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ドラゴン転生〜畜生道に堕ちても最強種なら問題ない  作者: 堕天の翼のあさぼらけ


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310/316

第310話 超絶美少女の危機

 竜の霊廟にあるとされる、オリハルコンの回収。

 そして千尋峡谷にあるとされる、スターダストサンドの収集。

 それがエダーマ首領に課された課題だった。




「いてて。」

 椅子に腰掛けた体勢で転送させられたサムは、転送先でそのまま尻もちをつく。

「う、」

 サムは大気の悪さを感じる。

 ここはリバルド学園の結界の中だった。

 汚れた魂を拒むという事で、サムとの相性は最悪だった。

「あの野郎、こんな所に飛ばしやがって。」


「お、久しぶりだなぁ、新入り。って、もう言うほど新入りでもないか。」

 声をかけられて、サムは振り向く。

「エドガーじゃねーか。ほんと、久しぶりだな。」

「ひゅー、俺の名前、覚えててくれたのね。」

「当ったりまえだろ。おまえはこの学園で初めて出来た友達だしな。」

「ははは、そうなのね。」

 エドガーは、サムの名前を忘れてるとは、言えなかった。


「それよりおまえは平気なのか?」

「えと、何が?」

 エドガーの突然の問いかけの意味が、分からなかった。


「リーナちゃんの受け持ってたクラスって、特殊クラスだったらしいじゃん。なんか御用改めがあるらしくて、みんな散りじりに逃げてるみたいだぞ。」

「なんだ、そのごよーあらためって。」

 サムの知らない単語が飛び出してきた。


「ああ、帝国の拷問官がじきじきに出向いてるらしいぞ。」

「なに?」

 物騒な単語に、サムは飛び起きる。

「まあさすがは特殊クラスらしく、学園総出で狩り出してても、まだ誰も捕まってないみたいだけどな。」

「まさか、おまえ、」

 エドガーの発言に、サムの血が引く。


「痛ーい、離してよー!」

 校門の方から、女子生徒の声がする。

「あーらら。やっぱ一番目立つヤツが、一番最初に捕まったか。」

「ミーシャ!」

 連れられてるのは、ミーシャだった。

 サムは走りだす。


「俺の事を友達って言ってくれるなんてな。裏切れねーじゃんかよ。ちゃんと逃げのびてくれよ。えと、新入り。」

 サムの後ろ姿を見送るエドガーだが、やはりサムの名前を思い出せなかった。


「く、」

 サムは転移魔法を使おうと、意識を集中させる。

 だけど体を動かしながらだと、この結界の中では無理があった。


「くそ、ミーシャ!」

「サムー!」


 ミーシャもサムに気づいて、手を伸ばす。

「こら、おとなしく歩け。」

 ミーシャを捕まえた帝国の近衛騎士が、ミーシャの頭を小突く。


「のやろう!」

 サムの感情の高まりを受け、降魔の腕輪がほのかに光る。


「ん?」

 サムは自分の体の中に、自分の物ではない魔素の存在を感じとる。

 それは、ジンガが使った回復魔法の魔素。

 そしてカスミの空圧魔法と転送魔法の魔素。

 女神のカスミと魔竜族のジンガの魔素は、どちらもドラゴン族であるサムの魔素とは違い、降魔の腕輪で増幅する事は出来ない。

 だけど、体内に残ったこの魔素を使う事は出来る。


「サンキュー、ジンガ、カスミ。」

 サムはふたりの魔素で全身をコーティング。

 これで、汚れた魂を拒む結界の効果を断ち切れる。


 そのまま転移して、ミーシャに抱きつく。

 そしてミーシャを連れて、再び転移する。


 転移した先は、町の外の森の入り口。

 サムはミーシャを抱きしめたまま、森の奥へと歩を進める。

「はあ、はあ、無事か、ミーシャ。」

「無事じゃないわよ!」

 どご。

「ぐお、」

 サムの問いかけに、ミーシャはひじ鉄をくらわす。


「ばか、ばか、ばか、ばか!」

 ミーシャは振り上げた拳を、何度もサムに打ちつける。

「なんであんたは、いつも約束に遅れてくるのよ!」

 ミーシャは泣き顔のまま、サムをにらむ。

「ごめん、悪かったよ。」

 サムもそれ以上言い返せない。


 ミーシャはサムの胸に額をぶつける。

「もう、しっかりしてよ。私を守ってよ。」

 ミーシャの声が震える。

「ああ、守ってやるよ。前にも言っただろ。」

 サムはミーシャの肩に右手を置く。


「ええ、期待してるわ、よ。」

 気持ちを落ち着かせたミーシャが、突然脱力して、サムに寄りかかる。


「ミーシャ?」

 サムはミーシャを抱きしめて、そのまましゃがみ込む。


「何これ。いつもの転移魔法と違うんだけど。」

 転移魔法による不快感に、ミーシャはごっそり魔素を奪われる。

 気を張ってた時は耐えられたが、気を落ち着かせたら、一気にきた感じだった。


「ああ、ごめん。今回はジンガとカスミの魔素を利用したからな。」

「何よ、それ。」

「俺ひとりの魔素だったら、転移魔法も使えなかったからな。許してくれ。」


 今回サムが転移魔法でコーティングに使った魔素は、ジンガとカスミの魔素も含まれている。

 だから一緒に転移するミーシャも、このふたりに対しての信頼感が必要になる。


 ジンガはサムとの距離感で、何かと突っかかってくる。

 カスミはサムを受け入れてる自分を、変な目で見てくる。

 ミーシャにとってジンガとカスミは、それほど信頼出来る相手でもなかった。


「動けるか、ミーシャ。」

 サムは町の方を警戒しながら、ミーシャに声をかける。

「ちょっと無理。だるい。」

 ミーシャは早々に根をあげる。


「これって、回復魔法効くのかな。」

 サムは回復魔法を試してみる。

 だけど体力的なダメージではなく、精神的なダメージに近いので、無理だった。


「じゃあ、俺の血か。」

 サムは右手を部分竜化させる。

「待って。」

 左手を傷つけようとするサムを、ミーシャが止める。

「確か、あんたもかかる可能性のある状態異常にしか、効果ないのよね。」

 それは昨晩、あのカスミが言っていた事。

 サムが自分の転移魔法で、この状況になるとは、考えられない。



「仕方ない。とりあえず移動するから、負ぶるぞ。」

 サムは背中を向けて、ミーシャの前にしゃがむ。

「分かった、」

 ミーシャはなんとか体を動かして、サムの背中に負ぶさる。

ども(・ω・)ノ

学園の異常事態に、学園に乗り込んできた近衛騎士団。

やっぱ特殊学級に目をつけますよね。

リーナ先生も居なくなってますし、守ってくれる先生もいません。

スライムのアキーラに操られてた校長も、今は解放されてますが元々、リーナ先生や学園内のドラゴン族を快く思ってません。

他のクラスにもドラゴン族は居ますが、そっちには手荒なまねは出来ません。

やはり手をつけるとなると、リーナ先生の居なくなったクラスになるでしょう。

(´・ω・)

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