CodeⅡ:スクワッドレイド
(ブゥー!ブゥー!ブゥー!)
「ほう。この時間に攻めてくる事ってあったかな?」
「いえ。初ですね」
「あたしがやるか」
「いや。施設内に入ってもらおう。
私の予想が正しければ、奴はマッドだ。
監視カメラ映像を投映する」
鈍い機械音を鳴らし、壁に映像が投映された。
武器を持った4人組。
それぞれ別の武器を所持しており、それ以外は似通った、軍服、のようなものを着ている。この場合、制服、と言った方がいいのだろうか。
その中でも特徴的なのは帽子のマークだろう。これは自身の役割を表しているのだろうと考える。
十字は恐らく医療。
剣が2本は剣士とか、ほかの何かか?
槍は先鋒かな?最後に拳銃のマーク。
つまりマークによって自分の役割を分けているのだろう。
武器も似たような持ち物だ。
問題はその動き。
一人が一人を確認し、敵がいないか確認しながら銃を持ってる奴が、先行する。
剣を持った奴が後ろに行くことで、背後からの攻撃を対処、十字の奴を真ん中に置くことで、最も危険を少なくしている。
「細けぇな」
「安全マージンをしっかりと取っている。
その様相は宛ら特殊部隊のようだな。
尖閣軍の構成員だろう。あれが大量にいるとなると…。
D.B.デバイスを使おう。
システムを起動する」
「いきなりですか!?」
「出し惜しみは嫌いなんだ」
遠隔でD.B.デバイスを起動する。廊下の電気が消えていき、四人のマッドに方向感覚を間違えさせ、牢屋の方へ誘導する幻惑を見せている。
廊下の景色が急に変化したことで、警戒して動かなくなったな。
「どうやらそこまで浅はかではないようだ」
「よろしかったのですか?
普段であれば、D.B.デバイスは最後まで使わないじゃないですか」
「奴らは考えて行動している。
そのデータを解析したいと思うのは、探求する者としては自然の摂理ではないかい?
必要なのは心を折ることではなく、話し合いで解決することだ。
戦うことが、“デメリットでしかない”と、相手に思わせる。
何も壊すことだけが勝利ではない。
この場合の勝利とは、相手に“私たちが破壊しない事”を悟らせず、こちら側が誰一人欠けることなく、話し合いの席につかせることさ。ここでむやみに戦ってみろ?
確実に尖閣軍の全てが敵になるぞ。
私達の目的はなんだ?国を作ることさ。
では国とは何だ?
政策?介護?放置?独裁?民?
全て違う。
そんなものはただの必須項目。
それは国と呼べるものであっても、成り立っていない。
国とは、サイクルだ。
一人がしていることが皆の役に立つ。
その一人に対して、別の物がまた役に。
そうして連なって国になる。
ではここでリリィ、シリウス。
二人に聞こう。私はあの4人をどうするべきかな?」
「「説得か?(ですか?)」」
「そういう事だ」
放送システムを起動して、私の声を元生成所、私達の拠点、【アイリス】に響かせた。
『手荒で済まない。遠回りは嫌いでね?
単刀直入に聞こう。
君達は報復に来たのかな?
それとも、偵察に来たのかい?
それとも…、暗殺かな?』
四人の内の二人が動揺を露わにした、
『ああ。困ってしまうね?
シリウス。あの子たちは私を暗殺できると思うかい?』
『不可能だ』
『おや?即答か。
理由を聞いてもいいかな?』
『我が主は、製造用マッドでありながら、自身が製造した道具のみで、一つの生成所を落とした』
四人のマッドが息を呑んだ。
僅かに電波が乱れた奴がいる。
十字の奴が逃げようとしているな。
『それに我が主には私という剣がある』
『ふふ。頼もしいね?
おや?一人逃げようとしているね?
そんな焦らなくても、今回は君達を返してあげるよ。
ああ、でもその代わりと言ってはなんだが…、もし次に来たら、今度は容赦しない。
徹底的に潰す。分かったら帰りたまえ』
「お待ちください!」
おや?1番に逃げようとしていた十字の奴が、発言するのか。
『聞こう』
「…まずは暗殺を企てたことを、お詫びさせてください」
…まさかこうも、うまくいくとは。
一度帰らせてからこちらから出向こうと思ったのだが…、まさか予想したのか?
「その上で、一つ聞きたいことがあります。
貴方は何故、私達の生成所の一つを奪ったのですか?」
『それを聞く意味はあるのか?
リリィ、君がいた病院は、何をされて、何にやられたんだ?』
『ここのネイター共に、アンバー分解爆弾を使用されました。
ネイターに、搭載されていたのです…』
『ふむ。
私達は病院を根城にしていたからね。
そこを襲われたんだ。当然の報復では?』
まぁ、嘘は言ってないな。
本当とも言えないが。
「…それが本当の理由ですか?」
『それ以外に何があるんだ?
逆に聞くが、君らはいきなり何もしてないのに襲われたらどうする?
反撃するだろう?
だから私達は、奪われたから、奪い、改造した。
本来であれば、君等はここに入った時点で、既に壊れている。
ここを破壊するような行動を取っていなかったから、特別に生かしていると言ってもいい。
そもそもやってきたのは、君等の末端の下っ端の下っ端なんだろう?
尖閣軍・アルファプラスの一員よ。
ここに軍の資料は一枚もなかった。
君等が態々ここに来た理由は?
報復ではないのか?』
まぁ何も言えないだろう。
自分達も同じなのだから。
『自業自得だ。
襲ってこなければ、返り討ちになどしない。
知っているだろう?
君達が先に襲撃してきたんだ。
それでも納得できないなら、私から君達のところへ出向いてやろう。
話は終わりだ』
プツン。強制終了を行い。
もう話すことはないと切り離す。
シリウスが訝しげな表情で質問をする。
「何を考えてるんだ?」
「簡単な話だ。
罪悪感につけ込んで、格の違いを見せつけ、あちらから招待、若しくは出向いてもらうのさ。
出向いてくれると楽でいいな」




