと、無数の音を作りました。

各生物の発声に合わせた言語、後に魔道語と呼ばれるこれら無数の言葉は、神々の言葉を、より分かりやすく、より使いやすく、より汎用的にしたものです。

もちろん、これが有事の際、自らを戒めることにならぬよう、その干渉範囲に制限を設けました。

それは、主に干渉することの叶わないようにとゆう、絶対の掟。

かくし、生物たちは大きな力と、大きな原動力を得ました。

それから更に2000万年程だろうか。

全く新しい概念の神が生まれました。

その神は、人の願いから生まれます。

弱い力と、神々に干渉し得ない抑制を受けた彼ら。

彼らのことを、神々は天使と呼びました。

天使たちは、人々に恩恵を与えます。

神々の言葉を伝え、神々の意志を伝え、同時に神々に意志を伝えました。

しかし、良い事ばかりではありません。

彼ら慈愛を受けた者たちの思考は、日々枝分かれし、暗く濁っていきます。

神々が言葉をさずけようとも、それに全く感銘を受けないもの達が、一定数生まれ始めました。

彼らは願いません、ただ望むのです。

悪意を持って自由を望む彼らにより、世界に淀みが生まれます。

それは神々により悪魔と名ずけられました。

人々の願いにより生まれたこの存在は、生物と言うよりも概念の塊、と言った方が正しいでしょう。

構造としては天使とさほど変わりませんね。

生まれた悪魔たちは、悪意の赴くまま世界に闇を落とします。

そのひとつが、生態系の破壊です。

本来知性を持たぬもの達は後に口頭法と呼ばれる言葉での魔力行使を、無意識下でしか行いませんでした。

それが体の1部でもあるのだから、当然と言えば当然かも知れません。

しかし、悪魔たちはこれを不平等と感じました。

彼らは、無理やりに理性無き生物たちに魔力への適応とゆう恩恵を与えました。

後に魔物と呼ばれる理性無き魔力適応固体が、神々の言葉を受け発展するもの達に嫌悪し、嫉妬し、襲うようになるまで、そう時間はかかりませんでした。

この変化を悲しむ神もいれば、生物の進化を喜ぶ神々もいました。

そんな神々の思いと、人々の悪魔や魔物に対する計り知れない恐怖から生まれたのが、後に邪神や魔神、魔王、魔族、などと呼ばれるもの達です。

彼らは神の寵愛を受けられません、厳密には生物では無い、とゆうのがこの理由になるでしょう。

そして彼らは寵愛を受けるもの達を憎みます、自然な流れですね。

さて、ここから5000年ほど、記録に残らない世界があります。

何があったのか、それは分かりません。

分かっていることは少ない。

この5000年間人々は言葉を失っていた、とゆう事、音の神に何かが起こり、それが世界、特に魔法とゆうものに大きく影響を与えたこと、そして、おそらくこの時期に邪神や魔神達が生まれたのではないか、とゆう事。

そして現在も受け継がれる【音魔法使い】とゆう、稀有な紋章が、この時代のどこかで、何らかの理由から生まれたのだとゆう事も分かっています。

分かっていると言っても憶測どまり、何も分かっていないのと大して変わりません。

本当に何があったかを知る者は、現代では両手で数え切れるほどしかいないでしょう。

余談ですが、5000年の空白期間以降、音の神は行方がわかって居らず、もしかすると邪神により滅ぼされたのかもしれない、とも考えられていますね。

この時代以降、主流の技術は魔法と呼ばれた『口頭法』から、魔術と呼ばれる『記述法』にうつり変わっていきます。

現在、魔法を使える人はほとんど居ません、しかしゼロではありません。

使えないのではなく、使わないのです、今の時代は魔術が主流、魔法はほとんど残っていません、どんな言葉を使い、どのような効果を持っていたのか、今となっては1部のマイナーなもの達がひっそりと調べている程度です。

しかし、使えるのです、5000年の空白時代、そこから既に3000年がたった今の時代!

魔法は既に復活しているのです!

この事から、音の神リーチェは復活しており、なにかの目的から身を隠しでいる、とゆう眉唾物の話が噂されることもあります!

真実は分かりません。

しかし、我々は主を信じればよいのです。

主はおおらかな心で、私たちに選択を許してくれるでしょう。





ーーーーー






そこで、神父様の話は終わった。

仰々しく、恭しい、そんな態度。

よくやるもんだ、と思う。

眠い目を擦って頭を上げようとするが、どうもそんな気分にはなれない。

柔らかくない椅子だ、おしりが少し痛い。

机も机だ、少しささくれだった断面がこそばゆい、寝るに寝れない。

それなのに、神父様の口説い宗教学の話だ、勘弁して欲しい、すごく眠くなる。


「エノワール! 」


僕は、名前を呼ばれて薄く閉じた目を開け、目の前の20代前半ほどの美麗な女性を見つめた。

ここ、クルト村で1番の美女らしい、栗色の髪とクリっとした目が印象的で、男子人気ナンバーワンなのだそう。

けど、僕にはよく分からない。

彼女はなにか、怒っているようだ。


「また居眠りですか!全くあなたは、いつになったらまともに神父様のお言葉を聞けるようになるのですか!!」


手厳しいな、と思った。

けど寝ていたのは僕だ、悪いのは僕だと思うし、すなおに反省しよう。


「ごめんなさ、、」

「まあまあ、いいじゃないかアンちゃん。 エノくんだけじゃない、みんな長々しい話は疲れたろう。おやつにしないかい?」


謝ろうとしたら、神父様に遮られてしまった。

この人は先生を狙っている節がある、隙あらば話しかけよう話しかけようとするのが生理的に受け付けないのか、僕含めてたったの5人しか居ないこの学校でも、そこそこの嫌われ者だ。


「、、はぁ、そうですね。 おやつにしましょうか、みんな食堂に集合してねー!あと、アンちゃんはやめてください神父様。私はもう23歳です」

「おお、それはすまんすまん、」


謝りながら、プリプリと怒る先生の、揺れるケツをそれはもう楽しそうにながめる神父様。

少し引いてしまった。


「「「「はーい !!!」」」」

「あ、はーい!」


僕は、みんなが返事をするのを聞いて、慌てて返事をした。

何に対しての返事かよく分からない、オヤツにしましょう、に対してだろうか。

いや、それは今はいい。

挨拶をしなきゃ行けないんだ。


「きりっつ! れいっ!!」


子供たちが立ち上がる。

僕も習って立ち上がる。


「「「ありがと、ございました!」」」

「ありがとぉござました〜」


元気な挨拶に少しだけ双眸を崩す先生、子供好きのする性格で子供人気も抜群の美女は、その隣で椅子に腰かけ子供なんざ関係ないと斜に構えて先生ばかりにかまける神父様とはえらい違いで、かなりの人気者らしい。

片田舎、全生徒5人のこの学校は、俗に言う宗教学校だった。

まあ、それを言ったらこの時代、学校と言えば教会運営の物が主流であり、それ以外だと1部の国が運営するひときわ大きな学校か、または個人営業の学習塾のようなものしかない。

個人営業のひっそりしたもの、あることにはある。

ただ、そうゆう所は大きな都市にあってもこの学校と似たりよったりの生徒数しか稼げないため、たまにある、とゆう程度だし知名度もそんなにない。

父さんに何度か聞かされた。

国立の学校に行けるのは地位の高い人、もしくは領主様の招待状を持っているものに限られるそう。

村長の招待状でも一応受験資格はあるらしいけど、全くレベルの違う教育の元育ってきた奴ばかりが受ける学校に、田舎上がりで田舎者に毛が生えたくらいの学問知識しか抑えていない教育の元育てられた子供たちがどうこう太刀打ちできるはずも無い。

とくに、都心部には田舎者に差別的な人も少ないが居ることは居るのだ。

例え合格基準の学力があったとて、領主様くらい権力のあるひとの招待状ではなく、たかだか村長程度の招待状では学校に入れなかった子供の親に何を言われるか分かったものじゃない。

後ろ盾がないのだ、仕方ないとも思う。

世知辛いと思うくらいの自由は許して欲しい。

こう言う奴らが金を積めば、割と簡単に弾かれてしまうのが田舎者の性、とゆうやつらしい。

全く、世知辛い。

そんなこの学校、とゆうかこの学校を運営しているリフーナ教の方針として、3世代合同授業で学校を運営するように、となっている。

簡単に言えば6歳が最年少でそこから8歳までが3年間授業、その後その世代の最年少は9歳で卒業となるわけだが、このひとつ下の8歳から6歳が次年度の入学生になる、とゆう制度だね。

こうゆう制度にしている理由はたぶん学年をいくつも作るのはコストがかかりすぎる、その割にリフーナ教とゆう宗教の浸透度はそれほど高くなく、甘く見積ってもこの国、ラグン王国の南西に長い立地、その東側全土で信じられている、程度のものになっている。

とゆうことは、1世代ごとの生徒がそんなに多いはずもなく、そんな運営をしていては破産してしまう、とゆうことなのだろう。

ただでさえ小さい国だ、本当に小さな宗派なのだと分かるだろう。

特にこの寂れた村はリフーナ教の普及している範囲でも東端の方にあり、ぶっちゃけ信心深い人なんてほぼ居ない。

リフーナ教も西側への進出ばかりに目がいっているためこの辺はそれこそ放置プレイと変わらない状態だった。

そうゆう背景から、この学校には最年少世代の僕から3世代在籍しているんだけど、この学校に在籍していない同世代、とゆうのを何人か知っている。

まあ本で教えてくれることの応用、みたいなことしかしないのだ、だったら農業でもして体作りをして少しでも将来に繋げたい、とゆう親心も分からないでは無い。

僕は今7歳、在籍からだいたい7ヶ月とゆうところだろう。


「はーい!みんな並んでねー!おやつはドーナツよー!」

「「「「はーい!」」」」


おっと、物思いにふけっている間に食堂に着いてしまったらしい。

食堂のおばちゃん、と言うには少し若い薄茶色の髪をした女性がよく通る声で子供たちに呼びかけるのが聞こえた。

元気な返事をして1列に並んだ子供たち、僕も慌てて最後尾にならんだ。


「皆さん手を合わせましたかー」

「「「「はーい!!」」」」

「主、リファーナ様が円環に感謝を」

「「「「「主、リファーナ様が円環に感謝を!」」」」」

「アルダンネ」

「「「「アルダンネー!」」」」

「あるだ、んねっ!!」


うっ、発音が難しい、けど言えた。

リフーナ教での「いただきます」を終えた僕達は、やっとドーナツにありつく。

ドーナツは砂糖で味付けされたほんの少しだけ甘いヤツと、塩で味付けされた、これはそこそこしょっぱいやつ。

キャラメルやチョコの塗られたものがないのは口惜しいが、これはこれで悪くない。

てか普通に美味い、割と気に入ってる。

たまにイチゴジャム塗ってるのとか出る、あれは最高。


「アンダルーネ!」

「「「「アンダルーネ〜!」」」」

「あんだる、っね!」


食べ終わるとみんなで「ごちそうさま」をする。

発音が難しい、けど美味しかった。

もう1つ2つは入りそうなお腹事情のまま食堂を後にする。

午前は座学で午後は実技だ。

実技の方が好きな僕としてはこっちがメイン。

今となっては廃れてしまった詠唱、無くなったことは悲しく思うけど、助かってもいる。

記述法ならいくら時間がかかっても事前準備が全てだからね。

真に僕向きと言えるだろう。

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