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『ゾンビだらけの世界でただ1人の魔法使い』  作者: mixtape
序章:また会う日まで

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第3話:地球での最初の夜

2026/10/12 大改稿

 仲間たち一人ひとりと抱き合い、再会を約束したあと。


 繋はフリッグに連れられ、世界と世界の狭間にある異空間へ移動した。


 そこは、上も下も、見渡す限り真っ白だった。

 壁と呼べるものさえ判然としない中、一本の道だけが果てしなく真っ直ぐに続いている。

 響くのは、繋とフリッグが歩く二人分の足音だけ。

 先ほどまで傍にあった仲間たちの声も、温もりも、もうここにはない。

 繋は俯いたまま、黙々と歩いていた。

 その隣を歩くフリッグも、何も言わない。

 ただ時折、繋の様子を横目で窺っていた。


 やがて、繋の足が止まった。


 少し遅れて、フリッグも立ち止まる。


 繋は後ろ髪を引かれるように振り返り、今まで歩いてきた真っ白な道をぼんやりと見つめた。


(夢……じゃないんだよな)


 異世界で過ごした十六年間。

 もしかしたら、そのすべてが自分の見ていた都合のよい夢だったのではないか。

 本当の自分は、事故に遭ったあとも病院のベッドで眠り続けているのではないか。

 そんな馬鹿げた考えが、一瞬だけ頭を過ぎった。

 そう疑いたくなるほど、セプネテスで得た日々は幸福なものだった。


 けれど、夢ではない。


 スノトラが作ってくれた長杖。


 ベオウルフから託された、獅子の紋章が入ったペンダント。


 スヴィグルが再会の願いを込めてくれた、銀色のリング。


 皆と過ごした証は、ちゃんと繋の手元に残されている。


 別れ際には、一人ひとりから言葉をもらった。


 贈り物を受け取り、何度も抱き締められた。


 皆の腕の強さも、身体の温もりも、今なおはっきりと覚えている。


 その顔を思い出しただけで、胸の奥がきゅっと締めつけられた。


(違う。間違いなく、僕はあそこにいたんだ)


 繋を息子として育て、無条件に愛してくれたヒョードル。


 十年を共に過ごし、魂の半身となったスヴィグル。


 兄妹のように魔法を学び、支え合ってきたスノトラ。


 年の離れた弟のように、繋を慕ってくれたベオウルフ。


 皆と共に過ごした十六年間は、決して消えない。


 それから繋は、すぐ隣に立つフリッグへ目を向けた。


(それに……姉のように、ずっと見守ってくれた女神様もいる)


 フリッグは以前、これが永遠の別れになるとは限らないと話していた。

 世界と世界の境界を越えることは難しい。

 それでも、再び会える可能性が完全に失われたわけではない。

 スノトラも、何年かかってでも繋を迎えに行くための魔法を作ると約束してくれた。

 希望は残されている。

 また会える日が来るかもしれない。


 それでも、心の真ん中に大きな穴が空いてしまったようだった。


 最初は、スヴィグルと二人きりで始まった旅だった。

 ヒョードルに鍛えられながら少しずつ力をつけ、やがてスノトラと出会い、最後にはベオウルフも仲間へ加わった。

 

 決して、楽な旅ではなかった。

 

 死と隣り合わせの戦いを、数え切れないほど経験した。

 何もかも投げ出したくなる日もあった。

 意見がぶつかり、喧嘩をしたこともある。

 それでも、辛いことばかりではなかった。

 魔物の根城を探索した。

 雲の上に浮かぶ島へ、皆で飛んでいった。

 海底に眠る神殿や、忘れ去られた古代遺跡を巡った。


 旅先で珍しい料理を囲み、くだらないことで笑い合った。

 眠れない夜には焚き火を囲み、それぞれの故郷や、旅が終わったあとの夢について語った。


 思い出すのは、訪れた場所だけではない。

 

 その時々に見せた、仲間たちの顔。


 スヴィグルの豪快な笑い声。


 素直になれず、すぐに照れてしまうスノトラ。


 美味しいものを見つけると、目に見えて機嫌がよくなるベオウルフ。


 そんな皆を見守りながら、楽しそうに笑うヒョードル。


 次々と蘇る思い出に、繋の口元から自然と笑みが零れた。


 五人で歩いた、長い旅路。


 繋にとって、どれもかけがえのない宝物だった。


 その思い出があれば、これから寂しさや孤独に襲われても、きっと耐えられる。


 そう信じられるほど、彼らと過ごした日々は温かな光に満ちていた。


「……ケイ」


 不意に名前を呼ばれ、繋は顔を上げた。

 フリッグが、僅かに眉を寄せて繋を見つめている。


「おい。大丈夫か?」


「ああ……ごめん。ちょっと、皆のことを思い出してた」


 繋はもう一度、来た道へ目を向ける。

 それから前を向き、フリッグへ小さく笑いかけた。


「うん。大丈夫だよ」


「……そうか」


 フリッグは繋の表情をしばらく見つめていたが、それ以上は追及しなかった。


「そろそろ地球へ続く道が開く。行くぞ」


「うん」


 二人は再び、白い道を歩き始めた。

 しばらく進むと、道の先に真っ黒な楕円形の空間が現れた。白一色の世界へ、墨を一滴垂らしたかのような歪み。その内部には光が一切なく、周囲の白ささえ吸い込んでいるように見える。


 繋は思わず足を止めた。


「……なに、あれ」


「世界を渡るための、境界の綻びだ」


 フリッグは、黒い歪みを指し示した。


「あれを潜れば、お前は地球へ戻れる」


「この先が……地球」


 繋は黒い歪みを見つめた。


 十六年ぶりの故郷。


 事故によって途切れたはずの人生が、その向こう側にある。


 両親を供養し、自分の過去に区切りをつける。


 そのために地球へ帰ると決めた。


 危険が待っていることも承知している。


 それでも、いざ目の前に道を示されると、足が竦みそうになった。


「はは……今更、緊張してきたかも」


 地球へ戻れば、仲間たちはもう傍にいない。

 これからは、本当の意味で一人になる。

 その事実が、今になって重くのしかかってきた。


(大丈夫だ。一人でも、何とかなるはずだ)


 繋は自分を鼓舞するように胸へ右手を当てた。

 大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出す。


「……どうした?」


 フリッグが静かに尋ねる。


「今なら、まだ後戻りできるぞ」


 引き止めるのではなく、最後の選択肢を返す言葉だった。


 帰りたくないのなら、帰らなくてもいい。


 セプネテスへ残り、家族と共に生きていく道もある。


 フリッグは、繋がどちらを選んでも尊重するつもりだった。


 繋は一度目を閉じた。


 地球に残してきた過去。


 両親への、単純な愛情とも憎悪とも言い切れない感情。


(何も確かめないままでは、前へ進めないんだ)


 やがて静かに目を開き、黒い歪みを見据えた。


「大丈夫。少し、いろいろ考えちゃっただけだから」


 そこに先ほどまでの迷いはなかった。


「行くよ」


「そうか」


 フリッグは短く答えた。


 繋は改めて、世界の境界を見つめる。


 いくら覚悟を決めたとはいえ、不気味なものは不気味だった。


「それにしても、真っ黒な空間って、見た目がよくないよね。怖いし」


「お前はこれまで、散々恐ろしい経験をしてきただろう。今更、何を言っているんだ」


「いやいや、初めての経験はいつだって緊張するし、怖いよ!」


「いくつもの困難を越えた男の台詞とは思えんな」


「それは皆がいたからだよ。一人だったら、普通に泣いてたかもしれないよ?」


「お前は泣く前に、覚悟を直ぐに決めるだろ」


「それは……まあ、そうなんだけどさ」


 いつも通りの軽口を交わす。

 張り詰めていた空気が、ほんの少しだけ和らいだ。

 繋は小さく笑ってから、黒い歪みへ向き直る。


「……うん。それじゃあ、そろそろ行こうかな」


 名残を惜しむように一度フリッグを見つめ、それから一歩を踏み出そうとした。


 その瞬間だった。


 フリッグが背後から繋の両肩を掴んだ。


「うんっ!?」


「待て」


「な、なに?」


「私だけ、別れの挨拶がおざなりではないか?」


 繋は目を瞬かせる。


「さ、散々それらしい話はしたでしょ!」


「それらしい話と、きちんとした別れの挨拶は違う」


「そうかもしれないけどさあ……」


 フリッグは繋から手を離すと、その場で堂々と両腕を広げた。


「ほら。仲間たちと同じように、私ともハグをしろ」


「それも、僕の方から行くの!?」


「当然だ」


「なんで!?」


「私がそうしてほしいからだ」


 あまりにも堂々と言い切られ、繋はそれ以上反論できなくなった。

 早くしろと言わんばかりに、フリッグが両腕を広げたまま待っている。


「うう……分かったよ」


 繋は照れくさそうに唸りながらも、フリッグへ歩み寄った。

 おずおずと、その身体へ両腕を回す。


 次の瞬間。


 フリッグは繋の背中へ腕を回し、強く抱き締め返した。


「フリッグ……?」


 予想していたよりも、ずっと強い抱擁だった。


 フリッグは何も言わない。


 ただ、長い間見守ってきた弟のような存在を失いたくないと訴えるように、繋を抱き締めていた。


 言いたいことは、山ほどあった。


 地球へ帰らず、ここに残れ。


 自分の目が届かない場所へ行くな。


 危険なことへ首を突っ込まず、自分の命を何よりも大切にしろ。


 だが、それらを口にすれば、繋の決意を縛ってしまう。


 フリッグは神として、そして姉のように繋を見守ってきた者として、その選択を尊重したかった。


 やがてフリッグは腕を解くと、繋の両肩を掴んだ。


 その身体を、境界の綻びがある方向へぐるりと向ける。


「うわっ!?」


 そして、繋の背中を優しく押した。


「気をつけてな」


 短い言葉だった。


 けれど、口にできなかったすべての思いが込められていた。


 繋にも、それが何とくなだが分かった。


 数歩進んだところで振り返り、精いっぱい明るく笑う。


「フリッグ、ありがとう!」


 大きく片手を振った。


「それじゃあ、行ってくる!」


「ああ!」


 フリッグもまた、繋を不安にさせないように声を張る。


「暫しの別れだ! 気をつけて行ってこい!」


「うん!」


 もう一度フリッグへ手を振り、繋は黒い歪みへ向かって走り出した。

 世界の境界が、見る間に近づいてくる。


 その直前で、繋は僅かに振り返った。


 フリッグは同じ場所に立ち、真っ直ぐに繋を見つめている。


 その姿を目に焼きつけてから、繋は黒い空間へ飛び込んだ。


 瞬間、すべての光が消えた。



 ◇



 どさり、と全身が地面へ投げ出された。


「いたた……」


 土の感触と鈍い痛みに、繋は顔をしかめた。

 ゆっくりと上体を起こし、服へ付着した土や枯れ葉を払い落とす。


 最初に目へ入ったのは、雲一つない青空だった。

 強い日差しが降り注ぎ、肌へまとわりつく空気も少し暑い。


 白い異空間も、フリッグの姿も、どこにもない。


「……着いた、のかな」


 辺りを見回す。

 開けた場所ではあるものの、周囲には木々と草しか見当たらない。

 魔物の気配もなければ、セプネテスに満ちていた濃い魔力も感じられなかった。

 間違いなく、これまでいた世界とは違う。


(……ん?)


 立ち上がろうとしたとき、繋は身体に奇妙な違和感を覚えた。


 身体の重心が、僅かに変わっている。


 手足の感覚も、昨日までとはどこか違う。


 しかし、世界を渡った直後である。

 セプネテスと地球の環境差か、境界を越えた影響だろうと考え、今は深く追及しなかった。


 まずは、自分がどこへ出たのかを確認する必要がある。

 繋は周囲を警戒しながら、看板や建物がないか探して歩き始めた。


 しばらく進むと、木々の間に一枚の看板を見つける。


 そこに記された文字を読み、繋は足を止めた。


『黄泉比良坂』


「……はは」


 思わず、乾いた笑いが漏れた。


 黄泉比良坂。


 生者の住む現世と、死者の国である黄泉とを繋ぐとされる坂。


 交通事故で死にかけ、別の世界へ渡り、十六年ぶりに帰ってきた自分には、笑えないほど似合いの場所だった。


「地球へ帰ってきた最初の場所が、あの世とこの世の境目かあ……」


 女神の趣味なのか。


 それとも、世界の境界が存在する場所同士で繋がった結果なのか。


 フリッグに尋ねようにも、すでに異世界との道は閉じている。


「まあ、帰ってこられただけでもよしとしよう」


 繋は看板を改めて確認した。


「黄泉比良坂ってことは……ここ、島根県だよね」


 まさか、父方の祖父母が暮らしていた土地へ辿り着くとは思わなかった。

 幼い頃、何度か両親に連れられて訪れたことがある。

 もっとも、祖父母はすでに亡くなっている。

 家も取り壊す予定だと、両親の会話で聞いた覚えがあった。


(まだ残っていたら、拠点にできるかもしれないけど……)


 期待はしすぎない方がよいだろう。


 それでも、確認してみる価値はある。


 両親を供養するためには、いずれ福岡へ向かわなければならない。


 三人で暮らしていたかどうかも怪しい家。


 事故が起きる前まで生活していた土地。


 十六年前で止まってしまった、自分の過去が残る場所へ。


 だが、地球では人類の大半が死人になったと聞かされている。

 いきなり福岡へ向かうのは危険だった。

 まずは安全な場所を確保し、地球の現状について情報を集める必要がある。

 祖父母の家が残っているなら、一時的な拠点として利用できるかもしれない。


「そのためにも、まずは魔力を回復させないとね」


 繋は慎重に周囲を見回した。


 人影はない。


 死者が動き回っているような物音も、今のところ聞こえなかった。


「……ゾンビは、近くにはいなさそうかな」


 どの程度まで信用できるのかは分からないが、少なくとも目に見える範囲は安全だった。


 繋は小さく息を吐く。


「本当は、空を飛べたら一番早いんだけど……」


 そこで、大切なことを思い出した。


「あっ、杖!」


 異世界から持ち込んだ魔法具が、地球でも使えるとは限らない。

 繋は慌てて意識を集中させ、空間収納へ収めた長杖を呼び出した。

 次の瞬間、何もなかった右手の中に、ぽん、と長杖が現れる。


「はあ……よかった!」


 スノトラが作ってくれた杖を両手で持ち、安堵の息を吐いた。

 繋は杖へ僅かな魔力を流し、先端を前方へ向ける。

 まずは最も単純な火の魔法を試す。淡い橙色の光が杖先へ集まり、小さな炎が生まれた。

 だが、現れたのはライターの火ほどの大きさしかない。


「……小さいな」


 セプネテスにいた頃なら、同じだけの魔力で焚き火ほどの炎を生み出せた。

 もう少し出力を上げようと魔力を流したが、炎は僅かに揺らめいただけだった。


 フリッグから聞かされていた通り、地球では世界そのものの制約によって、魔法の出力が大幅に抑えられている。


 体内の人工魔力回路も、これまでとは違う環境へ適応しようとしているようだった。


 それでも、魔法そのものを失ったわけではない。


「ちゃんと魔法は使える……」


 今後も魔法を使える。


 それだけで、繋は心の底から安堵した。


 その緊張が解けた途端、全身へ重い倦怠感が押し寄せる。


 急激に眠気が強まり、危うく杖を取り落としかけた。


「なんか……急に眠たくなってきたな……」


 世界を渡った負担。


 魔力の薄い地球へ身体を馴染ませるための消耗。


 フリッグから、帰還直後は体調を崩す可能性があると忠告されていた。


 本当なら、すぐに祖父母の家を探しに行きたかった。

 しかし、この状態で無理に移動するのは危険だ。ただでさえ、地球のゾンビがどのような性質を持っているのか分かっていない。

 繋は、まず休息を取るべきだと判断した。

 長杖を自分の背丈ほどまで伸ばし、その先端で地面を軽く叩く。


「スクニヤ(感知せよ)」


 繋を中心に、淡い橙色の魔法陣が展開された。


 光の波が草木の間を走り、周辺一帯へ広がっていく。


 生き物の気配。動く物体。

 強い敵意を持つ存在。

 感知できる範囲に、ゾンビと思われる異常な反応はない。


 ただし、地球のゾンビをまだ一度も直接見ていない以上、感知魔法が正確に反応するかは分からなかった。


 それでも、何もせずに眠るよりはいい。


 次に繋は、結界の起点として使えそうな石を四つ拾った。


 それぞれへ魔力を込め、野営地を囲むように四方へ置いていく。


 四つの石を結ぶように、薄い魔力の膜が広がった。


 強力な攻撃を防げるほどの結界ではない。


 それでも、外敵が侵入すれば繋へ知らせ、存在をある程度認識されにくくすることはできる。


 準備を終えると、繋は魔法のトランクケースからテントを取り出した。


 長い旅の間に何度も使ってきたため、設営には慣れている。

 とはいえ、今は身体が思うように動かなかった。

 いつもより時間をかけながら、どうにか一人用のテントを張り終える。


「よし……あとは、ご飯……」


 トランクケースには、ヒョードルとスノトラが用意してくれた軽食が入っている。

 食べなければ体力が回復しないことも分かっていた。

 しかし今は、空腹よりも眠気と倦怠感の方が強い。


「……今日は、もういいかな」


 小さく呟き、繋はのそのそとテントへ入った。

 寝袋を広げ、その中へ身体を滑り込ませる。

 テントの内部は魔法によって快適な温度に保たれている。

 柔らかな寝袋へ包まれた途端、張り詰めていた意識が急速に緩んでいった。


(明日には、少しでも魔力が戻ってるといいな……)


 空を飛べる程度に回復したら、祖父母の家が残っているか確認しに行く。

 その後は周辺を調べ、使えそうな物資や地図を探す。

 可能なら、生存者とも接触したい。

 考えなければならないことは、いくらでもあった。


(まずは、おじいさんの家を探して……それから……)


 思考が少しずつ曖昧になっていく。

 瞼が重くなり、意識がまどろみの中へ沈み始めた。

 そのとき、繋は長年の癖で、眠る前の挨拶を口にした。


「みんな、おやすみ……」


 返事を待つような、僅かな間が生まれる。


 だが、誰の声も聞こえなかった。


 今までなら、四人分の返事があった。


 スヴィグルの豪快な声。


 スノトラの少し素っ気ない声。


 ベオウルフの明るい声。


 そしてヒョードルの穏やかな声。


 今はもう、誰も傍にいない。


 テントの外から聞こえるのは、風に揺れる草木の音だけだった。


 それでも繋は、寂しさを自覚するより先に眠りへ落ちていく。


 こうして繋は、十六年ぶりに帰ってきた地球で、たった一人の夜を迎えた。



いつも読んで頂いてありがとうございます!

もし良かったら、ブクマ・評価・リアクションのどれかを押して頂けると更新が頑張れます!

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― 新着の感想 ―
主人公が異世界の暮らしの中で、失った以上のものを得られているということが伝わってきて、すごく胸が熱くなります
ゾンビものが始まる前に、 その過程と登場人物の掘り下げしてるのが好感持てます。 このように物語の土台をしっかり書いた作品は好きです。
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