2.精霊達との出会い③
予約掲載してみましたが、上手くいったでしょうか??
町へ戻るとダイは大勢に囲まれ、口々に問いかけられていた。
「あの女剣士はどうなりました?」
「もう、この町は安全ですか?」
などなど好き勝手な言葉を遮るように、
「おそらく、もうあの女剣士はせめては来ないでしょう!」
と、大声を張り上げると歓声が沸いたが、
「それで、あの女剣士を始末したのでしょうか?」
などという声が聞こえたので、
「いいえ、殺してはいません」
と言うと、一気に非難の声が上がった。
「それじゃあ、安心して生活ができないじゃないか!」
「また、いつ攻め込んでくるかわからないのだろう!」
などの不安を訴える声だけでなく、
「やはり、あの女剣士の仲間に違いない!
次は二人で攻めてくるぞ!」
と、ダイを悪者扱いする声までもが聞こえてきた。
遂には、
「殺せ! 殺せ!」
という怒声が響きはじめていた。
この状況にダイは、まずい雰囲気だな……。
ここの住民と戦うつもりはないし……。
俺はこんな所で死ぬつもりはないし……。
などと考えていると、リーダー格の男が、
「町のモノ達が不安を感じるのもわかってください。
貴方がずっとこの町で戦ってくれるならまだしも、
貴方にも旅の目的があるのでしょうからそういう訳にはいかないでしょう……。
発つのであれば、早い方がこの騒ぎも収まると思います。
今回の件は本当に感謝していますが、
残された後の事を考えるとそれが最善かと思います」
そう言うと、ダイを宿に連れ戻した。
宿の部屋でダイはリーダー格の男に、
「ありがとうございます。正直、こんなことになるなんて……。
貴方が言う通り、すぐに出発します」
と、言うとちらっと窓の外に目をやった。
いまだに外では『殺せ』コールが続いていた。
複雑な表情をしているダイに男は、
「私個人としては貴方の事を信じたいのですが……。
今回は協力頂き、この町を守ってくださったのに申し訳ありません」
そう言って、深々と頭を下げた。
「いやいや、そう思ってくれる人がいるだけでも救われます。
では、準備が整ったら出発します。色々、お世話になりました」
ダイは、男に手を差し出し握手を求めた。
すると男は無言でその手をきつく握り締めた後、一礼して部屋を出て行った。
ヴィレットビュレの町を出発して、
ダイは全く町や村などに立ち寄ることなく目的である
風の国グリン国を目指していた。
ヴィレットビュレでの出来事によりダイはこの世界に住むモノと一線を置き、
必要最低限の接触で事を済まそうと考えていた。
グリン国に関しては水の国ブリュレ国と親交があることから、
ブローウ王やブルーノに場所等を教えてもらっていた。
そのこともあり、ダイは道に迷うことなく余裕で進んでいたが、
しばらく進んだところで、
「あれ! どこだ……。この辺りのはずだけど……」
そう呟きながら、立ち止った。
目の前が深い谷になっており、これ以上進む道がないのだ。
辺りをキョロキョロと見回していると、上空から声が聞こえてきた。
「風の谷に何の用だ。用なきモノは立ち去られよ!」
声がする方向を見ると、
何かトリのようなモノが谷の向こう側の壁に吸い込まれていった。
それを見たダイは、
「そういうことか……」
そうつぶやくと、目をつぶり谷の方へ手をかざした。
すると、氷の橋が谷の向こうの切り立った崖へ向かって伸びていった。
目を開き、ふっと一息つき、
「取りあえず、これで少しは近づけるだろう……。
横から攻撃されると、かなり厳しいんだけど……」
そう呟くと一気に氷の橋を駆け抜けた。
谷の中央付近を過ぎたところで、
対岸の壁をよく見ると一面に窓らしき穴があいており、
そこで誰かが生活している雰囲気が感じられた。
この谷の対岸の壁一面が風の国グリン国なのであろう。
その中でも、ひときわ大きな穴に向かってダイは進んでいった。
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