CodeⅧ:機械は恐怖を感じるのか
自身を犠牲にしたギーナに驚愕と疑念を感じた。
何故そんな事をしたんだ?
何故私達を守った?なぜ?なぜ?
疑問が浮かんでは消え、浮かんでは自分で答えを出した。
ギーナは人間だが、類稀なる才能を持っている。だから自分がどれくらいの傷なら耐えられるかを計算していたのだろう。
そして自分へのダメージと、私へのエネルギー供給を天秤にかけて、エネルギー供給を優先した。
「シリウスさん!エネルギーの供給が終わりました!!私は主を治療します!」
「まかせろ。ギーナより上手く守る」
ギーナは示したのだ。
私ではここまでしかできないから、後はお前に託すと。
「かかってこい。あたしが相手だ」
ギーナの、あの自爆で上半身を失ったデカい機械はもう使い物にならない。
だが周りの機械生命体はまだ健在だ。
コイツラを一体残らず根絶やしにする。
「主様!ちょっと痛いですけど我慢してくださいね!!」
リリィはかなり乱暴に治療しているようだ。時々後ろからうめき声が聞こえる。
私は構わずに、斧を投げて、突進。
斧を回収し腕に装着。
回転して、爪と装着した斧で斬りつけ、大剣をガントレットに変えて、背中に付けた棒を取り外し、盾を変形させ装着。
盾と棒を合体させ、大斧に変化させる。
大きく振り回して、3体の機械生命体を一気に倒す。
ギミックを使用し、大斧の盾の部分を分離させ、盾がぐるぐると回り機械を両断。
棒のギミックを起動して、先が尖り、槍へと変形させる。
体勢を変えて、勢いよく投擲。
3体の機械生命体に突き刺さり貫通し、さらに奥の1体を破壊。
ガントレットから大剣へと変えて、リリィとギーナに迫っていた機械を投擲で破壊。
ギーナが決死の覚悟で倒した巨大機械がもう一体、姿を現した。
駆け抜けて先程投げた盾と槍を回収し、もう一度大斧へ変形。
「お前の弱点は、胴体にあるコアだって、ギーナに教えてもらった」
空中で大斧を利用してクルクルと回り顔面に向けて、遠心力全開で叩きつけ、あたしの仕事、破壊を完遂させた。
「…流石、シリウスだ」
ギーナはニヒルに笑う。
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「いいか、シリウス。
君の持ち味は大量の武器や、自身の爪を利用した、集団戦闘だろう?」
「ああ」
「そこで私は考えた。
様々な用途のある物を組み合わせることで別の武器になるものは、最強の矛にも、盾にもなるのでは?と」
「ああ。…ん?」
「そして私はこうも考える。
投げられる武器は多ければ多いほど、いい」
「んん?」
「そして最後にこう思った。
全部作っちゃえばいいんじゃね?」
シリウスは目を片手で覆い、天を仰いだ。
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リリィにお姫様抱っこをしてもらいながら、シリウスが生成所の機械生命体を倒し、常用出口を越えて、その先にいる3体のマッドと2体のドットを見つけ、シリウスに手で合図を送る。
【エネルギー】
合図を返される。
【足りない】
私は頷き、リリィにシリウスのエネルギー供給を頼み、体の調子を確認する。
問題なし。
二人を物陰に隠れさせ、私は足音を鳴らしながら、リリィの囁きを聞き、笑みを浮かべる。
「畏まりました。ご武運を」
リリィは私を信じてくれている。
ならば、その信頼に応えねば、主たりへはしないだろう。
「やぁ、お会いできて光栄だよ。五体の機械さんたち?
ここで会ったのも何かの縁だとは思わないか?」
態とらしく、大きくカツカツと足音を鳴らし手を広げて挨拶を交わす。
「……何故ここにいる。映像通り、お前はあそこにいるはずだろう」
ドットの一体が監視カメラを確認しながらそう宣った。
「どうやらオツムが相当弱いらしい。
可哀想に。私がデコイと言ったのを覚えていないのか?」
パァン!!!
銃撃音を響かせて私の頭は撃ち抜かれた。
「あら?反応できてないじゃない。
ノコノコと歩いて壊されてちゃ意味ないでしょ。勿体ないわね。あれだけの力を発揮できるのだからもっと時間をかければ良かったのに。ま、どうでもいいわね。
行きまーー「何処に行くって?」ッ!!!」
肩に手をかけ耳元で囁く。
「そうだよな?壊したと思ったよな?
残念だけど私はそんなに無鉄砲じゃないんだ。
それこそどうでもいいことかな?
まぁ、私にとってはお前のほうがどうでもいいわけだが」
後ろにいたドットに首を跳ね飛ばされた。
「手応えありですが…、恐らくデコイでしょう。逃げるべきで「何処へ?どうやって?」
………。」
ドットの背後、ちょうど良さそうな瓦礫に腰掛けて、もう一度聞く。
「この現状を理解できてもいないのにどうやって、どこに逃げるんだ?
本当に逃げられると思ってるのか?
だとしたら現実逃避か、或いはその頭には脳が搭載されていないな」
3機のマッドと2機のドットはこのおかしな現状に恐怖を感じていた。
蘇ったかのように、壊したはずの体が消滅し、すぐ真横で恐怖を煽るように囁き脅される。
そんな恐怖を。
「逃がすつもりはない。
どうか存分に死に近づく感覚を楽しんで、壊れてくれ」
どうする。どうすれば?
そう悩んでいる内は
このD(eep).B(lue)デバイスは破れない。
モデリングデバイスを作る過程で生まれたこのディープブルーは深きデータの海だ。
人間に対してはその目を欺く程度。
これは対マッド、対機械生命体用である。
データを集約させることで、触れた、嗅いだ、見えた、聞こえたを錯覚させてその存在をも騙す。
4つのデコイーズが必要であり、今私の手元には合計で6つのデコイーズしかない。
つまり使えるモデルが限られている。
先ほど使っていた【メビウス】は使えない。
「SystemCall・Architect.Drop.
Armored・Mebius.起動開始。
M.Dコントロール.モデレ「させません!」…」
先程私のデータを切り飛ばした男が再び私のデータを切った。
だが、それは何の意味もない。
今回はジリジリとノイズを走らせてみる。
その場にいた機械達は驚愕の表情を見せていた。
ここだ。
D.B.デバイスは私をデータで隠す。
私は飛び出し、先程切られたデータの私を本物へと誤認させる。
「フランベルジュ!」
「クッ!!」
防がれた。だが、これでいい。
これでこの身体が本物だと“誤認”した。
私自身はここから離れ、再度防がせ、同じ事を繰り返し、3分間の“死闘”を実現させる。
そして3分が経過すれば、シリウスの充電が終わり、ゲームセットだ。




