第302話 ふたつの場所
エダーマ首領がサムに出した課題。
それは千尋峡谷にあるスターダストサンドと、竜の霊廟にあるオリハルコンを採取してくる事。
まずは千尋峡谷に行こうとするも、千尋峡谷はドラゴン族と人間族以外の立ち入りを拒む場所。
魔竜族雷狼竜であるジンガは、雷狼竜である事を捨て、人もどきになる事でしか入れない場所だった。
「そうか。私はサムと一緒に行けないのだな。」
ジンガもサムと一緒に千尋峡谷に行けない事を理解する。
「すまんな。ここでお留守番になるんだが。」
サムはジンガの頭を撫でながら、ナナさん達に視線を移す。
ジンガを置いて行くとなると、やはり頼れる相手はナナさん達だろう。
サムの意志を感じとり、ため息をつくルル姉と、ニコりとほほ笑むナナさん。
ジンガは頭を撫でるサムの手をつかむ。
「サム。私はおまえの足手まといになるのは、ごめんだよ。」
ジンガは自分が置いて行かれそうな事に気づいている。
「竜の霊廟。そちらには私が行こう。」
「へ、」
キリっとした表情のジンガに対して、ボケ面をさらすサム。
「構わないよね、私がオリハルコンとやらを持ってきても。」
ジンガはボケ面のサムを無視して、エダーマ首領に話しかける。
「ふ、本来ならサムに行ってもらいたいのだが、まあいいだろう。」
とエダーマ首領はニヤける。
「おまえ、竜の霊廟を知ってるのか。」
ボケ面から戻ったサムがたずねる。
「ええ、おそらくモヘルダ樹海の最深部を抜けた先。私も一度だけ、迷い込んだ事がある。」
ジンガの表情に緊張が走る。
「その様子だと、命からがら逃げて来たようだな。」
エダーマ首領は、相変わらずニヤけてる。
「ええ。でも、今の私なら露払いくらいは出来るはず。」
ジンガは右拳を握りしめる。
ジンガもあの時と比べて、格段に強くなっている。
あの時と同じ無様はさらさないはず。
「露払いって、おまえ。」
サムはジンガの言葉じりをとらえる。
「わ、私では怨霊竜は倒せないけれど、死霊竜ならなんとか出来る。だからサムは、怨霊竜に集中して。オリハルコンは、怨霊竜を倒さないと手に入らない。でしょ。」
とジンガはエダーマ首領を見つめる。
「ふ、分かってるではないか。ではサムよ。スターダストサンドとオリハルコンの入手。頼んだぞ。」
エダーマ首領はキリっとサムをにらむ。
「あ、ああ。分かったよ。」
サムは少し気圧される。
「では俺も、これで失礼する。」
エダーマ首領はそう言ってカスミの前に移動して、頭を下げる。
「この度はご協力、感謝いたします。」
「元はこちらの怠慢が招いた事じゃ。気にするな。」
カスミは扇で口もとを隠す。
「もったいなきお言葉。」
エダーマ首領は頭を上げると、出口へ向かう。
「おまえ達。サムが戻って来たら、連絡を頼むぞ。」
「はい。」
エダーマ首領の言葉に、ルル姉とナナさんは頭を下げる。
エダーマ首領は退出する。
「あのおっさん、言うだけ言って出て行ったな。」
サムは緊張感から解放される。
「あやつもこれから、獅子の穴を立て直さないといけないからの。」
とサムの独り言に、カスミが答える。
サムは思わずビクッとする。
「ふ、消せるものなら、とっくに消しておるわ。」
思わず身構えるサムに、カスミは扇で口もとを隠してニヤける。
「あんた、何者だ。俺と会った事があるのか。」
サムは慎重な素振りでカスミにたずねる。
まだこの世界に転生してから、一年にも満たないサム。
今までの記憶を辿っても、この女性の事は知らない。
記憶を操る魔法もあるこの世界、サムも自分の記憶が操作されてる事を疑う。
「ふふ、おまえが覚えてないなら、それでいい。レーラ。人払いの結界はもう解いてよいぞ。」
カスミはサムを無視してレーラに指示する。
「はい。」
レーラの足元から魔法陣が消え、人払いの結界が消える。
「お、おい。」
サムの呼びかけを無視して、カスミは歩きだす。
「私もこっちに来たからには、少しは楽しませてもらうとしよう。後の事は、任せたぞ。」
「分かりました。」
部屋を出ようとするカスミの捨て台詞に、レーラはため息をつきながら答えた。
「なあ、あいつは何者なんだ。」
カスミが部屋を出た後、サムは改めてレーラに問う。
「君が覚えてないなら、私からは何も言えないよ。」
とレーラは答える。
「という事は、俺も会った事があるんだよな。やっぱり記憶を操られてるって事か。」
とサムはつぶやく。
「そんな事はないんだけどね。」
とレーラもつぶやく。
「ん?」
顔をあげるサム。
「それより帰りはどうするんだい。私の転送魔法で一緒に帰るかい。」
とレーラは提案する。
レーラもサムもミーシャも、帰る所は同じリバルド学園だ。
「それなら、ミーシャと一緒に頼むよ。」
とサムは答える。
「あんたはどうするの。」
とミーシャがたずねる。
「俺はここに泊まるよ。」
「え、」
「学園に張られた結界。俺苦手だからな。それに、こいつをひとりには出来ないしな。」
サムはジンガの頭を撫でる。
「ちょ、あんた、この子に手を出すつもりなの。」
ミーシャはサムからジンガを庇う様に抱き寄せる。
「は?さすがに俺も、子供に欲情しないって。」
とサムも否定する。
「ははーん。つまり光源氏計画ってヤツだね。」
とレーラがニヤける。
ども(・ω・)ノ
やっと会議が終わりましたね。
いやーこれ、どう終わらせるのか、分からなかったです。かっこ笑い
なんかぐだぐだと続いちゃってね。
で、ミーシャからジンガにヒロイン交代しそうだったので、ジンガを連れてけない風にしてみました。
まあ私としても、ジンガの方が好みなんですがね。
そのジンガも、オリハルコンを取りに行くのですが、竜の霊廟のボスには勝てないと明言してますので、後からサムも行く事になりますよね。
(´・ω・)
オリハルコンを取りに行くから、やっぱ無理ってなってますが、この間数週間ほど書くのがあいてます。
うーん、モヘルダ樹海の奥ってだけで、サムも行けるのかな。




