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音楽と魔法と異世界と (仮)  作者: さんぼんせんろっく
第一章 未熟な初心者
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第12話 救援

別の切り口からのを書いてみました。ちょっと登場人物も増えましたが、名前はバンド関係の名前から取っています。

そういう登場人物の設定集?みたいなのも作っても良いかななんて思いました。


その前に狒々との決着でした。

はぁはぁと息を切らしながら走る。もう少しでギルドだ…あそこからずっと全力ダッシュしている。

汗で和服は張り付き、足はドロドロに汚れている。自慢のおさげも解けてきており、重く感じていた…前髪も汗で張り付き、和服の袖で汗を拭う。


あの人が…あの数を相手に立ち回れるなんて思えなかった。特訓は昼食を届ける際に見ていたが良い感じに成長しているとは思った。ただ、初心者であの数、そしてあの怪力に対処できるとは思わなかったからだ。

少しでも早くギルドへ行き助けを呼ばないと…死なないで欲しい…


最後に握った時の事を思い出す。あの人は熱く燃え上がるようで温かい物を持っている。それは最初に出会って握手した時から変わらない…そして…あの人はちょっとエッチだ…むっ胸の事を考えたり…私のおっお尻を撫で回しながら良い気持ちになったり…と思ったあたりでブンブンと頭を左右に振り回し雑念を取り払う。


熱く温かいものを持っていると断言できるのは…私は…触れた人の気持ちが分かるのだ。先天性の特技。この事は、クララ様しか知らない…


城門とは言えない、人が通れる程のトンネルを通り城下町へ入る。後、もう少しでギルド会館が見えるはず…もう夜中なはずであるが酒場等から光が漏れている。酒場からの帰り道なのか数人とすれ違う。そのすれ違った人からはきっと、こんな夜中に何を急いでいるんだ?と思われているのだろうが気にしない。一刻も早くギルドへ着かなければならないのだ。



あれから、どれぐらい走り続けたのだろうか。ようやく目の前に白いレンガの建物が見えて来た。

しかし、近くに連れて安堵が絶望に変わる…


ーギルドの明かりが消えている…


それはギルドの門にたどり着いた時に確信に変わる。ドンドンを扉を開ける音が響き渡る。


「誰か!誰かいませんか!」


ずっと走って来て息も絶え絶えの中、振り絞って大声を出す。


「お願いであります!誰か!誰かいませんか!助けてくださいであります!」


その悲痛な叫び声は無情にも響いて搔き消えるのみであった…


「誰かぁ…お願いであります…」


涙声になりながらか細い声を上げて座り込む。どうしよう…これからどうすれば…

焦る気持ちを抑えて思考を張り巡らせるが解決策は思い浮かばない。どうすればどうすれば…と思ったところで、姉のような存在で金髪で性格も身体も色々と柔らかい女性を思い出す。


ーあの方なら…!


が、騎士団の元へ向かうには色々と手続きがあったり規制も多く。こんな村娘のような女が行っても追い返されるだけなのではと不安に思うが…今はそれどころではないのだ…可能性が少しでも残っているのなら!と走り出そうとした瞬間、ギルドの扉が開く。


昼過ぎ頃で出会った女性。受付のポニーテールの女性だった。絶望の涙から安堵への涙に変わる。


「お願いであります!助けて!助けてください!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ー起きて!セシリア!


うぅん…なんですのぉ…とすっかり眠っていた身体を起こしながらセシリアは起きる。

目の前には栗色のボブカットヘアの女性が立っていた。身長は私と同じぐらいの女性が鎧に着替えている最中だった。

アマデウス騎士の鎧はガチガチな重装備の鎧もあれば動きやすさを重視した軽量の鎧もある。少し露出も多い装備ではあるが私は動きやすさから好きな鎧だ。

そして、目の前にいる女性はシャーロットと言う。私の部屋の同居人だ。

騎士に入団している人たちは騎士寮に入っている。ここは女子寮の一室。


「シャーロット…どうしたですの…まだ、こんな暗いうちに…」


と眠い目を擦りながらカーテンを開けて外を見る。まだまだ夜中なのだろう城下町にポツポツと光が見えるぐらいで城壁の向こうは真っ暗で何も見えなかった。


「セシリア、何寝ぼけてるの?ほらっ!さっさと起きる!郊外にてモンスタがーが現れたみたいなのよ!数が30程の猿のモンスターだって!小さい女の子がギルドに助けに呼びに来たらしいんだけど…数が数なだけに我々にも要請が来たのよ!」


真夜中の出動はそう多くはないが出来るなら寝ていたい…そう思うセシリアではあったが外が慌ただしい音を立てており、事の重大さを理解するに時間は掛からなかった。


「…でっそのモンスターは今は何をしていますの?こっち…城下町に向かっているのですの?」


ネグリジェを脱ぎ、下着を着けて服を着て鎧を着て行く。

セシリアの胸は凶器だ…羨ましい…。いっそ半分ほど分けて欲しい。と自分の胸と見比べながらシャーロットは言う。

余談ではあるがシャーロットもCカップと言う形の綺麗な胸を持っている。


「何でもカッパー?の初心者冒険者さんが時間稼ぎ?をしているそうなのよ!でも…数も数でしょ…もしかしたら…もうその初心者冒険者さんは…」


着替え終わったセシリアはシャーロット共に部屋から出て寮の廊下を小走りに走りながら話す。


「なんでそんな依頼をカッパーさんが受けていらっしゃるのかしら?」


知らないわよ!とシャーロットは答えながら寮を出て整列している騎士団に混ざる。


「者共!集まったか!これから、ギルド依頼のモンスター討伐へ出かける!場所は郊外!数は30相当!もしかしたら、それ以上の数がいるやもしれん!引き締まって行くぞ!」


赤い髪でキリリとした釣り目に気品と格好良さを感じる、この女性の名はアンジェラ。女性騎士団のまとめ役である。


「各自、乗馬!すぐに出発するぞ!」


カッパー、初心者という言葉でセシリアはゴブリンに襲われていた男の事を思い出していた。


ー最近、騎士団の仕事で先生のところに行けていませんでしたが。特訓は順調かしら?


とチリチリの髪の毛の男の事を思い出して、ふふっと思い出し笑いしたのだった。

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