CodeⅠ:殲滅
連日襲撃の嵐。
最早日課とかした機械生命体の処理と、ドットとマッドの部品再利用。
変化を求め始めた私は考えていた。
この世界は既に自身の書いた小説なんかよりも、異なる部分が多いどころか、既に異なるところしかないまである。と。
最初からストーリーに合わせる気など私には更々なかったが、小説の事はもう考えなくてもいいのではないだろうか。
「防衛戦に飽きてきた。
シリウス、リリィ。攻め落とそう」
シリウスは天を仰いだ。
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「二人とも準備はできたかな?」
「ああ」「はい」
「よし。派手にやろうか!!」
開戦の合図は前回と同じ、規格グレネードだ。
前回と違う点。それはギーナが既にメビウスを着ていることだろう。
「レーヴァテイン!!蹴散らせ!!」
高笑いを発しながら突撃していくギーナにシリウスは天を仰いだ。
「主さまぁ〜!!??先行しすぎですよ〜!!!」
今やリリィも、電撃を浴びせ機能停止にすることで、戦闘に参加しながらギーナを追いかける。
そんなシリウスも、周囲を蹴散らしながら破壊神っぷりを発揮しているため、人の事を呆れられないのだが…、本人は気付いていない模様。
「ほらほらほら!!爆弾だぞ!
綺麗だなぁ。たまや〜!!」
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レーヴァテインをそのマッドに向けて、ギーナは交渉を開始した。
「連日連夜襲ってくるのは辞めてくれないか?」
「…壊せ」
斬。
ガシャガシャと地面を転がる頭。
ここに残った機械生命体は既に一体もいなくなった。
資源は必要がなく、資料も大したものはない。ただ、面白いものを発見した。
「尖閣軍・アルファプラス。ね。
量産型固有マッドが量産型マッドを率いた、軍団規模のマッドのみの構成軍…。
面白いな。
なぁ、リリィ、シリウス。
君達は、アイリスに、民は必要だと思うか?」
それは、変化を求めるギーナが口にした、突拍子のない質問だった。
「やはり私達だけでは、主様的に物足りませんか?」
「…その言い方は流石に不適切が過ぎると思うのだが?
不名誉極まりないぞ。
折角生成所を改造して【我が家】にしたのだ。
とんでもなく、広いのに技術者は私しかおらず、飯を作るのも、見回るのも私。
はっきり言って疲れた!!」
それは非常に子供らしい発言であり、リリィにとっては頬を緩め、イヤンイヤンと腰をくねらせる返答にだった。
もちろんシリウスは天を仰いだ。
「ですが、それもそうですよね。
自らそういうマッドを作るのにも「圧倒的にデータが足りない!」と叫んでいた主様ですし、データを欲しがるのは当然かと」
「リリィ、お前ギーナと居すぎだ。
だいぶ毒されてる」
そうなのだ。
リリィはマッドを作ることが出来るマッドではないし、シリウスも無理だ。
これまで出会ってきた敵のドットやマッドは性格的に難がある者しかおらず、私が欲しているデータに適していない。
そもそも戦闘データしか入っておらず、生活性皆無のマッドしかいない。
それもそのはず、マッドはそもそも用途によって作られる。
人間を模して作られることなど限りなくゼロに近いものなのだ。
「リリィとシリウスが珍しいだけで、本来機械生命体というのはそういうものだからな…。
それが嫌なんだが…、嫌なら嫌と言って欲しくないか?
なぜこっちが譲歩しなきゃならん」
機械生命体は社畜と同じだ。
与えられた役割を全うし、その軌道からそれることは死ぬまでない。
それは人間と呼べるのだろうか。
否だ。
「尖閣軍・アルファプラス。
軍だぞ?統率の取れた精神、このデータを解析できれば、良いマッドが作れると思わないか」
「名案ですね!」
例に漏れずシリウスは天を仰いだ。
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《尖閣軍side》
「また落とされた!?」
「はぁ…、これで何件目よ…。」
「ゆ〜あ〜、だ〜い」
「ぶっ壊すわよ?」
「ひど〜ぉい…」
自分たちが狙われているとも知らず、呑気なマッドたちである。
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「さて、では作戦会議を開始する!!」
リリィはニコニコした表情でパチパチと手を叩く。
シリウスは頭を抱え、ため息を吐く。
何故なら、こんな茶番はギーナに必要がない。本人が、ただやりたいからやっているだけの、娯楽の一環だからだ。
だが、シリウスは止めない。
ギーナが楽しそうだから。
「リリィ君。君の意見を聞かせてほしいのだが、彼女達はどうやったら話し合いに応じてくれるだろうか?」
まさかの話し合い。
だが、シリウスは油断しない。
ギーナの事だから、“話し合い”=言葉通りではなく、“壊す”と考えていると思うから。
「そうですねぇ…、やはり、武力行使は話し合いには不向きかと」
「ふむ。では、舐められないように、全力でいかねばなるまいね?
こちらはそちらを一瞬で殲滅できるよ?
と、ちらつかせれば話し合いの席に応じてくれるだろうか?」
それ見たことか。




