2.精霊達との出会い④
遅くなりましたが、更新します。
メインヒロイン(予定)の登場です。
この国の入り口であろう大きな穴に着くと、
二人の羽持った門番に制された。
「ここはグリン国の正門である。よそ者を通すわけにはいかぬ!
即刻立ち去られよ」
門番はそう言うと、ダイの前に立ちはだかった。
「私はブリュレ国から来ました、ダイと言います。
ここにブリュレ国王ブローウ王の許可証があります」
ダイは許可証を門番に見せながら、自分の名前を名乗った。
それをみた門番の一人が、驚いた表情でダイと許可証を交互に見ていた。
すると急に最敬礼をして、
「まさしくこれはブリュレ国王の許可証! 失礼しました」
と、言って門から飛び立った。
ダイは状況がよくわからないまま唖然として、その場に立ち尽くしていた。
多分、許可証があるから大丈夫だろうと考えながら、
しばらくその場で待っていると、
「お待たせいたしました。
我が国の女王陛下がお会いになりたいそうなので、
こちらにいらして下さい。」
門の外から声が聞こえてきた。
恐る恐る声のする方へ近づくと、先ほどの門番が手を伸ばして待っていた。
ダイが戸惑っていると、
「実はこの門は見せかけで奥に進んでも行き止まりです……。
この国の民は全員羽をもっていますので、
ここの住居には道などはございません。
申し訳ありませんが私に掴まってください。
女王の間へお連れいたしますので。」
門番がそう伝えるとダイの手を取った。
その瞬間、一気に体が宙に浮きあがった。
その重力を無視した不思議な感覚を楽しんでいると、
ふっと両足が地面にふれるのを感じた。
ダイの目の前には、質素だが威厳のある空間が広がっていた。
その空間の中央はカーテンのようなもので仕切られており、
その先に一段と大きな羽を持つ女性が立っていた。
ダイが彼女から感じられる圧倒的な威圧感にたじろいでいると、
その女性はダイに近付いてきた。
「私はこの国の王、ヴォルディ。
ブリュレ国のモノがこの国に何の目的でやってきたのですか?
確かにブリュレ国王ブローウとは懇意にしていますが……」
ヴォルディは威厳のある見た目からは考えられないほどの
優しい声でダイに向かって問いかけてきた。
「この国に来た目的ですか?
それは、精霊に導かれしモノ達を探すことです。
精霊に導かれた私のようなこの世界では異形なモノを
ご存じではありませんか?」
ダイはある確信を持って問い返した。
すると、一瞬空気が変わったがヴォルディは、何も変わらない様子で、
ダイの質問に対して答えた。
「さぁ……。私には何の事だか分りません。
少なくとも私はこの国でそのようなモノは見たことがありません」
ヴォルディの答えに対して、間髪を置かずにダイは続けた。
「いや、そんなはずはありません。
私はこの世界では異形のモノで、どこの町でも不審な顔をされてきました。
しかし、この国では門番の二人にしても、貴方にしても
私の事を当たり前のように受け入れています。
それは、以前に同様の体験をしているからではないでしょうか?」
ダイの追及に対してヴォルディは、ふぅっと大きく息を吐き、
気持ちを落ち着けるような行動をとった後、
「もし、貴方が言うようにこの国にそのようなモノがいたとしたら、
どうなさるおつもりですか?」
ダイの質問に答えることなく、ヴォルディはそう尋ね返した。
ダイは全く動じることなく、答えた。
「まずはお互いの考えを確認することが一番の目的です。
私は、この世界を今のまま変えたくありません。
我々を呼び出した精霊たちの中には、
この世界の王を創り上げ実権を握ろうと考えているモノもいます。
おそらく、この世界に導かれた人間たちは自分も含め
強大な力を持っています。
この世界を守るためには誰かが止めなければ……」
ダイはそこまで言った所で、
背後に何者かがこの部屋に入ってくる気配を感じ、後ろを振り返った。
そこには一人の柔らかい雰囲気を纏った女性が立っていた。
彼女は、ふわっとした髪の毛を靡かせ、
大きな目をウルウルさせながらダイの方をじっと見ていた。
ダイは彼女を見た瞬間、彼女の持つ魅力に吸い込まれ、
時が止まったように見とれてしまっていた。
そんなダイに対して、彼女はにこっと微笑みかけてきた。
そんな中、背後から突然、
「ジュリア、貴方は下がっているようにと言っていたはずですが……。
貴方になにかあったら、この国はどうなることか……」
ヴォルディは静かではあるが厳しい口調で叱責した。
その鋭い口調にダイはビクッとして、現実に引き戻された。
それに対して、ジュリアは臆することなく、
「申し訳ありません。彼……ダイさんは、決して悪い人ではありません。
それに、彼が本気で魔力を使ったらこの国は大きな被害を受けるでしょう。
私は大丈夫ですので、彼と二人でお話をさせて頂きます。
では、ダイさんいきましょう」
と、強い口調で言うとヴォルディに深々と一礼した。
さらに固まっているダイに対しては、
何も言うことなく指で行き先を示し奥へと向かって行った。
ダイはハッと我に返り、ヴォルディに一礼して、
慌ててジュリアの後を追った。
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