CodeⅤ:敗戦
「シリウス。準備はいいか」
「問題ない。我が主よ」
両腕に付けた改良型可変式ガントレットをグッと握り込み、私の隣に追従するシリウス。
「リリィ。スサノオを頼む。
私とシリウスは大丈夫だ。
サンドラを失うわけには行かない。
分かるな」
「おまかせを。ネイター如きにやられるマスターと剣ではないですよね?」
冗談めかしてニコニコと。
リリィは一度私が死んだ経験をしている。
とっくの昔に私はそう簡単には死なないことを理解している。
「当然だ。
スサノオ。殿は私が務めるが、いざという時、分かってるな?」
「まかせて。ママに仕込まれたスナイパー後衛技術を見せてやるから」
絶対の信頼。勿論応えてみせる。
「ガラハッド。派手にやるぞ」
「好きにやっていいんでしょ?
なら、私の専売特許。
改造を施された、魔王の左腕としての初陣、この敗戦に尽くせるのなら本望」
フル改造されたガラハッドが、白い装甲、その顔に嵌められたアーマーが、キラリと不敵に光らせる。
「メイド共。今日ばかりはサボりは無しだ。
全軍を誘導しろ」
「「「畏まりました!!」」」
全マッドへ告げる電子信号。
『全軍に告げる!!
我々はこれから!
敗戦する!!
だが!!唯の敗戦ではない!!
勝つための!取り返すための敗戦だ!!
恨むならば、敵ではなく!私を恨め!
それでも付いて来るのならば!!
そんな狂った奴は全員生き延び、互いを助け!
逃げ延びよ!!!
さぁ!走れ!戦え!!
己の、命のために!!!!!』
ドォ!!っと、激しい音を響かせ、数多のネイターを蹴散らしながら、時に走り、時に空へ。
逃げ続ける。




