月日は流れて、
誰もが驚いたあの日、都市を浮かせたのはまだ22歳の超能力を持つ者だった。名を、以瑠という。
人々には彼のような力など当然ないから、彼を賛美し励ますことしかできない。彼がいなければ、自分たちの命などとうにない。
都市が持ち上げられたあの日から、都市の中央には深い窪みができた。その底は微かに地上に届くかのようにみえるほどまでに伸びた。ぎりぎり、植物の届くか否かくらいに。
その深淵で彼、以瑠は弱いながら同じ力をもつ佐以という弟と半日毎に交代して協力しながらずっと力を注ぎ続けている。それは傍目から見ても大変な重労働で、本来なら到底なされてはならないようなものだけれど、その力がその力であるために、誰にも止めることはできなかった。
ただ孤立した寂しき都市の、国家と化するまでにさほど時間はかからなかった。以瑠と佐以を王として、その下に組織が作られていく。王が大きな犠牲の下に存在したから、逆らう人は驚くほどいなかった。
王がいなくなったその先、どうなるのかさえわからないというのに、時間は悲しいほど残酷に過ぎていく。
いや、人々はきっとわかってはいるのだろう。だが、痛みを知るまでは、なにもしない。今までも、きっとこれからも。
そして、10年という年が過ぎ去る…
理系精一杯を尽くして書いたんです。
文章、理解してあげてください(´・ω・`)




