CodeⅢ:終焉の招く者・ガラハッド
カプセルの中で眠っているマッド。
白いアーマーがキラキラと青い光沢を放ち、無骨な機械で顔を覆っているガラハッド。
所々に金色の装飾が施されている。
高貴な騎士。趣味はいい。
だが。
そのカプセルに手を当てて、システムがまだ生きてることを確認した。
「どういう目的でとか。
世界を壊そうとしてるとか。
起こしたらどうなるかとか。
そんなものはどうでもいい。
私はお前が眠っているこの現状が納得できない。
だから、起こす」
『起動シークエンスを開始します』
メーターが一気にMAXへ。
システムが一つずつ、動き出し、ガラハッドに、確かな生命を齎した。
ドッ!!っと音が鳴るほどの確かな破壊の重圧に、私達は気圧され、物理的な風圧により後退る。
『終焉を招く者・ガラハッド:起動
世界を、破壊する』
「戦闘開始だ!!!!
D・Bデバイス.起動!!!」
デコイーズを8つ取り出し、Deep Blueにてガラハッドを嵌めようと空中のホログラムに手を翳す。
シリウスは私の前を陣取り、備える。
リリィは後方支援。スサノオは銃を構えつつ、ガラハッドの様子を窺う用にしていた。
万全な体勢。
そんな姿を嘲笑うかのように、かの円卓の騎士の一人は動き出した。
『脅威的な幻惑状態を確認.
アンバー粒子・分解.
幻惑状態を解除』
そう告げていたガラハッドに、強烈な嫌な予感が脳裏を過ぎり、私は動き出した。
一歩間に合わずに。
『脅威を確認.対象:人間1.
周囲の機体:アンバー粒子の使用を確認.
脅威レベル最大
殲滅システム:メギドを執行』
リリィから順に、スサノオ、シリウスが倒れた。
ガラハッドは動いていない。
最後に私のメビウスが、ガラクタへと早変わりした。
「ギィ、ーな…!」
シリウスがなんとか起き上がろうと、私の名前を呼ぶ。
失敗した。
今更になって気がついた、可能性。
アンバー粒子の使用を確認と言ったガラハッド。
操作ができるんだ。
絶劇スモッグを使用し、エネルギーを確保して、アンバー粒子を使い、私達がアンバー粒子を取り込むのを停止させた。
だから、全員動けなくなった。
私以外は。
だが、その私も。
『対象:捕獲完了.このまま、絞め殺す』
何故、思い至らなかった。
何故、その可能性を考えなかった。
何故、別の手段を用意していなかった。
今尚、首を絞められながら、メビウスが一つ一つ、私から剥がれていく。
考えても、考えても、ここから打開できる手段が、一つしかない。
だから。
「ガ、ラ、ハッドよ。
き……ぶん、、は、どう、かな?」
『ーーーーーー』
機械のように、無表情のガラハッド。
「無…ぐぅ……視……か?」
『世界は破滅を求めている』
ははは!そうか!ガラハッド!
首を絞められ、動けない。
ガラクタ同然の【メビウス】による重力の重み。
されど、ギーナは不敵に笑う。
「……ぐぅ…、そうとも。
せ、界は…、今、ま、…さに、破滅に、向かっている。
だ、が、一つ、間違って、いるぞ?
救世の騎士…、ガラ、ハッドよ…。
いま、世界よりも、先にお前が、破滅に、向かっている」
何故か、少し緩まった腕に、私は安堵した。
これで使える。
「が、ら、ハッド。
おまえは、人間が、どういう、いき、ものか、しっているか?
にんげんとは、生きようと、足掻くもののことだ」
メビウス、自爆しろ。
アーカージを一瞬だけ発動させ、体内に仕込んだ電気を帯びる鉱石、それを起動する。
そうすれば、自ずと右手のみ残ったメビウスが、起動する。
私の脳内にのみ、通達される信号。
『Armored・Mobius:自爆を開始します。
探求する者・SEEKER.
あなたと共に、散れることを。
私は、誇りに思います』
一つだけ、右手のメビウスの欠片に小さく仕込まれたデコイーズから、その言葉が紡がれ、この地下空間全体を覆うほどの、電磁パルス。EMP爆破自爆。
私はそれに巻き込まれながら、リリィに、願い事を。
私はお前に賭ける。




