旦那編 marito 28:遺跡の調査 Indagine sulle rovine
すみません。体調不良で一回お休みしました。なんとか続けられるよう頑張ります。
演奏会が終わって数日した頃、ジョルジュくんは何故かわたしの後を付いて来る。
何でそこまで気に入ったのか分からないけど、わたしには何か感じる所があるらしい。新作の叙事詩を創ると張り切っている。
「おーぃ、ことね!」
二人で町を歩いていたら、ディアに呼び止められる。
「どうしたの?」
「ちょっと依頼の件で相談したいことがあるんだけど、いいかな?」
「ほぅ、なかなか面白そうな展開です」ポロロン♪
「あぁ、この人が例の吟遊詩人さんかぁ」
ディアは笑って右手を差し出す。ジョルジュも応えて確り握手をする。
「こないだの演奏会には行けずにごめんなさい」
「いえいえお気になさらずに」
和んでいる処をすみませんが、ゆっくり話せる場所に行きましょ。
近くの酒場でお茶にしました。
「それでね。神殿からの依頼なんだ。ちょうど行ける人いなくてさ」
宗教絡みなのか、何か冒険者ギルドを通したくない事情があるのだろう。
「で、どんな内容なんだろ?」
「町の北というか、北北西くらいなのかな。道程で一日くらいに遺跡があるんだけど、そこで何か起こってるらしい。それの調査だね」
「何かって、具体的にはどんな?」
「放置されている像が動くとか、数が変わるとか……」
「怪奇現象? なんだか変な状況だなぁ」
「複雑なことが絡んでいるような気がしますね」ポロロン♪
お茶を飲みながら少し考える。
「少し嫌な感じするから、人数多い方がいいかもしれないね。経費は大丈夫なの?」
「その辺は大丈夫だし、報酬も悪くないよ。宗教は儲かるらしい」
「よし、参加者集めよう!」
「今回は自分も行くからね」
ディアの提案に乗ることにする。
で、参加者を小夜啼鳥に集める。
ディア、はるっち、サブ、私と――ジョルジュは勇んで付いて来る。
「こちらが、今回依頼の指揮となるディアです」
「よろしく、と言っても初めてはジョルジュさんだけですね」
「どうぞ、“ジョルジュ„ と呼び捨てでお願いします」ポロロン♪
「はぃ、よろしく。ジョルジュ!」
「目的は遺跡で何が起きてるから確認することです。モンスター討伐ではないので無理はしないで下さいね」
「了解っす!」
「もちろんじゃのぅ」
「叙事詩の良い題材になりそうです」ポロロン♪
建国2年渦月30日(30/Spirale/Auc.02)第一昼刻
希望の町北口に集合して出発する。
何だか初めての村から希望の町へ移動した時を想い出す。あの時はサブが付いて来たけど今度は変なことが起こらなければいいなと思っていたのだが……
丁度第二昼刻が始まった頃、暗闇に捉えられる。
あ、これはって思ったと同時に生命の腕輪の効果音が響く。
“ワイド・インスタンス:芋虫の襲来„
「ワイドかぁ」
「ディア何か知ってる?」
「インスタンスの一種なんだけど、時間が掛かるらしい。自分も初めてだ」
周囲は一面の草原、家畜を飼う牧場が見える。
「ほぅ、これは良い叙事詩ができるかもしれません」ポロロン♪
ジョルジュくん。君は楽しいかもしれないけど、結構大変そうな予感がする。
「ワイド・インスタンスって逃げられないの?」
出来ることならば避けたいんだけどね。
「何じゃ、ことねは今回弱気じゃのぅ。始まったからには一気にやってしまうのが良いと思うのじゃが」
「中途で止めることはできないと聞いた。時間切れはあるらしいけど」
「ワイはやるで! 正面突破や!」
「サブやん! 頼もしいですぅ~」
幻影の自動起動は止めぃ!
「いま逃げ出すと “卑怯者の歌„ ができますが」ポロロン♪
ポロロン♪ 止めぃ!
みんなやる気は十分なので、やるしかなさそう。
題名からして芋虫退治なんだろうけど、今回は嫌な感じが強い。注意しないとな~
とりあえず全員で牧場の方へ向かうことにする。
次回 「旦那編 29:芋虫の襲来(その1)La invasione di vermi:primo」




