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キズナの鬼  作者: 孔雀(弱)
第11章「太陰の位と信用できない主」
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「前話のシナリオ切る場所間違えた……」

このまま最終話まで走り抜けたかったけど、ちょっと長い出張で1週間に不在になります。

次の更新は多分土日になるです。チャイナごめんちゃいな。


「やっぱり孔弌と同じになったほうが面白い事件に遭遇できるんじゃねーか」

「セラはそんな理由で僕と一緒に行きたがってたの!?」

 食卓でいつものように開かれる会議。

 もちろん今回の議題は連れ帰ってきた太陰さんについてだ。

 まずはこちらの事情を知ってもらうという事で、ここまでの経緯をアルテ大先生が軽く説明している。

「と、いうわけで我々が今どういう状態かはわかったか?」

「はい……」

 お、アルテ達の説明が終わったみたいだ。

「そういうわけだ。またお前の力を貸してほしい。皆で海に行くために」

 もう海はいいよ、海は……。


「嫌です」

 きっぱりと拒絶。正直そこまでスパッと言われるとは思わなかった。

「何故だ? お前だって悪事などしたくないだろうに。だから極力悪事をしないようにして弱ったのではないのか?」

「はい、それはそうですが……」

 ジーッと僕のほうを見てきて

「私はあなたのことが大嫌いなんですっ!」

 大きく響くその声で場が静まり返る。

「女の人に平気で飛び掛りますし、妙な言い訳を並べられますし、バカですしっ!」

 バカですしっ! ですし……ですし……。その一言はエコーを伴って僕の心を傷つけた(泣)


「うぅ、僕ってそんなにバカなのか……」

 よもや人に嫌われる程バカだったとは……。

「……孔弌、よしよし」

「ありがと、テンちゃん、うぅ……」

「太陰の位。それは多分全部誤解だ。孔弌がそんないきなり女性に飛びついたりするわけないだろ」

「うむ。こやつにそれほどの度胸があるなら、わらわ達は既にこやつに襲われておるだろうよ」

 その掩護の仕方もどうかと思うよ?

「あぁ。……むしろ私は飛びついてほしいのだが」

 アルテがボソボソと呟く。


「ですが、あの時のこの方の視線はそれはもう、飢えた狼のそのものでした。きっと私を組み伏せて物陰に連れ込みそのまま己の情欲の赴くままに弄び、染め上げ、汚そうとしていたはずですッ!」

「そんなことしないよっ!?」

 犯罪者を通り越して外道だよそれは。

「とにかく私はあなたの事なんか信じられません!」

 きっぱりと拒絶の言葉を放つ太陰さんの前にリュウが割り込む。

「あー、あのさ。とりあえず式神になるにしろならないにしろ君には暫くここにいてもらってもいいかい?」

「……?」

「まぁ十二式神が全員……つまり残っている天空の位が見つかるまでは」

「見つかった後はどうするのですか?」


「それはもちろんそのとき考えるよ。縛りの消し方を研究するなりしてこれからの過ごし方を一緒に考えるよ」

 リュウの顔はいつも通り間抜け面だけど、言葉には不思議な説得力がある。

「とにかく街で異変を起こす妖怪を野放しにはできない。暫くここで大人しくしてるなら、僕達も協力しないこともない」

 おかしいな、リュウが取引してるみたいでかっこいい。

「……わかりました。甚だ不本意ですが、暫くこちらで大人しくさせていただきます」

「あぁ、蛍君空いている部屋を案内してあげてくれないか」

「ん、承知じゃ」

 こいつ、蛍さんをぱしりに使いやがった!


 蛍さんと太陰の位が出て行った後

「ふぅ、上手くいったねっ!」

 ビッと親指を立てるリュウ。弾けるようなスマイルだ。

「まぁそれはいいんだけどさ。縛りの消し方を研究するって言ってたけど、そんなことできるの?」

「できるわけないだろっ!」

「できないのかよっ!?」

 驚きの一言だ。まさかさっきの取引は全部はったりだったのか……。

「大体、どういう理屈でそんなに強力な縛りになってるかわからないのに。そもそもそんな事ができたら、最初の日に天奈君を封印しようとしたりしないよ」

 あー、そういえば……。


「じゃ、あれ適当に約束したの? 根拠もないのにっ!?」

「あぁ、だけど大丈夫さ」

 本当にはったりだったのか、無責任すぎる……。

 約束が破られたって知ったらあの人無茶苦茶怒るって。絶対。

「ふふ、そうだな。リュウの言うとおりなるようになるだろ」

「それで何とかなってくれたら苦労はしないんだけどね……」

「心配するな、なるさ」

 他の全員も何とかなるだろみたいな顔してる。

 なんて無責任なチームなんだ。

「とにかく、今日はもうそろそろ寝ようか。孔弌君も久々に体動かして疲れただろうし」

 今日はあんまり活躍してないけどねっ!

 あれ、そもそも僕の活躍って少ないよね……。





 部屋に戻ってきてからも結局太陰さんの事が気になる。

 彼女は疑り深く、そして確固たる清らかさを持っている。

 確かに前にアルテが言っていた通り、歩み寄りやすくて話のしやすい人だと思う。

 もっとも僕のファーストコンタクトのせいで色々こじれちゃってるけど。

「はぁ、考えても仕方ないか。うん、眠ろう」

 さて、明日はどうなることやら……。





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