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要介護勇者が往く! ~立てもしない2週目最弱勇者が魔王を討伐するそうです~  作者: 目傘アカナ
第1章 後編 ~要介護勇者、王領都市で暴れるの巻~
36/60

二人のモーニングルーティン

※注意

ほんの少しの下ネタあり!

本編とはほとんど関係がない、いわば幕間なので、不愉快に感じる方は読み飛ばしちゃってください!!

 朝5時。

 聖徒キーセラの朝は礼拝から始まる。

 これは状況が許す限り必ずやっている習慣で、つまり今世の肉体ではカサギと会うまでは毎日行われていた。


「………………」


 時間すればたった二分ほどの事だが、礼拝の間、キーセラの魂の時間認識は数倍から数十倍に引き延ばされる。

 俗に入神とも呼ばれる――トランス状態だ。


 かつては魄滝都市(はくろうとし)で龍魂(りゅうこん)の巫女の分家であったとある一族が、カラーロ教の教えと巫女――オブラートに包まず言えばシャーマン――の在り方とを組み合わせて提唱した精神状態……それを指す。

 5歳になると同時に父に課せられた特訓によって、キーセラはその技術を我が物としていた。


 最初こそ滝の飛沫(しぶき)と太鼓の音を用いての誘導が必要だったが、今ではたったの5秒で自己誘導が完了するまでになっている。


「………………」


 意識が睡眠と覚醒の狭間に深く落ち、魂がひとつの全体に溶け出していく。


 ただの錯覚ではない。

 恐らく今のキーセラをマナシィの魔道具に覗き込ませたのなら、きっと水面にはボヤーッと霧のように薄く広がった炎が映ることだろう。

 単なる事実として、キーセラの魂が皮膚と言う壁、肉体の制限から解き放たれているのだ。


 中には魂が自分のコントロールを外れたように感じて恐怖を覚える者が居るらしいが、それでいいのだ。

 大きな流れの中に自らを投じ、そしてそれによって世界を感じる……。


「………………」



 朝5時1分

 勇者カサギの朝は礼拝の妨害から始まる。

 これは周囲に聖徒が居る限り必ずやっている習慣で、つまり今世の肉体ではキーセラと会うまでは一度も行われていなかった。


「……………………」

「キーセラさんよォ。せっかくの良い天気だっつーのに、なにが楽しくって目を閉じていやがるんだァ?」


 時間すればたった一分ほどのことだが、おちょくっている間、カサギは一切顧みない普段と比べ「俺の方こそなんだってこんなこと……」と数十倍から数百倍もの回数、自問する。

 俗に入神とも呼ばれる――賢者モードだ。


 かつての時代より、雄が女性器やそれに見立てた物と自分のイチモツ――避妊具に包まれてたり包まれてなかったりする男性器――とを組み合わせて精を放ったあとの精神状態……それを指す。

 色んな意味で抜き差しならない貧弱な体のせいで、13歳頃から抑えが利かなくなった性欲が限界を突破することによって、カサギは快感を伴わずに性欲の向こう側であるこのモードだけを体感していた。


 最初こそ卑猥な水音や香水の匂いによって向こう側に連れて行かれては反省したものだが、今では逆に反省することでモードに誘われるまでになってしまっている。


「……………………」

「……………………」


 意識が屈辱と自戒の念で深く落ち込み、魂の力強さがみるみる削れていく。


 ただの錯覚ではない。

 恐らく今のカサギをマナシィの魔道具に覗き込ませたのなら、きっと水面にはチロチロと舐めるように灯った小さい種火だけが映ることだろう。

 単なる事実として、カサギの魂が強い支え、熱く滾る意思の燃料を切らしているのだ。


 中には魂が消えてしまうかのように感じて心配に思う者が居るらしいが、それでいいのだ。

 小さな魂の中に弱い自分を見つけ、そしてそれを知ることによって更なる強さを得る……。


「……………………」

「……………………」



 朝5時2分


 世界に自分を投じた少女。

 己の弱さを見つめた少年。

 その二人は、生まれ変わったかのような心地で、

 

 ――パチリ


 目を開いた。

二日続けて共感性に欠ける内容で申し訳ないとは思ってる。

後で読み返して物語のノイズになりそうなら消すかもです。


この小説のURLを書きつけた紙を新宿前で配って回りましょう。

効能:酔っ払いに絡まれる。

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