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掛け声と同時に出したもの
司はグー
侑里は…チョキ
勝負は天羽司の勝利となった。
「よっしゃ!!俺の勝ち!」
「やっぱり負けちゃったか」
「…やっぱり?」
「僕が出すもの。司くんは分かっちゃったんだよね?」
少し悲しそうに聞く侑里。
「分かってたというより分かったかな。
途中で侑里の目が一瞬決心してる目になった。それで侑里は俺の思考回路を除く気は無いんだって確信した。
あとは侑里の性格上何を出す可能性が高いかを考えて出した。
だからこれは俺にとって侑里が何を出すかは賭けだったんだよ」
「そうか…」
司にとっても賭けだった。100%勝てると思えない勝負は彼にとっては初めての出来事。
それぐらい侑里は強者だった。
ピロンと現実に戻す音がすると侑里のKingが司の手持ちに入る。
デバイスの表示が変わった。
【東雲侑里 King 2】【天羽司 King 8】
表示を見た瞬間、司の顔色が変わっていった。
「お前月1で戦って負け無し?」
「うん…初めて負けたよ。流石司くんだね」
眩しい笑顔で清々しく負けを認めた侑里。
それに反して勝ったのにも関わらず、何とも言えない悔しさを抱いた司。
そんな感情を抱かれているとは知らず、侑里が落ち着いた口調で話し出す。
「司くん。ここは北海道だよ」
「は?いきなり何言ってんだよ」
「僕は東雲侑里。北海道の中学2年生。改めてよろしくね」
そっと差し出される手。
その手をしっかりと握り返し彼も答えた。
「天羽司。千葉の高校1年。よろしくな。また戦おうぜ」
「うん!また機会があれば!!」
対戦相手とこのように話すのは初めての司。侑里との対決で誰かと本気で戦うこと、それがどれだけ楽しいことか気づいた。
「次も負けないぜ。侑里」
「次は負けないよ。司くん」
そして迎えた午前2時。
また光に包まれる。
「またね」
そう聞こえた気がした。
光が消えて、目をはっきりと開くと先程まで歩いていた。馴染みの景色。
帰ってきた。そして隠れていた世界も戻ってきた。
深夜だけあって賑わっているわけではないけど、人気が感じられる。
「…侑里。また勝負しようぜ」
(…RIVI何のためにあるかわからないけど、ワクワクするじゃねぇかよ!!)
まだ巡り会っていない強者達との勝負に思いを馳せている司。
しかし同じことを思っていたのは、彼だけではない。
「また圧勝してしまいましたわ」
「ふふーん!運動なら誰にも負けないよ!!」
「…つまらない。こんなので勝っても勝利とは言えない」
「……RIVI誰が創ったのか知らないがここだけが俺の居場所だ」
改めて始めようか。KingとQueenの争奪戦を。




