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殲滅戦記メギド  作者: 松茸
EpisodeEnd.終戦記ラグナロク
35/50

CodeⅠ:未来に捧ぐ機械共の楽園

『『『『ピぽ!ニンゲン、コロス』』』』


『『『『コロセ、コロセ!』』』』


『『『『マッドモ、ドットモ、ホロボス!ホロボス!』』』』


 ガシャガシャ、ギシャギシャと耳障りな音を響かせ、コンクリートジャングルを埋め尽くす程の機械群。


 世界は、アイリスの預かり知らぬ所で、確実に、滅亡へと、歩を進めていた。


────────────────────


「ママ!もう休んでなくていいの!?

 ほんとに!?」


 スサノオはやや怒り気味に私に話しかける。


「ああ、もう大丈夫だ。

 なあ?リリィ。

 私の腕や足はアーマーに変えたし、全ての臓器をマッド仕様にした。

 人間的要素はなくなったが、以前よりも思考は早く、制作意欲は尽きていない。

 名実共に、スサノオのママになった気分だな」


 リリィは頷くだけだったが、表情は慈愛に満ちている。


「ママは元からママでしょ?」


 スサノオは疑問気だ。


「…いや、そういう話じゃないんだが…。

 まぁいい。

 リリィ?さっきからなんで何も言わないんだ?」


「…いえ。人間じゃない体のはずなのに、なんでこう、人間の肌と全く同じなのか気になりまして。

 私の肌と比べても間違いなく質感は人間です。

 ホログラムではないですし、答えを教えていただけませんか?」


 実に嬉しい質問をしてくれる。


「リリィ、君は肌の制作にも加わっただろう?

 思う所はあったのではないか?」


「勿論ありましたが…、違和感はありませんでした。全て鉱石だった所が…、心配だったというか…」


「…君のその欲望を隠さないところは、私に似たのか?

 いや、これは話が逸れているな。

 私とメビウス、それから君の手に掛かれば、今や鉱石ですら、肌を再現するのに不足ないというわけだ。

 それに加え、元々私の細胞を使っているのだから、人間的肌になるのは確実だ」


 自身の腕を撫でながら、アナライズを実行し、その内側の抗生物質を読み解く。


 間違いなく、真皮線維芽細胞。

 コラーゲンやヒアルロン酸も含まれているが、その実体の大部分は、鉱石をアンバー粒子によって流体化させ、肌のしっとり感を再現している。


 これによって、手を握ろうが、肌を撫でようが、人間の肌を触っているかのような触感を再現。


 口の中や、鼻に耳等の機能も、鼓膜や、網膜、虹彩などなど、全ての細胞を作り直している。


 ……甚大なる時間が掛かったが。


 なんせ人間の細かな作りなど、殆ど知らなかったのだから。

 今まで調べる余裕など無かったし、調べようともしなかったからである。


 アナライズを用い、ミラーズ10機による精密検査と、解析、そして、再現による、客観視、幾度となく実行した試験。


 リリィとメビウスによる意見交換。


 実に有意義で楽しい時間だった。


 何故かガラハッドとシリウスは頭を抱えていたが。


「所でギーナ?私は本当に見張りをしなくていいの?」


「何度言えば分かるんだ、ガラハッド。

 お前は切り札だぞ?

 いつ如何なる時に、どんな敵が攻めてくるとも限らないんだ。


 知っているか?


 大将は戦場に出ないんじゃあない。

 出るべき時に出るのだ。

 最高戦力である、シリウス、ガラハッド、そして私は、然るべき時に戦場へ出る。

 その最高戦力の一角であるガラハッド、貴様が見張りだと?

 笑わせるな」


「そ、そこまで言う…?」


「はぁ…、焼き焦がす者・シリウスとして言わせてもらうけどよ。

 うちには五千のマッドがいるんだぜ?

 ガラハッド、お前が前線に立ったら、サンドラとその五千のマッド、それから我が主の出番が少なくなるだろうが。

 そういう意味でも、切り札なんだぞ。

 大局を見ろ大局を」


「言うようになったな、シリウス。

 軍を鍛えてる内に指揮官らしくなったじゃないか」


「お前が起きるのほんとに遅かったからな。

 聞いても何も答えねぇし」


「…ごめん」


 ガラハッドがシリウスに向けて謝罪する。

 謝るなら私だろうに。


「…いや、別に謝ってほしいわけじゃ。

 いや、すまん…。

 あの言い方だと、そうなるか。

 んがぁ…!!!人間ってのはむずいな!」



「ねぇ。リリィ。思うんだけど、ママとシリウスが友達になってから、シリウス、だいぶ変わったよね」


「そうですね。良いことです」

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