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隣の二階堂さん  作者: 阪上克利


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21/201

登山は楽しいのか否か

 隣の二階堂さんには変な癖がある。

 考え事をして煮詰まってくると部屋の壁を叩くのだ。

 最初はびっくりしたけど、変な癖だと知ってからは何も怖くはない。

 最近では彼女が何かに煮詰まってきている時にお茶に誘って話を聞くことをあたしも夕凪(ゆうな)も楽しみにしている。


 どんどんどんどん……


 でも残念なことにあたしたちは今日、実家に帰る予定なのでアパートにはいない。

 夕凪(ゆうな)もおじいちゃんやおばあちゃんに会えて楽しいし、あたしも普段の忙しさから少し解放される日なので助かっている。


 それはそうと……あの壁の音は今日もしているのだろうか……。



――――――――――



 足が痛い……。

 登山に行ったのは間違いだった。

 全身が筋肉痛な上になんか足がむくんでいる。


 てゆうか……山になんか登って何が楽しいんだろう。

 まあ……頂上で呑んだビールは美味しかったけど、それ以上に頂上に行くまでは苦しかったし、頂上から帰ってくるのもしんどかった。

 結局、下山した後も焼き鳥屋に入って呑んでいたので、結果的には楽しい一日ではあったものの……それだったら普通に呑みに行くだけでもいいような気がしないでもない。


 職場の先輩の松沢さんの趣味探しに付き合って登山をすることになったのだけど……

 結局、下山後の焼き鳥屋で松沢さんはこう言っていた。


『山……登る意味ないよね。結局疲れただけだし……焼き鳥もビールも美味いけど、登山しなくてもこれはこれで美味しいだろうし』


 疲れた身体に酒が染みわたり、少し呂律が回らなくなった様子の松沢さんはほんのり顔を赤くしてそう言った。


 いや……そりゃそうでしょう。

 なんでいちいちこんな苦行みたいなことしないといけないのだ。


 あたしは心の中で呟いたが、口には出さなかった。


 松沢さんには新人時代に随分とお世話になった。

 彼女はとても人当たりがよく、話していても面白い。

 だからいい飲み仲間なのだ。


 結局、松沢さんとしこたま呑んで、〆のラーメンまで行ってしまった。

 で……結局……チャーシュー丼もつけた。

 ダメじゃん。

 太るじゃん。

 デブまっしぐらじゃん。

 でもまあ……楽しいからいいのだ。


 てゆうか……

 走る決意はどこに行ったんだろ?


 ん?

 そうか。

 これで登山してなければもしかしたら大変なことになっていたのではないだろうか。

 であればあながち登山も意味がないことでもなかったのでは?


 う――ん……。


 今日はお隣が留守である。

 先日、春海ちゃんにあった時、土曜日は実家に帰ると話していた。


 よし!

 ここは一つ、しっかり考えよう。

 

 このままでは確実にまずいことになる。

 登山がいいのか……それとも走っておくか……。


 そうだ。

 土曜日だし呑みながら考えるか。

 冷蔵庫にはビールもあるし、確か先日買っておいた泡盛もあるはずだ。

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