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2.精霊達との出会い⑨

いつものことながら、この白い空間は全面が白一色なため遠近感を狂わせ、

目が慣れるまでに時間がかかっていた。

ダイの目が慣れた時には、ケイスケのそばには一匹の大蛇が、

ダイのそばにはウンディーが、ジュリアにはシルフィーが

すでに佇み様子を窺っていた。

すると、その大蛇がダイとジュリアに向かって話しかけてきた。

「ワシは大地の精霊『ノルム』じゃ。今回の件は失礼した。

 お主らは何の目的でこの大地の国へやってきたのじゃ?」

「私の名前はダイといいます。

 貴方達精霊がこの世界をどうしたいのかを教えてもらいたく、

 他の精霊達を訪ねて回っています。

 そして、可能ならばこの世界を今のまま平和に保つ方向に持っていきたい

 と思っています。

 こちらはジュリアさんと言って、

 この世界の人を癒すために旅をしています。

 たまたま、ご縁があって一緒に行動をしていますが……」

代表してダイがそう答えると、ウンディーが、

「率直に言うと、ノルムはどういうつもりでこの子を呼び寄せたのかを

 教えて貰えない?」

「つまりワシがこの世界を支配するために、

 ケイスケを呼び寄せたという事の確認か?

 もちろんそのつもりだ。と、言えば満足かな?」

ノルムは皮肉たっぷりでそう言った。

二人のやり取りを見たダイは慌てて、

「いや、ウンディーもそういうつもりで

 言った訳じゃないと思いますが……」

「はっはっは。小僧、そう慌てずともよい。

 冗談であることはウンディーもよくわかっておる。

 ワシは光の精霊『ミスラ』の手から大地の国を守るために

 ケイスケを呼び寄せたのだ」

今まで温かくやり取りを見守っていたシルフィーが優しく言った。

「まぁ、ウンディーとノルムはどちらもひねくれているから

 いつもこんな感じのやり取りだから気にしないで。

 簡単に言うと我ら3精霊はこの世界を支配するつもりはなく、

 守りたいと思っているから安心してください」

それを聞いたジュリアがのんびりとした口調で、

「じゃあ、私たち3人はこの世界を守るために協力すればいいの?

 これから、どうすればいいのかが全く分からないんだけど……」

「それは我らが決めることではなく、

 貴方達がそれぞれ自分の意思で決めるべきことなの。

 貴方達の信念に従うことが、宿命だと思うわ」

シルフィーがそう諭すと他の2精霊も頷き、

すっと姿を消して白い空間から解放された。


「相変わらず、言いたい事だけ言ってさらっと終わるんだよなぁ」

ダイがぼそっと呟き、これからどうするかを考えていると、

ケイスケが話しかけてきた。

「俺の名はケイスケ、さっきは申し訳ない。

 つい頭に血が上ってしまった。

 それにしてもあんた、強いな。

 まさか土の壁が破られるとは思わなかったよ」

そう言うと、傷だらけの手を差し伸べて握手を求めてきた。

それを見たジュリアは、

「あら、手が傷だらけじゃない?」

そういうと、傷を治し始めた。

ケイスケは構わず話続けていた。

「ところで、あんたたちはこれからどうするつもりだ?

 急ぎの旅じゃないのなら、お礼も兼ねて何か御馳走させてもらえないか?

 この森を越えた辺りに土の城があり、

 そこに住むドワーフ族に今、世話になっている」

治療をしている間にケイスケと今後の話をしている時、

突然地背後からドドドドドーンと何かが崩壊する音と共に

大地が崩れ落ちるように揺れを感じた。

ぱっと三人が音のした方向を振り返ると、

木々の隙間から黒煙が上がっているのが見えた。

それを見たケイスケは慌てて、

気を失っている小柄な男を揺らしながら声をかけて起こそうとしていた。

しかし、全く気がつく様子がなく、

痺れを切らしたケイスケは男を肩に乗せて

黒煙の上がっている方向へと駆けて行った。

状況が呑み込めていないダイとジュリアも只事ではないと感じ、

慌ててケイスケの後を追った。

次で2章が終りです。

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