Episode 25 右腕VS左腕 〈上〉 204808282256
このエピソードが僕自身の個人的なお気に入り回です。
春央の能力は相手までの距離が10メートル以内になるか、相手が魔法を放つかすることで相手の魔法を奪う能力だ。当然、相手は魔法を撃ってくる。
空間収納から千秋のバックパックをドアの外に向かって大量に吐き出し、「憎悪悪魔の始祖の体を失う可能性があるから緊急の時以外は使うなよ」と千秋に念を押してから、
「お前ら離れてろ。」とだけいってそれだけで3人(+1匹)は意味を理解し、ドアの外に出る。
そして左腕と春央だけが部屋にいる状況で夏斗がドアを閉める。
今この状況では夏斗がいない状況の方が存分に戦える。
「さぁ戦おうぜぇ!今ここでお前と俺の一騎打ちだよ!」と左腕を挑発する。
「なめんな!魔法の数は俺の方が圧倒的に多い!」
挑発に乗った左腕は光刃で春央の左腕を切り落とす。
「おい、どうだよ、これで右腕も切り落としてあげようかぁ――あぁ?」
「竜始祖頭召喚」
春央は人の話を聞かないのだろうか。人が話している間に必死になって左腕に竜の始祖の頭を召喚していたのだ。
右腕は魔法の吸収ができて、左腕は圧倒的な攻撃力を手に入れた。
「水蒸気熱波」!「過負荷拘束」!
その竜の頭を恐れた左腕は即座に春央を殺すために襲い掛かる。
だがその努力もむなしくすべて春央の右腕に吸収されて、どこからともなく無機質で乾いた声が響く。
「〈水球〉を獲得。これにより、発動元魔法である〈憎悪悪魔之始祖之右足〉を獲得。
これにより、水、氷の基礎魔法と、〈憎悪悪魔之始祖之右足〉を自在に使用可能になります。
〈火球〉を獲得。これにより、発動元魔法である〈憎悪悪魔之始祖之左足〉を獲得。
これにより、炎、雷の基礎魔法と、〈憎悪悪魔之始祖之左足〉を自在に使用可能になります。
〈波風〉を獲得。これにより、発動元魔法である〈憎悪悪魔之始祖之頭〉を獲得。
これにより、土、風、草の基礎魔法と、高速思考、戦闘力計測、〈憎悪悪魔之始祖之頭〉を自在に使用可能になります。」
春央は左腕以外は憎悪悪魔之始祖の体になっていた。左腕には今も竜之始祖の頭が生えている。
「まだやるのか?」
「当たり前だろ。ここで負けるわけにはいかない!左腕があればまだどうにかなる。」
そういって左腕は光刃を量産する。その刃が向かってくると同時に、
「能力喰い」春央がつぶやくと、すべての光刃は消えて、また再び無機質で乾いた声が響き渡る。
「〈光刃〉を獲得。これにより、発動元魔法である〈憎悪悪魔之始祖之左腕〉を獲得。
これにより、聖の基礎魔法と、能力操作、〈憎悪悪魔之始祖之左腕〉を自在に使用可能になります。
また、〈憎悪悪魔之始祖之右腕〉、〈憎悪悪魔之始祖之左腕〉、〈憎悪悪魔之始祖之右足〉、〈憎悪悪魔之始祖之左足〉、〈憎悪悪魔之始祖之頭〉は、〈憎悪悪魔之始祖・擬態〉に統合進化します。
これにより、個々の能力はもちろん、憎悪悪魔の始祖を自分の体を器に一時的に召喚することが可能になりました。これに伴い、新規魔法として〈翼浮遊〉〈酸素不要〉〈血液不要〉〈食事不要〉〈温度変化無効〉〈物理攻撃大幅軽減〉〈魔法攻撃大幅軽減〉〈状態異常無効化〉を習得。」
これで、春央は憎悪悪魔の始祖のすべての力を体に宿した、5人分の能力者になったのだ。
だがしかし、
「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
左腕の高らかな笑い声が響いていた。




