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殲滅戦記メギド  作者: 松茸
Episode1.荒廃した世界で
4/45

CodeⅣ:拠点…の前に

「ところで何だが、武器はないのか?」


 ……かんっぜんに忘れていた。


「素手で戦うのは流石に無理あるぞ。

 ギーナを守らなきゃなんねぇ。

 武器無しじゃ保証できねぇ。

 装甲はまだいいから武器が欲しい。

 できれば3つ」


 フェンリルの武器は計8つ。

 そのうちの一つは爪。

 それを抜いたとしても7つの武器を持つマッドだ。

 

「私が作ろう。出来は期待しないでほしい。

 設備がなければ完璧なものは作れない」


「…寧ろ作れることが驚きだ。

 最悪探しに行くつもりだったからな」


 必要な素材は…全部揃ってるな。


「早速取り掛かる。

 なるべく音を出さないようにするつもりだが、もし敵が来たら…」


「まかせろ!囮になってやる。

 その代わり直ぐに武器を完成させてくれ」


「適材適所。任せてくれ」


――――――――――――――――――――


 案の定というか、なんというか。

 製作途中に機械生命体がやってきた。

 音に反応するのは定番ではあるが、合理的だな。

 武器を作るための駆動音によって集まってきた。

 当然熱源感知だって可能。

 息を潜める意味はない。それなら1秒でも早く完成させるべきだ。

 それが何よりもシリウスの力になれる。


 工程度外視!実用性重視!フェンリルが持っていたものよりも扱いやすくシンプルに!

 そして!!長さと形状、収納は装甲へと変換することで、ガントレットに!


「シリウス!!できたぞ!!」


「速えな!?まだ5分も経ってねぇぞ!?」


「しっかり受け取れよ!」


 ガントレットをシリウスへとぶん投げ説明を添える。


「嵌めたら手を開け!!そしたら形状変化する!」


 シリウスは考えていた。

 どうやったらこの少ない資源の中でそんなもんが出来上がるのかと。

 そしてこうも考えていた。

 時間と資源、ちゃんとした設備があったらこれ以上のものができあがるのか?と。


 手を開いてみせると、カシャカシャとガントレットがシンプルな大剣に変化。

 それはシリウスの手にしっかりと馴染んでいた。


「……すげぇ」


 後でどういう原理なのか聞いてみようと考えて、行動に映す。

 近接タイプの機械生命体は強い。

 遠距離タイプよりも速く、早い。

 インファイトするならば処理能力、行動速度は早い方が良い。

 そういう設計を施されている。


 ではフェンリルはどうなのか?

 生前の壊す者として作られた破壊の象徴たるフェンリルは、戦う事に関して非常に特化している。

 当然それは近距離戦を想定したもので、遠距離など皆無だ。


 だがそれは設計者側が考えたものだ。


 フェンリルは手持ちの武器を投げて戦うこともある。

 なら一つしかない武器を投げたあとは?

 当然回収するだろう。

 なら回収させてくれない相手なら?

 戦えなくなる。

 投げるという選択肢を失ったフェンリルは設計者の考えた通りになる。

 それが嫌だったから色んな武器を作って持ち歩いていた。

 では今回シリウスとして、シーカーから受け取ったこのガントレットはどうだろうか。


 これに内蔵されたデータが教えてくれた。


 ーー投げろと。


 脳に直接訴えてくるのだ。

 手を広げろとしか言われていないが。よく分からないが投げるべきだと判断した。


 そして投げた。


 当然何の考えもない武器投擲など、当たるはずもない。

 のはずだが…驚くべき事が起きた。

 考えた。


 このまま横に向けて振るえば一瞬で戦闘が終わると。


 投げた剣が向きを変えて、機械生命体の体を考えた通りに真っ二つにしてみせた。


 そして役目を終えた大剣は無数の小さい欠片に変化し、旋回しながらバラバラにシリウスの元へ帰還した。


「……なんじゃこりゃあ」

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