Episode 2 不可能 2048824
なんだコイツッ気配感じるのがうまいとかいうレベルじゃねぇ。腐人の手先かなんかか?
そう思って逃げようとするも背中を見せるわけにはいかない。いつナイフで刺されてもおかしくないという自覚はあるつもりだ。
そう葛藤している間に赤髪の男は春央の目の前に現れた。
首筋にナイフを突きつけ「聞いたことだけに答えろ。余計なことはしゃべるな。不審な動きをするな。もしそのようなそぶりが見えたら貴様をここで殺してワクチンを横浜まで届ける。」そう前置きを置いて
「お前、ワクチン盗んだ中森春央か?」と問いかけてくる。「あぁそうだ。」春央は簡潔に答える。
「なんでワクチンを盗んだ?」彼は続けて質問をしてくる。
「行方不明の宮崎夏斗という友人がいる。探して助け出す。腐人化していたら解毒する。その為のワ
クチンだ。」ここも簡潔に答える。
「無理だ。仮に生きていたとしてもどこにいるかわからねぇ。それに腐人化していたら公安に狩られている…宮崎夏斗?いや気のせぇか。」
彼は何か心当たりのあるようなそぶりを残しつつ、「とりあえず即時に殺したりはしねぇ。今この付近に〈四肢〉の一人〈怠惰〉がいると言われてんだ。」そして表情を暗くしつつ話を続ける。「俺はそいつを倒すように言われてんだが間違いなく単独で挑む任務じゃねぇ。支部長に嫌われてて俺は捨て駒のように扱われててなぁ。お前に任務を手伝ってほしい。生きて帰れたら俺はお前を公安に突き出したりはしねぇし仲間として行動してやる。」
そういって男は顔を上げた。
「そういや名乗ってなかったな。松尾千秋だ。千秋って呼べ。」そういって男、否。千秋は微笑んだ。
「一つ質問。千秋の任務は〈怠惰〉を倒すことだろ?場所の目星ついてんのか?」
春央は問いかける。ここから〈怠惰〉を探し求め何日も歩いたり何なら公安千秋に流したガセ情報であったりする可能性…はあってほしくないが、そんな感じだと非常に困る。任務を終わらせることができなかったら春央は首が飛ぶ可能性が高いのだ。
「あぁ確かにこの付近としかいってなかったか。〈四肢〉の〈怠惰〉がいる場所はもうお前からも見えているはずだ。」
そう聞いてあたりを見回してみる。あたりにあるのは木々が生い茂る森と反対側には住宅地が見えるがここの可能性は低い。ほとんどの家屋が倒壊しているが一つとある学校だけ半分以上原形をとどめているのはなぜだろうか?こんな風に残っているのは不自然だ。まるで腐人が手を付けないようにしているかのような感じだ。学校には人間がいっぱいいるはずなのに…
そう考えていると
「気づいたか。そう〈怠惰〉が潜んでいる場所はあそこ。川越第二中学校だ。」




