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2.精霊達との出会い⑩

ケイスケを追って森を出ると、

巨大な土の城からモクモクと黒煙が上がり、

多くの怪我をしたモノによる喚き声が響き渡っていた。

追いついた時には、ケイスケの周りには大勢のドワーフ族が集まり

口々に何かを訴えかけていた。

この収集がつかない状況でケイスケは、

「とりあえず、落ち着け!

 まずは何が起きたのか、現状を正確に報告しろ!」

と、一喝し周囲を黙らせた。

そして、皆がキョロキョロと周囲の様子を気にしながら譲り合っていたが、

初老の男が口を開いた。

「ゲルブ王の姿が突然見えなくなりましたので、

 城の者が総出で場内を探し回っていた所、

 突然、王座にペガサスに乗った黒づくめの男が現れ、

『この国の王は始末した。

 この国を守りたければ、この城に収められている光の靴を出せ!

 逆らう場合は、容赦はしない』

そう、言うと剣を振りかざし家臣の一人に突き付けました。

しかし、この城にそんな靴があるなんて初めて聞きましたので、

黙っていると男は、

『もういい!しらを切るというのならば好きにしろ』

そう言って、ペガサスを操って窓から外に飛び立っていきました。

その後、城全体が大きく揺れたかと思うと

あちこちから爆発音と共に黒煙が舞い上がり、

城内に居た者は脱出するだけで精いっぱいで

未だに状況を把握しきれておりません。

それに、王の所在も未だわかっておりません」

それを聞いたダイは苦い表情をしながら、

『あいつか……、一足遅かった』

と、あの時に逃してしまった事を後悔していた。

そんな事を知る由もない、ケイスケが大声を張り上げる。

「王の事は大丈夫だ。

 こちらにおられるダイ殿とジュリア殿の二人に助けられ、無事である。

 だから、安心して貰いたい」

そう言うと、ダイとジュリアを指差し注目させた。

突然の紹介に唖然とした一方、

あの助けた小男がこの国の王であることに驚き、

何も言うことができなかった。

そんな二人を他所にケイスケは続けた。

「とにかく、城の復旧に取りかかろう!」

その掛け声とともに、大勢のドワーフ族が活気づいて、

一斉に城の壊れた個所へ散らばって行った。

と、同時にダイの隣にいたはずのジュリアが

怪我をしたモノの治療に取りかかっていた。

それを見たダイも自分のやるべき事を考えてみたものの、

何もできる事がなく申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

そこで、忙しそうに指示を出しているケイスケのもとにそっと近付き、

「ケイスケさん、ちょっと水の国ブリュレ国の事が気になるので

 忙しいところ申し訳ないが早速、この国を発とうと思う。

 俺がこの国に居てもあまり役に立てそうにないし……。

 後、ジュリアさんの事はお願いします。

 彼女は、この国が落ち着くまでは怪我人等の治療を行うつもりでしょうから」

そう言って、その場を立ち去ろうとした。

しかし、ケイスケはダイの腕をがっちりと掴んで言った。

「ちょっと待て!

 このまま立ち去るつもりか?

 俺はあんたにお礼がしたいと誘ったのだけど?」

それを聞いたダイはケイスケを振り返る事もなく冷めた口調で、

「別に俺は礼をされるような事はしていないし、

 この混乱した状況で何もできないまま

 この場所に留まる必要はないと思うが……。

 貴方も俺に礼をする前にやらなければならないことがあるはずだ」

そう言って、ケイスケの腕を振り払った。

すると、ケイスケはそれ以上深く追求することもなく、

「わかった。ジュリアさんの事は俺に任せてくれ!

 次に会った時は必ず礼をさせて貰うからな。気をつけて行けよ」

と、言うとダイに手を差し出した。

ダイはその手をがっちり握って何も言わず力強く頷いた。

今回で2章はおわりです。

次回からは光の精霊と主人公が単独で対峙して貰います。

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