成人の舞踏会 ― 皇女と王子の試練 ―
作者の特権!
フェルネスの出番続くよ~~♪どうやったら話がつながるか頭ひねりまくりました
その結果のいきなりの2年後!飛ばし過ぎてすみません
フェルネスが帝国を去ってから、二年が過ぎていた。
グランディル帝国とエルドリア王国は正式に国交を開始し、両国は急速に発展していった。
さらにアストリア王国も同盟に加わり、大陸の勢力図は大きく変わりつつあった。
グランディル帝国とエルドリア王国の間には、皇帝、フェルネス、そしてシャローヌが知恵を絞って作り上げた「固定移動用魔法陣」が設置された。
それを利用し、エルドリアの王太子はフェルネスと共に頻繁にグランディル帝国を訪れるようになり、以前とほとんど変わらない頻度で顔を合わせていた。
レオンハルトと王太子は馬が合い、よく語り合っていた。
一方フェルネスは相変わらず真面目一方で、政策などの話し合いの場に顔を出していた。
「なぜ、王太子は国王に即位しないのだ?」
ある日、皇帝が王太子に尋ねた。
「即位したら、こうして自由に出歩けなくなるじゃありませんか!
それに即位式だの、何かと面倒ですし、金もかかります。父はまだ生きていますから、亡くなったら仕方ありませんが」
そう言ってから、王太子は笑った。
「それよりも、こうしてレオンハルト殿というすばらしい友と語り合えるのは楽しいですし」
そして、声を落として付け加えた。
「かわいい姪の姿を、少しでも見られるのがうれしいのです」
王太子は初めて皇帝と対面したとき、黒髪と深い緑の瞳を見て大いに驚いた。
さらにレオンハルトが亡きクラウスにそっくりであることにも、驚きを隠せなかった。
いくつもの事実を知った王太子は、心の中で思った。
――自分のしたことは、やはり正しかったのだ。
王太子が国外に出ている間は、かつてフェルネスを迎えに来たあの使者が国内の案件を取りまとめているらしい。
「元々、父が元気だった頃からそうなのです。父はあの者にいろいろ押し付けておりまして。今は無茶な命令をされなくなり、楽になったと言っております」
王太子は笑った。
「ここほどの大国ではありませんから。彼がいればどうにかなります」
「まあよいが」
皇帝はやや呆れつつも、軽く流した。
「城の大広間の修繕がだいぶ進みました。長らく後回しになっていましたからな。エルドリアの職人達は実に優秀です。国交が始まって本当によかった」
エルモンドが会議の席で報告した。
「こちらこそ。我が国は資源に乏しい国です。その分、技術力には自信があります。
両国の強みが合わされば、これほど強い組み合わせはありません」
フェルネスが答える。
「それでだ」
皇帝が口を開いた。
「クラリスの成人披露の舞踏会を、大陸各国の来賓を招いて開きたい」
「正式な顔合わせも兼ねる。帝国が内戦から立ち直り、復興していることを示すためにも、盛大に行いたいのだ」
「それはよいことです」
皆が賛同した。
「それでだ。フェルネス」
皇帝がふと視線を向ける。
「そなた、ダンスはできるな?」
「ダンス? ……それは何ですか?」
会議室が静まり返った。
「……復興でそれどころではなかったからな」
皇帝は頭を抱えた。
「王子必須の技能だ。舞踏会までに覚えておけ。そなたならすぐできる」
「はあ……よく分かりませんが……帰って兄と相談してみます……」
その頃、クラリスも――
「クラリス様、行進ではありません。もっと優雅に足を動かしてください」
「この靴、足が痛いです……。ドレスも邪魔です」
「弱音を吐くとはクラリス様らしくありませんね。舞踏会に間に合うように――はい、もう一度最初から」
皇后、ジャクリーヌ、そして「ダンス講師」と呼ばれる女性が現れ、突然「ダンスを覚えなさい」と言われたのである。
「二人にダンスを教えていなかったのか? エリアス殿は」
皇帝は再び頭を抱えた。
「私も……できて当たり前と思い込んでおりました。まさか全く知らないとは思いませんでした」
皇后も困ったように言う。
「まあまあ、お二人ともすぐ覚えますとも」
マーサがなだめる。
「クラリス様、手と足が一緒に動いております!
もっと指先まで神経を行き届かせて! リズムを刻んでください!」
講師の声は、もはや悲鳴に近かった。
「本当に大丈夫なのか……?」
「だ、大丈夫ですとも……」
マーサは不安そうに、ぎこちなく踊るクラリスを遠い目で見つめるのだった。
フェルネス、堅物なのか、何なのか??w
続きをお楽しみください
王太子の ”――自分のしたことは、やはり正しかったのだ。”
これの詳細は本編終了後に投稿予定の番外編に書きました。




