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殲滅戦記メギド  作者: 松茸
Episode2.尖閣軍・アルファプラス
15/45

CodeⅡ:スクワッドレイド

(ブゥー!ブゥー!ブゥー!)


「ほう。この時間に攻めてくる事ってあったかな?」


「いえ。初ですね」


「あたしがやるか」


「いや。施設内に入ってもらおう。

 私の予想が正しければ、奴はマッドだ。

 監視カメラ映像を投映する」


 鈍い機械音を鳴らし、壁に映像が投映された。

 武器を持った4人組。

 それぞれ別の武器を所持しており、それ以外は似通った、軍服、のようなものを着ている。この場合、制服、と言った方がいいのだろうか。

 その中でも特徴的なのは帽子のマークだろう。これは自身の役割を表しているのだろうと考える。

 十字は恐らく医療。

 剣が2本は剣士とか、ほかの何かか?

 槍は先鋒かな?最後に拳銃のマーク。

 つまりマークによって自分の役割を分けているのだろう。

 武器も似たような持ち物だ。

 問題はその動き。

 一人が一人を確認し、敵がいないか確認しながら銃を持ってる奴が、先行する。

 剣を持った奴が後ろに行くことで、背後からの攻撃を対処、十字の奴を真ん中に置くことで、最も危険を少なくしている。


「細けぇな」


「安全マージンをしっかりと取っている。

 その様相は宛ら特殊部隊のようだな。

 尖閣軍の構成員だろう。あれが大量にいるとなると…。

 D.B.デバイスを使おう。

 システムを起動する」


「いきなりですか!?」


「出し惜しみは嫌いなんだ」


 遠隔でD.B.デバイスを起動する。廊下の電気が消えていき、四人のマッドに方向感覚を間違えさせ、牢屋の方へ誘導する幻惑を見せている。

 廊下の景色が急に変化したことで、警戒して動かなくなったな。


「どうやらそこまで浅はかではないようだ」


「よろしかったのですか?

 普段であれば、D.B.デバイスは最後まで使わないじゃないですか」


「奴らは考えて行動している。

 そのデータを解析したいと思うのは、探求する者としては自然の摂理ではないかい?

 必要なのは心を折ることではなく、話し合いで解決することだ。

 戦うことが、“デメリットでしかない”と、相手に思わせる。

 何も壊すことだけが勝利ではない。

 この場合の勝利とは、相手に“私たちが破壊しない事”を悟らせず、こちら側が誰一人欠けることなく、話し合いの席につかせることさ。ここでむやみに戦ってみろ?

 確実に尖閣軍の全てが敵になるぞ。

 私達の目的はなんだ?国を作ることさ。

 では国とは何だ?

 政策?介護?放置?独裁?民?

 全て違う。

 そんなものはただの必須項目。

 それは国と呼べるものであっても、成り立っていない。


 国とは、サイクルだ。


 一人がしていることが皆の役に立つ。

 その一人に対して、別の物がまた役に。

 そうして連なって国になる。

 ではここでリリィ、シリウス。

 二人に聞こう。私はあの4人をどうするべきかな?」


「「説得か?(ですか?)」」


「そういう事だ」


 放送システムを起動して、私の声を元生成所、私達の拠点、【アイリス】に響かせた。


『手荒で済まない。遠回りは嫌いでね?

 単刀直入に聞こう。

 君達は報復に来たのかな?

 それとも、偵察に来たのかい?

 それとも…、暗殺かな?』


 四人の内の二人が動揺を露わにした、


『ああ。困ってしまうね?

 シリウス。あの子たちは私を暗殺できると思うかい?』


『不可能だ』


『おや?即答か。

 理由を聞いてもいいかな?』


『我が主は、製造用マッドでありながら、自身が製造した道具のみで、一つの生成所を落とした』


 四人のマッドが息を呑んだ。

 僅かに電波が乱れた奴がいる。

 十字の奴が逃げようとしているな。


『それに我が主には私という剣がある』


『ふふ。頼もしいね?

 おや?一人逃げようとしているね?

 そんな焦らなくても、今回は君達を返してあげるよ。

 ああ、でもその代わりと言ってはなんだが…、もし次に来たら、今度は容赦しない。

 徹底的に潰す。分かったら帰りたまえ』


「お待ちください!」


 おや?1番に逃げようとしていた十字の奴が、発言するのか。


『聞こう』


「…まずは暗殺を企てたことを、お詫びさせてください」


 …まさかこうも、うまくいくとは。

 一度帰らせてからこちらから出向こうと思ったのだが…、まさか予想したのか?


「その上で、一つ聞きたいことがあります。

 貴方は何故、私達の生成所の一つを奪ったのですか?」


『それを聞く意味はあるのか?

 リリィ、君がいた病院は、何をされて、何にやられたんだ?』


『ここのネイター共に、アンバー分解爆弾を使用されました。

 ネイターに、搭載されていたのです…』


『ふむ。

 私達は病院を根城にしていたからね。

 そこを襲われたんだ。当然の報復では?』


 まぁ、嘘は言ってないな。

 本当とも言えないが。


「…それが本当の理由ですか?」


『それ以外に何があるんだ?

 逆に聞くが、君らはいきなり何もしてないのに襲われたらどうする?

 反撃するだろう?

 だから私達は、奪われたから、奪い、改造した。

 本来であれば、君等はここに入った時点で、既に壊れている。

 ここを破壊するような行動を取っていなかったから、特別に生かしていると言ってもいい。

 そもそもやってきたのは、君等の末端の下っ端の下っ端なんだろう?

 尖閣軍・アルファプラスの一員よ。

 ここに軍の資料は一枚もなかった。

 君等が態々ここに来た理由は?

 報復ではないのか?』


 まぁ何も言えないだろう。

 自分達も同じなのだから。


『自業自得だ。

 襲ってこなければ、返り討ちになどしない。

 知っているだろう?

 君達が先に襲撃してきたんだ。

 それでも納得できないなら、私から君達のところへ出向いてやろう。

 話は終わりだ』


プツン。強制終了を行い。

もう話すことはないと切り離す。

シリウスが訝しげな表情で質問をする。


「何を考えてるんだ?」


「簡単な話だ。

 罪悪感につけ込んで、格の違いを見せつけ、あちらから招待、若しくは出向いてもらうのさ。

 出向いてくれると楽でいいな」

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