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皇女の帰還 ―約束の耳飾り―  作者: 鶴見 日向子


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決意

初日の対面の後、カイレスとクラリスの二人は毎日のように会い、話をしていた。


「シャローヌが言うには、あの者の魔力はクラリスを超えている。そなたと同じくらいの量があるそうだ。こちらは『あの』王太子だと思っていたから、話半分に聞き流していたのだが……。あの二人には本当に血のつながりはないのだな?」


皇太子レオンハルトが低く言う。


「はい、まったくございません。カイレスは姉と義兄上の間の息子として育てられましたが、実際は前国王の晩年の落とし種です……」


フェルネスの顔がわずかに歪む。


「ということは、血筋としては今の国王の腹違いの弟ということか?」

「私よりも年下の叔父・・・・・」

レオンハルトは深く考えない事にした。


「そういうことになります」


「なぜ、あの者が王太子になったのか不思議だったのだが……そういうことか」


「表向きは、公爵家の孫を養子に取ったことになっております。他言はなさいませぬよう」


「わかった」


レオンハルトは小さくうなずく。


「そなたは二人の縁を取り持ちたいのか?」


「姉が亡くなる前に『あの二人が結ばれたらいい』と言っておりましたので……そうなればよいなと。兄妹では無理ですから、あくまで戯言だったとは思いますが……今なら可能ですね」


「何やら、仲がよさそうだな」


「そうですね……我が甥はとても性格がよい。体格もよく、さまざまな能力にも長けています。私が幼い頃に鍛えましたから」


フェルネスは少し誇らしげに笑った。


「皇太子殿下、そろそろお時間でございます」


かなり後ろに控えていた兵士が声をかける。


「わかった」


レオンハルトは大きな声で呼びかけた。


「クラリス、もうよいであろう。両親が首を長くして待っている。そろそろ行くぞ」


「わかりました、お兄様」


クラリスも大きな声で返事をする。


別れ際、ためらうようにカイレスがクラリスを軽く抱きしめるのが見えた。


レオンハルトの拳がぎゅっと握られる。


「元々仲のよい兄妹でしたから。まあ、大目に見てください」


フェルネスはそう言って、レオンハルトをなだめた。


クラリスとカイレスはしばらく見つめ合い、

そしてクラリスが一礼してこちらへ戻ってきた。


「ついお話が弾んでしまって……お待たせいたしました。帰りましょう、お兄様」


「ああ」


二人は腕を上げ、互いの飛行魔獣を呼び寄せる。


そして軽やかに飛び乗った。


「それでは。フェルネス叔父様、ごきげんよう」


二人はそのまま空へと発っていった。


そこへエリアスが現れる。


「いい方向に話が進むといいわね」


「そうですね……」


フェルネスが微笑む。


そこへカイレスが戻ってきた。


頬を少し赤くしている。


「叔父上、お話ししたいことがございます。国王陛下のところへ一緒に来ていただけませんか?」


「行ってらっしゃい。いい報告を待っているわ」


エリアスが楽しそうに笑う。


「承知いたしました」


カイレスとフェルネスは飛竜を呼び、城へ向かって飛び立った。


「ふふふ……大団円ね」


エリアスは空を見上げ、小さくつぶやく。


「ロザーリア、あなたの願いが叶うわ」

この時のカイレスとクラリスの会話の詳細は番外編にて投稿予定です(6月4日0時公開予定)


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