仮聖女マリアンヌの覚醒〜夢から醒めたヒロインと、狂気の学園からの脱出〜
私は、マリアンヌ・フォン・アウグスト。
しがない下級貴族であるアウグスト男爵家の娘——……かつて、自分こそがこの世界を統べる「ヒロイン」であり、あらゆる美形男子を傅かせ、最後には王妃の座に就く完璧な物語の主役だと信じて疑わなかった、愚かな女である。
現在の私は十七才。
王立学園の正門前で、冷たい冬風にドリル髪を揺らしながら、自らの手にある一枚の書類を見つめていた。
『留年決定通知書:七年目』
『不合格理由:必修科目【魔導衛生学】、【発声呼吸法】、【聖母の食育】における履修態度不良、および【リナ・ド・バレンタイン女神への崇拝度不足】』
「………………」
声が出なかった。
悲鳴も、金々声の逆ギレも、高笑いすらも。
七年である。
十四才でこの王立学園に転校し、「ヒロイン」として華々しくデビューするはずだった私は、気がつけば十七才になっていた。男爵家という低い身分から一躍、王立学園の頂点へ登り詰めるはずだった私の青春は、完全に停滞していた。
同期のまともな生徒たちはとっくに卒業し、社会に出て、結婚し、子供を育てている年齢だ。それなのに、私はいまだにこの学園の二年生の制服を着せられ、十五才になったリナ・ド・バレンタインの足元で「未熟な異端者」として留年させられ続けている。
「私……何をやっているのかしら……」
ポツリと、呟きが漏れた。
その瞬間、頭の中で「パリン」と何かが割れる音がした。
七年間、私の脳内を支配していた「乙女ゲームのヒロイン補正」という名の都合の良い妄想、男爵令嬢の私が世界を中心で回すという肥大化した自尊心、王子様に愛されてハッピーエンドを迎えるという甘い夢が、一瞬にして砕け散ったのだ。
現実が、あまりにも酷烈な冷たさをもって私に押し寄せてきた。
「治癒魔法に目覚めた? 仮聖女の称号を貰った? それが何だというの……?」
私は自分の両手を見つめた。
ピンク色の光を放つ私の治癒魔法。たしかに骨折を治し、傷を塞ぐことができる。だが、それが何だというのだろう?
この学園において、男爵令嬢のささやかな魔法など何の発言権も持たない。
なぜなら、リナ・ド・バレンタインという「バケモノ」が存在するからだ。
あのアクアブルーの髪をした少女は、魔法でも何でもないただの「手洗い」「うがい」「アルコール消毒」「ハーブティー」そして「質実剛健な正論」だけで、学園中の病原菌を全滅させ、王家の毒殺未遂を防ぎ、生徒たちの精神疾患すら治癒してしまった。
怪我を治す治癒魔法など、彼女が日頃から推進する「予防医学」と「自家製葛湯」の前には、単なる「事故後の後始末」に過ぎなかったのだ。
「勝ち目なんて……最初から、どこにもなかったんじゃない……」
私はがっくりと膝をつき、積もった雪の中に両手をついた。
冷たさが手袋を通して伝わってくる。だが、それ以上に冷たかったのは、私の正気に戻った頭脳だった。
◇
改めて周りを見渡してみる。
正気に戻った私の目に映る王立学園の光景は、もはや「乙女ゲームの舞台」などではなかった。
狂気の宗教施設。それが、この学園の真の姿だった。
中庭の方角からは、今日も響き渡っている。
「リナ女神様万歳!」「聖バレンタイン教会に栄光あれ!」「本日の聖体・自家製かぼちゃきんつばを下賜されたぞーっ!」という、大勢の生徒たちの合唱が。
廊下を歩く生徒たちは、誰もが胸にリナの横顔を刻んだ金色のペンダントを下げ、右ポケットには除菌ハーブウェットティッシュ、左ポケットには大根ハチミツシロップの瓶を常備している。挨拶は「ごきげんよう」ではなく、「本日も無病息災、リナ様を崇めよ」だ。
そして、何よりも異常なのは——【攻略対象】と呼ばれていた男たちだった。
「……正気の沙汰じゃないわ」
私は校舎の陰から、中庭の樟の木の下を覗き込んだ。
そこには、今年二十二才になったはずの第一王子エドワード殿下がいた。
本来なら国王として国政を執っているはずの男が、髭すら綺麗に剃り落とし、十五才のリナが羽織るモコモコのはんてんの裾に顔を埋めて、「リナ……僕を捨てないでくれ……僕の人生のすべてを君に捧げる……」と涙を流して縋り付いている。
その隣では、二十一才の第二王子アルフレッド殿下が、リナの淹れた生姜湯の湯気をうっとりと浴びながら、「美味い……あいつのお茶以外の水分は僕の体を腐らせる……」と目を血走らせて呟いている。
公爵家の次期当主ルーカスは、リナのレジャーシートの周りに私兵を配置し、「リナに近づく者は国家叛逆罪で即刻処刑する」と剣に手をかけて眼光をギラつかせ、
魔導院のトップであるシオンは、リナが食べたきんつばの食べ残しの皮をピンセットで採取し、「素晴らしい……分子構造が完璧だ……」と狂喜乱舞してノートに書き込んでいる。
異国のガゼル王子に至っては、自分の国の王冠をリナのこたつの脚のグラつきを抑える「かませ」として敷いていた。
「なんなのよ……あの男たち……」
私はゾッと背筋が凍りついた。
かつて男爵令嬢の私が「攻略したい」「愛されたい」と夢見ていた王子様たちの姿が、そこにはあった。
だが、彼らは恋をしているのではない。完全に脳を焼かれ、狂わされ、無惨な愛の奴隷に成り果てているのだ。
彼らの瞳には、一滴の理性の光もなかった。
リナが「あらあら」と微笑めば歓喜のあまり白目を剥き、リナが「手洗いをしなさい」と言えば涙を流して両手を消毒する。
彼らはリナを愛しているのではない。リナという圧倒的な絶対者・慈悲の神の足元で、己の尊厳を捨てて「子供」に戻る快楽に溺れているだけなのだ。
そして、その狂気の中心にいるリナ・ド・バレンタイン本人はというと——
「ふぁ〜あ……。今日もいいお天気ねぇ……。葛湯が美味しいわぁ」
魔導こたつの中でぬくぬくと丸くなり、男たちが自分を巡って狂い苛まれていることなど1ミリも理解せず、ただのベテラン主婦の顔でほくほくの焼き芋を食べている。
「……バケモノよ」
私は震える声で呟いた。
あのお方は、狙って男たちを狂わせているのではない。
天然の、無自覚の、圧倒的な「母性」と「圧倒的資本力」と「正論」によって、周りの人間を勝手に狂わせ、宗教を完成させてしまっているのだ。
恐ろしい。恐ろしすぎる。
あのお方の周りにいたら、私の精神まで破壊されてしまう!
「マリアンヌさん」
冷ややかな声がして、私が振り返ると、そこにはルチア公爵家の令嬢クラリス様が立っていた。
【聖バレンタイン教会・最高大司教】の衣装を纏った公爵千金たる彼女の瞳は、王子たち以上に狂気に満ちていた。
かつては悪役令嬢としてリナ様をいじめていたはずの公爵令嬢クラリス様。だが今や、彼女はリナ教の筆頭大司教として学園の頂点に君臨していた。男爵令嬢に過ぎない私など、虫ケラを見るような目で見下ろしている。
「またあのお方の聖域を陰から盗み見ているのですか? 仮聖女などという安っぽい肩書きに固執し、あのお方の神聖さを理解しようとしない哀れな男爵令嬢……。貴女が本当に改心する日は来るのでしょうか?」
「ク、クラリス様……」
私は後ずさった。かつては高飛車に言い返していた相手だが、今のクラリス様からは本物の狂信者の匂いがした。公爵家の権力と教会の威光を行使されたら、男爵家ごと潰されかねない。
「ねえ、クラリス様……正気に戻ってくださいまし……!」私は声をごく低くして、懇願するように言った。「おかしいですわ、この学園! 殿方だって、もう二十歳を超えているのよ!? 国を治めなきゃいけない人たちが、なんで子供の制服を着て、リナさんのこたつの周りで這いつくばっているの!? クラリス様だって、ルチア公爵家の気高き高貴な令嬢でしょう!? なんで新興宗教の大司教なんて名乗って、学園の最高理事に居座っているのですか!?」
クラリス様は、可憐な動作でくすくすと笑った。
「可哀想に……マリアンヌさん。貴女には見えないのですね。あのお方がもたらす【絶対の平和】が」
「平和……!?」
「ええ」クラリス様は両手を胸の前で組み、うっとりと語り始めた。「ご覧なさい。リナ様がこの学園に君臨されてから、この国で何か事件が起きましたか? いいえ、何一つ起きていませんわ。
王位継承権を巡る醜い争い? エドワード殿下もアルフレッド殿下も、リナ様のお茶会の第一席を譲り合うことに全力を注いでいらっしゃるので、政治的対立など存在しません。
隣国との戦争の危機? ガゼル王子が自国の全予算をバレンタイン教会に寄進し、我が国の同盟国……いいえ、リナ様の『第二庭園』となったため、戦争など起こりようがありません。
魔導の暴走や奇病の流行? シオン様がリナ様の指導の下、全土に衛生管理と手洗いを徹底させたため、病気すら撲滅されましたわ」
クラリス様は冷酷な、しかし幸福に満ちた笑みを浮かべてマリアンヌに一歩近づいた。
「男たちが狂い、あのお方の足元にひれ伏すことで、この世界は完璧な調和(平和)を保っているのです。世界を救うのは、貴女のような小賢しい男爵令嬢の治癒魔法でも、王権でもない……リナ様という絶対的な神と、あのお方を祀る我らの狂信なのですのよ」
「……っ!」
息が止まった。
理屈が……理屈が狂っているのに、完璧に破綻していない!
男たちを狂わせることで、国家の争いを根絶する。世界を一つの巨大な「リナ神殿」に変えることで、平和を維持する。
これが……これが、リナ・ド・バレンタインを中心としたこの世界の「真の構造」だったのだ!
「さあ、マリアンヌさん。諦めて履修し直しなさいな」
クラリス様は優しく、しかし絶対に逃がさない手つきで私の肩に手を置いた。
「来年も、再来年も、あのお方の足元で葛湯を飲み、正しい呼吸法を学ぶのです。そうすればいつか、貴女の汚れきった魂も救済されますわ……」
「……嫌」
「はい?」
「嫌よ……嫌、嫌、嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
私はクラリス様の手を振り払い、なりふり構わず脱兎のごとく走り出した!
◇
「ヒロイン」だの「仮聖女」だの「王子様とのハッピーエンド」だの、そんなものは全部どうでもいい!
この学園にいたら、下級貴族の私は一生留年させられ、あの狂気の宗教の信徒に改造されてしまう!
二十代になっても三十代になっても、リナ・ド・バレンタインの足元で「手洗いが足りませんわよ」とお説教され続ける人生なんて、絶対にごめんだ!!
「逃げる……逃げるわよ私! この狂気の学園から、このイカれた王都から脱出してやるわーっ!」
私はドリル髪を振り乱し、ドレスの裾を大きく捲り上げて、王立学園の巨大な正門へと向かって猛ダッシュした。
背後から、クラリス様の冷ややかな声が響いてくる。
「あらあら……異端者が逃走しますわ。シオン様、ガゼル王子、捕獲なさい」
「任せろ! リナ女神様の聖域を乱す害虫は叩き潰す!」
「師匠の教えに従い、非接触型の捕獲魔導陣を展開します!」
「ひええええええええっ!?」
校舎の窓から、目を血走らせたガゼル王子とシオン様が飛び出してきた!
ガゼル王子は全裸に近い野生の猛創で雪を蹴立てて追いかけてくるし、シオン様は空中に怪しい魔法陣を幾重にも展開して、怪しい除菌ネットを飛ばしてくる!
「来ないでぇぇぇぇ! 関わらないでぇぇぇぇっ!」
私は悲鳴を上げながら、必死で治癒魔法を自分の足にかけた。
【聖なる加速】!
傷を治すための魔法エネルギーを、無理やり脚力増強へと変換する! ヒロインのプライドも、男爵令嬢の体面も何もない、生き残るための必死の応用魔術だ!
ドゴォォォン!
シオン様の捕獲ネットが私の数センチ後ろの積雪を吹き飛ばす。
ガゼル王子の拳が正門の石柱を砕く。
「なんなのよこの学校の攻略対象はぁぁぁぁ! DV男どころの騒ぎじゃないじゃないのぉぉぉぉっ!」
私は必死の思いで破壊された正門の隙間を潜り抜け、学園の敷地外へと飛び出した。
「ハァ……ハァ……ハァ……っ!」
王都の街道へ躍り出た私は、振り返ることなく走り続けた。
背後にある学園は、白銀の雪の中に佇む美しい城に見える。だが、その実態は二度と生きて帰れない狂信の魔窟だ。
正門の近くで、シオン様とガゼル王子が追撃を諦めたように立ち止まっていた。
学園の敷地外……「リナの聖域」の外へ出ることは、彼らの狂愛のルールによって制限されているらしかった。
シオン様が遠くから冷たい声で叫ぶ。
「マリアンヌ候補生! 逃げても無駄です! バレンタイン家の資産と我が魔導院のネットワークにより、この大陸の全土が数年以内に『リナ様新宗教法人』の管轄下に入ります! 貴女の逃げ場など、この世界のどこにも存在しないのです!」
「知るかぁぁぁぁぁぁっ! 辺境の村でも田舎の農家でもどこでも逃げてやるわよぉぉぉぉっ!」
私は中指を立て……はしなかったが、涙と鼻水を流しながら、全力で王都の街道を駆け抜けた。
◇
数時間後。
王都を遠く離れた街道沿いの小さな宿場町。
寒風が吹き荒れる中、私はなけなしの金で買った粗末な毛布を頭からかぶり、宿屋の片隅で温かいスープを啜っていた。
「う……ううっ……美味しい……」
ただの根菜が入った薄いスープ。
だが、あの学園で強制的に飲まされていた「聖なる葛湯」や「大根ハチミツシロップ」に比べれば、段違いに「人間の味がする」スープだった。
私は毛布にくるまりながら、ガタガタと震えていた。
(勝った……私、勝ったのよ……。あの狂気の学園から、リナ・ド・バレンタインの支配から、逃げ延びたのよ……!)
ヒロインの座も、王子様との結婚も、聖女の栄光も、全部失った。
これからは名前を変え、男爵家の身分も捨て、平民としてどこかの田舎町で細々と生きていかなければならない。
でも、後悔はなかった。
あのまま学園に残っていたら、私は私でなくなっていた。リナというバケモノの足元で、思考を停止させられ、一生「手洗いとうがい」を称えるだけの木偶人形にされていたのだから。
「ふぅ……。寒いですわねぇ」
その時。
私の隣の席に、ふわりと温かいハーブの香りが漂ってきた。
「……え?」
私は固まった。
聞き覚えのある、あまりにも聞き覚えのある、優しく素朴で、すべてを包み込むような「ベテラン主婦」の声。
ゆっくりと、機械のように首を傾けて隣のテーブルを見る。
そこには——
バレンタイン家の最高級魔導馬車。
その横に設置された特注の魔導こたつ。
モコモコのはんてんを着て、温かいお茶をズズズと啜っている、十五才の少女の姿があった。
「リ……リリリリ……っ!?」
私の悲鳴が途中で引きつった。
リナ・ド・バレンタインが、そこにいた。
「あら?」
リナは私に気づくと、パチパチと可憐な瞬きをした。
「まあ、マリアンヌさんじゃありませんか。こんなところでどうされたのですの? まあ、そんな薄着で……冬の旅路は冷えますから、風邪を引いてしまいますわよ?」
「な……ななな、なんで……なんであなたがここにいるのよぉぉぉぉっ!?」
私が叫ぶと、リナは困ったように首をかしげ、重箱から『自家製干し芋』を取り出した。
「あら、お父様にお願いして、今日から『全国巡回・健康指導の旅』に出ることになりましたのよ。学園の皆さんは『女神様のご巡幸だ!』って大喜びで、エドワード様たちも軍隊を率いて護衛についてきてくださっていますの」
リナがそう言って馬車の後ろを指さした。
見ると——
街道の地平線の彼方まで、全軍を率いたエドワード殿下、アルフレッド殿下、ルーカス、シオン、ガゼル王子、そしてクラリス様率いる【聖バレンタイン教会】の信徒数万人が、目を血走らせて「リナ様ァァァ!」「女神様のご巡幸だァァァ!」と叫びながら行進してきていた。
大地が揺れていた。
王国の全軍隊と全資産が、リナの「ちょっと全国の健康管理でもしようかしら」という思いつき一つで動いていたのだ。
「世界……世界が……追いかけてくる……」
私は白目を剥いた。
逃げ場なんて、最初からなかった。
この大陸全体が、すでにリナ・ド・バレンタインの「こたつの中」だったのだ。
「ほら、マリアンヌさん。逃げてばかりいないで、お座りなさいな」
リナが優しく微笑み、こたつ布団をトントンと叩いた。
「手洗いはちゃんとされました? はい、葛湯と干し芋ですわよ。噛めば噛むほど甘みが出て、体に良いのですから」
リナから差し出された、湯気を立てる黒糖生姜葛湯。
それを見た瞬間——
私の心のどこかで、最後の「正気」の糸が、ぷつりと切れた。
「……あ」
視界が桃色の光で満たされていく。
逃げるのをやめた。抗うのをやめた。ヒロインになろうとするのも、男爵令嬢として背伸びをするのも、全部やめた。
こんなに温かいお茶があるのに。こんなに優しいお説教があるのに。
なぜ私は、逃げようなどとしていたのだろう?
「美味しい……美味しすぎますわ、リナ様……っ!」
私は涙を流しながら、膝をつき、リナの差し出した葛湯を両手で受け取った。
「おほほ、素直で良い子ですねぇ。さあ、学園に戻って、来年も一緒に手洗いの勉強をしましょうね」
「はい……はいっ! リナ様! わたくし、一生留年して、あなた様のお足元で手洗いを徹底いたしますわぁぁぁぁっ!」
私の叫びに、後ろから追いついてきたクラリス様と王子たちが「おおお! 異端者が洗礼されたぞ!」「リナ女神様万歳!」と歓喜の勝鬨を上げた。
こうして。
現実を見たはずの男爵令嬢マリアンヌは、一周回って最も完璧な「リナ信徒」へと昇華された。
全土を飲み込む【聖バレンタイン教会】の圧倒的な平和と狂愛の前に、抗える人間などこの世に一人も存在しない。
リナの「実家の資産で一生遊んで暮らし、静かにモブとして老後を過ごしたい」というささやかな願いは、全大陸を巻き込んだ巨大な「お茶会」の波に呑まれ、永遠に失われたのであった。




