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【完結】腐人に葬る最期の時  作者: モ虐
第Ⅰ章 インディラ・ガンディー空港

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Episode 36 METAL COCOON  204809021005IST

 


(この量、この弾丸、千秋だ。千秋が撃って、エアルがこちらに移動させたのか。)

「能力喰いッ」

 右手を前に伸ばし、右手の掌だけ風のバリアを消すと鉛玉が右手になだれ込んでくる。

 36分間銃弾を吸い込み続けて、手に込められた110100発の銃弾を一気にクロムめがけて激射する。

 が、即座に壁を立てられてその弾は効果をなさなかった。

 クロムは即座に地面に散らばっている銃弾をすべて消してしまう。


 そんな春央の絶望をよそに、

「〈鉛弾(リードバレット)〉〈金属製性之熟練者(ベテランディギンガ―)〉を獲得。これにより、土元素による金属操作、特に鉛操作の性能や精度が大幅上昇しました。

 具体的には、移動、温度変化だけではなく、金属の種類を変える〈錬金術(フルメタル)〉が使用可能となり、〈錬金術〉や、そのほか金属操作の精度上昇が行われました。」

 おなじみの乾いた無機質な声が流れる。


「鉛弾飛ばすだけならまだしも錬金術獲得ってこの右手どうなの…適当すぎる気が…まぁいいや。」


 春央はクロムを包んでいた金属の繭の破片を自分の近くにかき集め、〈錬金術〉でタングステンという金属に変化させる。

 タングステンは世界一融点が低い金属で、かなりの重さと固さで有名な素晴らしい金属だ。ただし、電気抵抗が金属の中で比較的強いことでも有名なのだがこれは雷元素魔法でかなりの高電圧をかけられる春央からすれば何の問題もない話なのだ。


 クロムをクロムで包んだ時のように10重にも層を重ねたタングステンの繭にクロムを包み込む。

 クロムは金属操作を得意としているがそれは操作対象がクロムや水銀だけだ。

 クロムはタングステンを操作することが不可能なため、10層もあるタングステンの繭を破れるわけはない。


「〈鋼の繭(メタル・コクーン)〉を獲得。金属操作の精度がさらに上昇。そして追加で〈鋼の寄生木(メタル・イーター)〉を獲得。〈鋼の寄生木〉は〈鋼の繭〉の被使用者の周辺に金属で(つる)を生成し、拘束を強化したうえで、栄養分や魔法、装備品などといった所有物を全て強奪できる魔法です。」

 再び聞こえる乾いた無機質な声に対して、

「ヤバいヤバい!段々俺の強さが理不尽化してきてる!ストーリーがそろそろ崩壊するって!」


 そういうと、タングステンの繭にめきめきとヒビが入っていたのが見えた。

 そしてそのヒビはどんどん大きくなり、ついにバアァァァン!と大きな音を立てて繭が割れて、


「ふぅ、殻を割るのには本当に苦労したよ。タングステンを使うなんて本当に趣味が悪い。これは本当に僕が一番苦手な金属なのにね。」


 そういったクロムの周りには割れたタングステンが散らばっていた。

 そしてタングステンには目もくれず、その場に金属を生成する。

 融点が高いうえに、腐食、酸化体制が非常に強く、合金にするのが容易な金属。

 ニッケルだ。ニッケルはクロムと混ぜ合わせることでニクロムという合金になり、ニクロムになることにより耐熱性や電気抵抗性が跳ね上がる。


 そんな金属をクロムはどうしようとしているのか。春央は即座に理解できた。

 ニッケルが液体化しクロムの体を覆う。

「〈錬金術〉!対象をクロムに変更!」と春央が遅れて発するも言葉も間に合わず、

 クロムの体を構成する金属はクロムではなくなりニクロムに変化した。






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