2.精霊達との出会い⑦
あと、もう一人精霊を出せば2章はおわり~
「……ご苦労様でした。
不審なモノが水源にいた事は間違いないと言う事ですね。
まずはあの水源に結界を張り、見張りをつけましょう。
その不審者を捕らえられなかった事に対して、一抹の不安もありますが
警備を強固にすれば問題ないはずです。
それから、ダイ殿に用意して頂いた飲料水を飲んでから
体調が戻っているような気がします。
本当に何から何までダイ殿にはお世話になりっぱなしで、
感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます」
ヴォルディは深々と頭を下げた。
そして、頭を上げてダイへと問いかけた。
「ところで、ダイ殿はこれからどうなさるおつもりですか?
我々、グリン国としては少しでも長く滞在して頂ける事を望んでいます」
「ありがとうございます。
しかし、この国で私のできる事はもうないと思いますので、
次は大地の国へ行こうと考えています」
それを聞いたヴォルディは残念な様子で、
「わかりました。それでは、心ばかりのお礼をさせて下さい」
と、言ってお付きのモノから一枚のマントを受け取った。
そして、そのマントをダイへと差し出し、
「これは風のマントと言って、風を捕まえやすくする効果があります。
高い場所から一気に遠くまで飛行することができますので、
大地の国ジョヌ国へ行く手助けとなるでしょう。
どうかお受け取りください」
そう言って、ダイへ手渡した。
受け取ったダイは、
「ありがたく使わせていただきます。
それから、飲料水の件は原因がわかったと言っても
飲める状態ではないと思いますので、
できる限りたくさんの水を残しておきますのでご安心ください」
頭を下げて言った。
それを聞いたヴォルディは安心した顔をして、
今度はジュリアへ向かって問いかけた。
「ジュリアはこれからどうしますか?
貴女がここに滞在する大きな理由となっていた流行り病の脅威は
なくなりましたが、私としてはずっと友人として
この国に居てほしいと思っていますが……」
「私ですか……。
この流行り病が解決しそうなので、
この国で私の力を必要としている人は少なくなっています。
私がこの世界に導かれた理由は
この世界のあらゆるモノを癒す事だと思うので、
これからはもう少し外の世界を見たいと思っています」
ジュリアはヴォルディの問いかけに対し、率直に答えた。
その答えを聞いたヴォルディは落胆の様子も見せず、
「やはり、そうですか……。
もし、ダイ殿が迷惑でなければジュリアを一緒に連れて行ってもらえませんか?
ダイ殿と一緒ならば私も安心してジュリアを送り出せます」
と言って、ダイとジュリアの二人の顔を交互に見た。
「ジュリアさんがそれでいいならば、私は構いません」
ジュリアの方を見ながら、そう言った。
しばらく沈黙が続いた後、ジュリアが口を開いた。
「……正直な話、私一人では戦う力もありませんし不安がつきません。
足を引っ張るかもしれませんが、
ダイさんの言葉に甘えて一緒に行動したいと思います。
その中でこの世界で私ができることを考えたいと思います。
ヴォルディ女王、今までお世話になりありがとうございました。
私の我儘を許して頂きありがとうございます。
ダイさん、これからご迷惑をかけますがよろしくお願いします」
「ジュリアさん、大丈夫ですか?
もう少しで目的地に到着すると思いますので、頑張ってください」
「大丈夫です。何とかついて行きますので、気にせず進んでください」
ダイはジュリアの様子を窺いながら、
風のマントの力を使い大地の国ジョヌ国を目指していた。
本来、風の力を持つジュリアの方がダイより早くに使いこなせていたのだが、
地図を持つダイが先頭に立ってナビをしていた。
しばらく、地図を見ながら風に乗っていると
大地の国らしき集落が見えてきた。
いきなり、集落へ降り立つには一抹の不安を覚えたので、
「ジュリアさん、そろそろ目的地へ到着します。
一旦、あの森辺りへ降りましょう。
そこから、歩いて大地の国の集落へ向かいましょう」
ダイはそう言って、徐々に降下し始めた。
それにジュリアも続き、目標であった森の中に降り立った。
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