1/5
犠牲のあとに、
逃げれるか、いや、無理…。
そう思った時に思い出したのは自分のあの力だった。
あれを使えば、まだ何とかなる……?
緑は既に星の大半を覆い尽くしていた。都市は次々と緑に駆逐され、機能という機能を失い、住める状況でさえなくしていった。ひとつ、またひとつと都市は消え、人は消え、緑は着々と星を覆い尽くさんとしていた。自分の住むこの都市に緑が延びてきたのは、そんな、あとに残った年の数さえわからなくなってきた頃だった。最早、他に手立てはなかった。自分はそうするしかなかった。そうしなければ、死ぬと思った。そうしなければ、……。ただ、自分のために…。人のためにとか、そういった偽善的なことではなく、ただ、生きるために。
自分は、精神をできる限り集中し、できる限り広い範囲のこの都市を、………浮かせた。




