CodeⅠ:未来に捧ぐ機械共の楽園
『『『『ピぽ!ニンゲン、コロス』』』』
『『『『コロセ、コロセ!』』』』
『『『『マッドモ、ドットモ、ホロボス!ホロボス!』』』』
ガシャガシャ、ギシャギシャと耳障りな音を響かせ、コンクリートジャングルを埋め尽くす程の機械群。
世界は、アイリスの預かり知らぬ所で、確実に、滅亡へと、歩を進めていた。
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「ママ!もう休んでなくていいの!?
ほんとに!?」
スサノオはやや怒り気味に私に話しかける。
「ああ、もう大丈夫だ。
なあ?リリィ。
私の腕や足はアーマーに変えたし、全ての臓器をマッド仕様にした。
人間的要素はなくなったが、以前よりも思考は早く、制作意欲は尽きていない。
名実共に、スサノオのママになった気分だな」
リリィは頷くだけだったが、表情は慈愛に満ちている。
「ママは元からママでしょ?」
スサノオは疑問気だ。
「…いや、そういう話じゃないんだが…。
まぁいい。
リリィ?さっきからなんで何も言わないんだ?」
「…いえ。人間じゃない体のはずなのに、なんでこう、人間の肌と全く同じなのか気になりまして。
私の肌と比べても間違いなく質感は人間です。
ホログラムではないですし、答えを教えていただけませんか?」
実に嬉しい質問をしてくれる。
「リリィ、君は肌の制作にも加わっただろう?
思う所はあったのではないか?」
「勿論ありましたが…、違和感はありませんでした。全て鉱石だった所が…、心配だったというか…」
「…君のその欲望を隠さないところは、私に似たのか?
いや、これは話が逸れているな。
私とメビウス、それから君の手に掛かれば、今や鉱石ですら、肌を再現するのに不足ないというわけだ。
それに加え、元々私の細胞を使っているのだから、人間的肌になるのは確実だ」
自身の腕を撫でながら、アナライズを実行し、その内側の抗生物質を読み解く。
間違いなく、真皮線維芽細胞。
コラーゲンやヒアルロン酸も含まれているが、その実体の大部分は、鉱石をアンバー粒子によって流体化させ、肌のしっとり感を再現している。
これによって、手を握ろうが、肌を撫でようが、人間の肌を触っているかのような触感を再現。
口の中や、鼻に耳等の機能も、鼓膜や、網膜、虹彩などなど、全ての細胞を作り直している。
……甚大なる時間が掛かったが。
なんせ人間の細かな作りなど、殆ど知らなかったのだから。
今まで調べる余裕など無かったし、調べようともしなかったからである。
アナライズを用い、ミラーズ10機による精密検査と、解析、そして、再現による、客観視、幾度となく実行した試験。
リリィとメビウスによる意見交換。
実に有意義で楽しい時間だった。
何故かガラハッドとシリウスは頭を抱えていたが。
「所でギーナ?私は本当に見張りをしなくていいの?」
「何度言えば分かるんだ、ガラハッド。
お前は切り札だぞ?
いつ如何なる時に、どんな敵が攻めてくるとも限らないんだ。
知っているか?
大将は戦場に出ないんじゃあない。
出るべき時に出るのだ。
最高戦力である、シリウス、ガラハッド、そして私は、然るべき時に戦場へ出る。
その最高戦力の一角であるガラハッド、貴様が見張りだと?
笑わせるな」
「そ、そこまで言う…?」
「はぁ…、焼き焦がす者・シリウスとして言わせてもらうけどよ。
うちには五千のマッドがいるんだぜ?
ガラハッド、お前が前線に立ったら、サンドラとその五千のマッド、それから我が主の出番が少なくなるだろうが。
そういう意味でも、切り札なんだぞ。
大局を見ろ大局を」
「言うようになったな、シリウス。
軍を鍛えてる内に指揮官らしくなったじゃないか」
「お前が起きるのほんとに遅かったからな。
聞いても何も答えねぇし」
「…ごめん」
ガラハッドがシリウスに向けて謝罪する。
謝るなら私だろうに。
「…いや、別に謝ってほしいわけじゃ。
いや、すまん…。
あの言い方だと、そうなるか。
んがぁ…!!!人間ってのはむずいな!」
「ねぇ。リリィ。思うんだけど、ママとシリウスが友達になってから、シリウス、だいぶ変わったよね」
「そうですね。良いことです」




