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【完結】腐人に葬る最期の時  作者: モ虐
第Ⅲ章 ヴェネツィア観光

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Episode 51 名前のない魔女 204809031809CET

 


「お前、名前はないのか?今までの〈十腐〉は名前を名乗ったり、俺らが勝手に名前を付けたりしたやつもいたんだが――」

「妾に名前などない。それに童らに名前を付けられるなどといったようなことも必要ない。」

「そうか、ならいいよ。どうせすぐ殺すんだしな!」


「いや、魔法無効化って…そんなでたらめな能力…」

「それが存在するのじゃ。童らのちっぽけな脳みそが知る知らぬは妾には関係ない。」

「だったら…〈鋳造〉!」

 春央はナイフと拳銃を自力で作り出した。


 銃の中身の弾丸は魔法で作り出したものではあるが、ただの金属だ。

 魔法によるコントロールも制御も行っていないので、魔法無効化で防げるかはわからないが、やってみる価値はあるだろう。

 顔をめがけて撃った銃弾は、そのまま顔面に向かい衝突するかと思いきや、腐人は背を向けた。

 銃弾は羽衣に当たり、またもやガラスが割れるような音がした。


「言ったじゃろ?童らの魔法をこの羽衣に触れただけで無効化すると」

「もう勝ち目なんてあるわけねぇだろ…」

 その言葉を遮るように、

「〈竜召喚〉〈憎悪悪魔の始祖〉」

 春央は、自分の体を最大限に強化する。

 竜の攻撃は、当たった瞬間竜が消えてなくなったが、悪魔の手が見事顔面に直撃した。

 羽衣に当たっていない顔面はかなりのダメージを受けて腐人は地面に転がる。


 その羽衣の結び目を見つけた春央は即座にそれをほどき羽衣を脱がせた後、面も回収する。

「童!公衆の面前で妾を剥いて、性欲にまみれた獣でもないのだ。いったい何を考えておるのじゃ?」

「は?殺すために決まってるだろ?」

「千秋!〈空間異動〉でこれをしまってくれ!」

 千秋に向けて羽衣と面を投げ回収させてから、

「〈暗線(ダークレーザー)〉」

 心臓めがけて魔法を撃った。

 そのまま灰となって腐人は消えていった。


「ねぇ、あの腐人、名前がないって言ってたよね?」

「あぁ。確かな。」

「キリストの妹は2人いたってされているの。確か兄弟もいて、名前は覚えてないけど、ちゃんと名前がついてたの。今までは名前が記されてなかったんだけど、腐人が生まれてから出た新しい聖書には妹は一人名前がついていて、その子も名前を憶えていないけど、もう一人の妹は名前をつけてくれなかったって記されているの。

 そしてその名前のない妹は家出して、その後腐人としてその兄弟や聖母マリアに復讐した魔女として記されていたの。」


「だったらなんだってんだよ?」

「待って。まだ続きが。」

「え?」

「そして予言として、『名前のない魔女は魔術によって滅ぼされ、3年後にまた姿を現す。それを阻止するには魔女を新たに誕生させること。魔女の身に着けていたものをすべて身にまとうだけでそのものは魔女となる。その魔女が、魔術によって滅ぼされた魔女の代わりとなり、3年後の復活は起らない。魔女の器となるものの資格は、死亡した後よみがえった女であること。魔女になって何か体に変化が起こるわけではないが、魔女が滅ぼされた時のため新たな魔女の器はいずれ必要になる』とも書かれていたの。」


「「「は?」」」

 冬美の謎知識に、場の空気が凍り付いた。





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