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【完結】腐人に葬る最期の時  作者: モ虐
第Ⅲ章 ヴェネツィア観光

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Episode 52 魔女の器 204809031815CET

 


「死んでよみがえるって、今の技術では獣化現象ぐらいしかありえないよね?」

「いや、それにそもそもこいつはその『名前のない魔女』なのか?そうじゃねぇ可能性だってあるだろ?兄妹腐人だって個々の名前はなかったわけだしほかの腐人だってそんなことがあってもおかしくねぇだろ」

「ここ、聖母マリアの彫刻がすぐそこにあるでしょ。聖母マリアの像があるところで、しかも路地になっていてかつ、ある程度人が来る。殺してすぐ食べれば次が来るまでに後始末ぐらいできるんじゃないかな?

 聖母マリアや家族に復讐したっていうぐらいなんだから、聖母マリアに対する恨みはかなり張るはず。ってことは…」

「ここで多くの信者を殺すことは大きな意味がある。つまり、魔女はあいつだったってことだよね?」

「うん。あってる。」


「冬美、お前その魔女の器になろうとか思ってるんだろ?」

「うん。そのつもり。体に何か変化が起こるっていうわけでもないみたいだし…ダメかな?」

「いや、否定するわけじゃねぇよ。お前がいいならそれでいいが、そこに書いてあることがマジだっていう保証がされているわけじゃねぇぞ。」


「うん。もし本当にさっきの〈十腐〉が名前のない魔女じゃなくても、別に何もなかったねーってだけの話だし、仮に私が暴走しても春央が止めてくれるでしょ?」

「まぁ努力はするが…魔女の力が強大なのは事実だし、さっき俺が仕留められたのはまぐれだっていうのもわかってるか?」

「それでも私のために頑張ろうってしてくれるってのもわかってるけどなー」

「まぁ、好きにしたらいいんじゃねぇのか?」


「じゃあ、何かあったら助けてね。春央♪」

 そういった冬美の周りに春央は土魔法で金属の壁を作る。

「なぁ、いくらこいつが暴れだすかもしれないってだけでやりすぎじゃねぇか?」

「そうじゃないよ千秋君。春央君は、二河さんが着替えるからあえて囲ってあげたんだよ。」

「そうだよ。さすがにそんな理由で囲うほど俺もゲスじゃないって」

「上から羽衣着るだけに決まってるでしょ!」


 そんな声とともに、春央が作った壁が大きくゆがんだ。

「じゃあ、羽衣着たし…お面付けるよ?」

「下に着てる服脱がなくて大丈夫なのか?」

「いや…大丈夫でしょ」

「いやぁ、どうだろうなぁ?下に服着てるから儀式成功しませんでしたーっとかなっても困るんじゃねぇのか?」


「いや…もし私が自我失ったとき私、春央の手で強引に羽衣脱がされるんでしょ?下に服着てるか来てないかって結構重要なんだけど…」

「言い方に語弊しかないからやめろ…」

「さっきも言ったけど大丈夫でしょ…」

「二河ァ、お前一人の羞恥と、この世界の平和どっちが大事なんだよ…」

「何でここには変態しかいないの?」

「ねぇ、僕が「大丈夫でしょ」って言って助けようとしてるの無視されてないかな、二河サン?」

「別に俺がそんな風な目で冬美を見てるとかじゃなくて魔女うんたらかんたらみたいなのだからちゃんとやった方がいいんじゃないかって思っただけで――」

「まぁ、脱がねぇっていうなら脱がねぇでもいいけどなぁ…」

「分かったよ!もう脱げばいいんでしょ脱げば!」

「やっぱり無視されてないかな?」


5分後。

「じゃあ、ほんとにもうお面付けるよ?」

と言って冬美が面を付けたが、特に何事もなく冬美による魔女の継承の儀は成功した。


「よし。じゃあ明日は早速だが日本への帰宅の旅の始まりだなぁ」

「あぁそうだなぁ。あ、確かデリーでは3日間滞在期間があったんだっけ?」

「そうだね。そこでちゃんと観光すればいいよねー」

「ねぇ私のことはスルーでいいの?」




目的地であったはずのヴェネツィアでの旅もこれで終わりとなります。

Ⅰ章Ⅱ章が長かったのに対してⅢ章が短すぎる気がします。

理由としては、僕が日常編を描くのが絶望的に下手だから、と「名前のない魔女」との戦いを変に引き延ばすのをためらったからなんです。1章の序盤で書いた飛行機での喧嘩は自分でもお蔵入りにするかどうか迷うレベルだったのでほとんど戦闘シーンみたいになってしまっています。


そんなことはさておき、明日の投稿からは最終章の投稿になります。

〈十腐部隊〉の最後の戦いをお楽しみにしてください。

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