天使達が見てる。
鳥程度の大きさになった王竜が羽根をばたつかせながら飛んでいる。
契約した人間と共に驚愕を強く映すその表情は現状を理解出来ていない。
『あはははは!知らなかったか、王竜?お前らみたいな度を超えた化け物が人間と契約を結ぶ時制限を受ける。そうじゃないと契約する人間が膨大な魔力に耐えられないからだ!!』
『な、なんだと・・・。』
「・・・これ、詰んだ。」
とわ達の姿を映す大きな画面の前でショートカット白髪の少女が冷静に呟く。
だぼだぼの白いパーカーを着て首には大きなヘッドホンを下げた美少女ユリエル。
「うん、詰んだね。・・・じゃねーー!!詰んだらまずいの!こいつはアリア様のお気に入りなんだからね!!死なれたら困るっつーの!」
立ち上がり叫ぶのはもう1人の少女。
金髪のツインテールのこちらも美少女ナナエル。
白で統一された着衣は天使の仕事着だ。
彼女らは主の命により、転生者時根永遠の映像記録を任された天使達。
天界の一室、何台かのパソコンが並び、中央には大きな画面、テーブルにはジュースとお菓子が散らばる薄暗い部屋。
「無理。王竜の能力は雑魚化した。とわっちは死亡確定。」
「それじゃ困るの!!私達の仕事が-!!掃除なんてしたくない!!毎日とわの観察をしながらお菓子を食べるだけの私の生活が-!!」
「半自宅警備員。」
「くそー!こうなったら私が直接助けに!!」
部屋から飛び出そうとするナナエルの襟首を、ユリエルが持つ遠くの物を取るおもちゃが掴む。
「ぐえっ?」
「禁止。罰、最悪堕天する。」
「くそ・・・とわが自分で切り抜ける可能性は?」
「ない。エルクマっち、オッチャンズが助けに来たとしても無理。あの盗賊の能力は王竜からの生還者の加護でかなり高い。」
パーカーの美少女は淡淡とノートパソコンのキーボードを叩きながら答える。
「ちっ・・・悪い。、私助けに行くわ。私はあいつの頑張ろうとする姿をずっと見てた。それが死ぬってのをただ見てるんじゃ天使としてじゃなく私として堕ちちまう。」
「・・・ナナエル・・・貯金ないのに無職。」
「うっせーー!!」
「・・・ふー。これ。」
ユリエルが自分のノートパソコンを指でトントンと指す。
「なに?・・・スキルの使用条件を満たした?」
ナナエルに対してユリエルが肯定を頷く事で示す。
「これを使えばとわが勝てる!?」
「能力的には。でも無理、へたれとわっちじゃ使いこなせない。」
「じゃあ!結局無理じゃねーかよ!!くそー!!」
「方法は考えてある。・・・耳を。」
「なんで2人なのに内緒話!?」
ツッコみながらもナナエルは耳をユリエルの口元に持っていく。
「おーおー、なるほど。それは面白そうじゃない。」
「次回、とわっちの能力が覚醒する。」




