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ドラゴン転生〜畜生道に堕ちても最強種なら問題ない  作者: 堕天の翼のあさぼらけ


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第64話 素材解体

 ギルドカードには、等級によってグレードアップする機能があった。

 それは俺の装備品、降魔の腕輪も同じらしい。




「封印?確か五段階だと思ったけど。」

 前回の俺の疑問に、ナナさんが答える。

「その封印は、どうやって解くんですか?」

「それはね、」

 と言ってナナさんは言葉につまる。


「ご、ごめんなさい。私の口からは言えないわ。」

「そうですか。この封印はやっぱり竜王の封印と、関係あるんですか?」

 俺は次なる疑問をぶつける。

 この降魔の腕輪は、元々竜王の持ち物。

 竜王の封印に、何か関係してると考えるのが、妥当だろう。


「そ、それも私の口からは言えない。」

「それは、」

 と言いかけて、俺は口をつぐむ。

 ナナさんは、封印の解き方を知っている。

 だけど言えない事情があるらしい。

 基本的にドラゴンは、嘘をつけない。

 いたずらにナナさんを困らせるだけなので、これ以上の追求はやめる事にした。


「ま、封印を解いたら解いたで、俺もどうにかなっちゃうんでしょうね。」

 俺は降魔の腕輪を、ピシリと叩く。

 降魔の腕輪の封印を解いたら、俺の身体が竜王に乗っ取られる気がしてならない。

 だから俺は、千尋峡谷のホームの先に封印されてる竜王を、見に行く気になれないでいる。


「封印については追々、分かると思うわ。じゃ、ちょっとついてきて。」

 ナナさんはこのギルドカードを更新した部屋を後にして、廊下の向かいの扉の中に入る。

 そこは広い部屋で、中央に大きなテーブルがあった。


「討伐依頼の対象物を出して。」

「対象物、ですか。」

 それはつまり、幻想旅団の死体。

 対象物という言い方には引っかかる物があるが、とりあえず熊の死体をテーブルの上に出す。

 無造作に置かれた熊の死体を、ナナさんはまっすぐに姿勢を正す。


「じゃ、始めるわね。」

 ナナさんは両腕の肘から先を部分竜化。

 赤いウロコの腕は、ナナさんがターズンドラゴンである事を物語る。

 そして部分竜化は、それなりの実力者の証し。

 ナナさんは両手の爪を器用に使い、熊の死体を解体していく。

「えと、何してんですか?」

 そりゃ見れば分かる。解体だ。なんでそんな事をするのか、それが知りたい。

「見ての通り、解体よ。討伐依頼の場合、解体した素材の買取りもしてるのよね。」

 ナナさんは熊の解体を終え、熊から取れた素材というヤツは、三十個ほどのタッパーに入れられ、部屋の片隅に重ねられる。

 そしてナナさんはホースからの水で、テーブルを洗い流す。

「あなたも手伝ってよ。」

「あ、はい。」

 ナナさんから渡されたタワシで、テーブルについた血の跡をこする。

 その後はふたりで、テーブルの上をキレイに拭きとった。


「ほら、どんどんいくわよ。」

「はい。」


 次は狼の死体を取り出す。

 ナナさんはまた解体を始める。


「あのー、ナナさん?」

「なにー?」

 事もなく解体してるナナさんに、話しかける。

「素材取りって、ナナさんに頼めば、やってもらえるんですか?」

「私がやるのは、討伐依頼の対象物だけよー。他の解体なら、自分でやるか、業者に持って行ってねー。」

 喋りながらも、ナナさんの爪は繊細に狼の死体を解体していく。

 流れる様なその動きは、どこか優雅なものを感じさせる。



「サム君って、首を折って殺すよね。なんかこだわりあるの?」

 狼の素材をタッパ分けしながら、ナナさんが聞いてくる。

「こだわりって言うか、手っ取り早く殺すなら、こうなりません?」

「あー、なるほど。でも生命力のあるヤツなら、しっかり弱らせないと、首をはねてもすぐには死なないから、気をつけてね。」

「そう言えば、虎がそんな感じでしたね。」

「でしょ。それに狼の一番の素材って、喉笛なのよ。サム君喉笛潰しちゃったでしょ。もったいない。」

「えー、そんな事知らないって。先に教えてくださいよー。」

「あはは、ごめんごめん。まさか幻想旅団が動物変化(アニマルチェンジャー)の集団だって、知らなかったからねー。」

「俺も狼や熊に変化した時は、びっくりしましたよ。」

「ほんと、幻想旅団に挑んで帰ってきた冒険者はいないから、その情報はなかったのよね。」

「その戦闘の目撃者の一般人とかも、いなかったんですか。」

「それも巻き添えで消されちゃってたらしいわね。鼻のきく動物変化(アニマルチェンジャー)がいたから、って今なら分かるけど、ずっと謎だったのよね。」

「えー、巻き添えの一般人なんて情報、依頼書にはなかったっすよね。」

「そりゃあ、普通に行方不明になっただけで、幻想旅団がらみとは思わないでしょ。」

「うーん、討伐してから分かる情報ってのも、あるんですね。」

「そうね。私はサム君には無理だと思ってた反面、人間のひとりくらいは殺して持ち帰ってくるかもって、期待してたのよ。なにせサム君、ドラゴンだし。」

「その言い方だと人間の死体からも、解体して素材取れる感じですね。」

「もちろんよ。人間の臓器は高値がつくわよ。」

「へー、ならこいつらも死体にするなら、人間に化けてる時に殺すべきでしたかね。」

「駄目よー、動物変化(アニマルチェンジャー)と人間は作りが違うから、化けてる時は素材の価値がつかないからね。ちゃんと動物に戻してから殺してよ。」



 そんな会話を続けながら、狼、カバ、ハイエナと解体していく。

ども(・ω・)ノ

今回の冒頭、唐突に降魔の腕輪の封印云々の話しになりました。

で、この五段階の解除方法は、まだ考えてません。

つか、全解除させるかも、決まってません!

話しの流れで、たまたま出ただけです。

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