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義姉の誤解 後編

つづきです

「よく見ろ! これのどこが女なのだ? れっきとした男だぞ」


「胸がほとんどないですけど、女性のようなお顔ですわ……背はお高いですが、細身ですし」


「胎児の性別がわかって、なぜ大人の性別を間違えるのだ?」


「あ、失礼いたしました。目がよくなったので、つい見た目で判断してしまいました」


フェルネスは唖然としながら、ふと遠い目をした。


(姉上ご存命の時は、確かによく間違えられた。姉上は胸が平らだったからな……)


「あの……いったい何がなんだか……」


クラリスがおずおずと尋ねる。


「このメガネをかけていらっしゃるのは、先ほど到着したシャローヌ様ですよね。お兄様の婚約者の……」


皇后が優しく説明した。


「あのね。フェルネスとクラリスが似ているのは、叔父と姪だからなの。クラリスは皇帝陛下の亡くなった実弟の娘。そしてフェルネスのお姉さまの娘なのよ」


「はい?」


「だから皇帝陛下の姪なの。私とは血の繋がりはなくても、実の娘として育てているの。お願いだから、これはここにいる人以外には黙っていてちょうだい」


さらに皇后は続ける。


「クラリス様は早くに実の両親を亡くしてしまいました……。私がお育てしようとしたのですが力がなくて、それを両陛下に助けていただいたのです」


フェルネスが静かに説明した。


「皇帝陛下にとっては実弟の大事な忘れ形見。我が子としてお育てしているのです。私も同じです。それをあなたがどうこう言う資格はありません」


皇后がきっぱりと言う。


「まだ、なんだかよくわからないところもあるのですが……何となくわかりました」


シャローヌはゆっくりとうなずいた。


「とにかくクラリスちゃんは、表向きだけ両陛下の実の娘で皇女ということになっているのですか?」


「そういうことだ……それだけ理解してくれればよい」


顔色がかなり戻ったレオンハルトが言った。


「そして、フェルネス様は叔父ということを隠して城にいて、臣下として皇女さまにお仕えしているということですか?」


「そうだ」


「それ、ひどくありません? なんで女親の方の叔父が叔父と名乗れないのですか? 変です」


「そうせざるを得ない事情があったのです。私は納得して今こうしているのです」


フェルネスは深く頭を下げた。


「お願いです。何も言わず静かに見守ってください」


「わかりました……。お騒がせして申し訳ありませんでした」


シャローヌは素直に詫びた。


「いいのよ。わかってもらえてよかったわ」


皇后が優しく言う。


「クラリスちゃん」


急に呼ばれてクラリスは驚いた。


「誤解してごめんなさい。これからは私を『お姉さま』って呼んでちょうだい。いいわね。今から私はあなたの姉になります。仲良くしましょう」


何が起こったのかよくわからないまま、クラリスはお辞儀した。


「よろしくお願いします。お姉さま」


「めちゃくちゃかわいい……こんな妹ができて私もうれしい」


シャローヌはクラリスを抱きしめて頬ずりをした


「め、メガネが当たって痛いです……お、お姉さま」


その情景に皆がほっとした。


しかし次の瞬間、皇后の一言で場の雰囲気が一変する。


「マーサ……何だか本当に生まれてきそう……」


皇后が急にお腹を押さえた。


マーサ以外、全員部屋を追い出される。


侍医たちが駆けつけ、そして――


数時間後。


元気な男の子が誕生したのだった。


国中が新しい皇子の誕生の喜びに包まれた。

今回は無事に誕生。本当によかったです


シャローヌ、これから大活躍です

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