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「おっと…1時30分にして勝負申請来たな。受諾受諾っと」
デバイスの受諾をタッチすると光に包まれる。
いつも勝負が始まる前の光景が広がる。
この瞬間はいつも不安とワクワクで入り交じる。
勝負は何か、どんな相手か、全て会ってのお楽しみである。
そして今回は相手側に来ていた。
知らない土地の真ん中に待ってたと言わんばかりの対戦相手が立っていた。
「申請受けてくれてありがとう。僕は東雲侑里。君は?」
「こちらこそ申請ありがとな。暇してたとこなんだ。改めて俺は天羽司だ。よろしく」
「よろしくね。天羽くん」
「司でいいよ。勝負内容はどうする?俺はゲーム系がいいけど…」
東雲侑里。大人しそうな印象があり、身長や体格的にも司よりも歳下な印象を受ける。
司は運動が全くといっていいほど出来ない。RIVI内だからって身体能力あがるわけでもないため、ゲーム系の勝負を好む。
「それじゃあ司くん。ジャンケンにしようか」
「ジャンケンか…時間も無いし、只の運ゲーでも無いし構わないよ」
「ありがとう!僕はあんまり勝負得意じゃなくて月1でやるのがやっとなんだ。今月もピンチだったし司くんが受諾してくれてよかったよ」
弾けんばかりの侑里の笑顔。
その笑顔に司は戸惑いを隠せない。
純粋そうで自分より歳下の侑里と本気で戦えるか不安になっていた。
「あ、でもちゃんと本気で戦ってね?司くん目が迷ってたよ」
「!!…へぇ中々やるじゃん。俺たぶん顔に出てなかったと思うけど」
「うん!出てなかったよ。目が一瞬泳いでただけ」
今までの甘えた考えを後悔した。たった一瞬で感情を見抜く洞察力。そして正しく読み解いた理解力や感受性。
明らかに今まで司が戦ってきた者達とはレベルが違う。
本気でやらなきゃ負ける。
本能的に感じ取った。
「…フゥ…よし、じゃあ侑里!やるぞ!!
勝負は1回勝負。最初はグーの掛け声のあと、30秒目を合わせた後にジャンケンポンはどうだ?」
「それで大丈夫だよ」
「いくぞ!」
「「最初はグー」」
とても長い30秒が始まる。
侑里の目はただ真っ直ぐに司を見ている。
侑里の思考回路を探る。
(司くんの目つき変わった…流石噂になるだけはあるね)
(純粋且つ戦略家の司チョキを反射的には出しそうだな…
でも侑里は意図的にそれをコントロール出来るんじゃないか?そして俺にその考えを読ませようとしている?)
(僕は最初から出すものは決めてるよ。司くんはこの時間に僕を分析して出すもの決めるんでしょ。
同じことしちゃ僕は負けるだけ、なら思考を読ませないように感情を無に…!!)
(…!!なるほどな。侑里。お前最高に頭いいじゃん。なら俺は!)
とても長い30秒を経た。
同時に声を出す。
「「ジャンケン…ポン!!」」




