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皇太子の婚約

いきなりです

「年齢はそなたより三歳上。身長が高く、魔力が強すぎて相手が見つからないだろうから、一生独身を通そうと思っていたそうだ。それと目が悪く、普段の生活に支障がある」


最初の話から数か月後。

皇太子を前に立たせ、皇帝は書類を見ながら話していた。


「王族ではないが、魔力があれば身分など構わぬ。決まりだ」


「はい、かしこまりました」


「エルドリアの亡き王妃の実家の一族を探し出すのに、かなり手間取ったそうだ。その一族の娘だ。フェルネスの遠縁に当たるようだが、フェルネスの存在は全く知られていなかった。


フェルネスの母親は、無理やり国王に見初められ連れ去られたようだ……。なのでエルドリアに対しての相手の感情はすこぶる悪い。


その一族は定住地を持たない移動民族なのだそうだ。あちこちの国を転々としている。


アストリア国王の仲介で、やっと話が進んだ」


皇帝はやれやれという表情で書類を置き、皇太子を見た。


「父上と母上のような夫婦になれるよう、努力いたしたいと思います」


皇太子は神妙な顔で答えた。


「殿下、おめでとうございます」


エルモンドの顔がほころぶ。


「少々疲れておりますので、部屋に戻りたいと思います」


「ああ、帰還早々すまなかったな」


皇太子は自室へ戻ると椅子に腰掛け、茫然と天井を見上げた。


「殿下、お召し替えを。だいぶお疲れのようですが、先にお茶を召し上がりますか?」


部屋付きの若い侍従が声をかける。


「ああ、頼む」


侍従は茶を入れながら笑顔を浮かべた。


「殿下、ご婚約おめでとうございます。もう城中その話題でもちきりでございます」


カップに注いだお茶を、そっと皇太子の前に置く。


「ああ、ありがとう。もうよい。後は自分でするから下がってくれ」


「かしこまりました」


侍従が部屋を出ると、皇太子はそのままベッドに仰向けになり、大の字になった。


「不意打ちはきついぞ……」


遠方での魔獣討伐から帰還したばかりだった。


城に入ると、迎えの者たちから


「ご婚約おめでとうございます」


という言葉を、あちこちでかけられた。


「誰のだ? まさかクラリス……な訳ないな。あの子はまだ七歳だ」


そう首を傾げていたところ、


「皇帝陛下がお呼びでございます」


という侍従からの知らせを受け、皇帝の執務室へ向かった。


そこには閣僚たちが並び、皆が立ち上がって斉唱した。


「ご婚約おめでとうございます」


そして父の口から


「そなたの婚約が調った」


と言われたのだ。


自分と釣り合う女性などおるまいと、たかをくくっていたのだが……。


両親も、もし適当な娘が見つからなければ、クラリスと自分をくっつけようとも考えていたらしい。


「皇女としての実績を積んだら、真実を公表するかもしれぬ」


以前、父が漏らした言葉に、そういう含みがあることはわかっていた。


自分に幼女趣味はない。


クラリスは今七歳。もうすぐ八歳。


あと十年くらいの猶予があると思い込んでいた。


それがいきなり、見も知らず、顔も見たことのない女性との婚約……。


ほっとしたような、残念なような気持ちが、レオンハルトの胸の中に渦巻いていた。


「そういえば……姿絵もなしか……」


「背が高い……か……」


母上のような女性ならうれしいのだが。


自分より背が高いということは、さすがにあるまい。


どれほどの大女なのだ……?


「はあ……」


数日眠れていなかったこともあり、レオンハルトはそのままうとうとと眠ってしまった。


「クラリス、でかした! そなたのおかげでレオンハルトにぴったりな娘が見つかったぞ」


皇帝は満面の笑みを浮かべていた。


「お兄さま、ご結婚されるのですね」


クラリスにはまだ実感が湧かない。


「お姉さまができるのですよ、クラリス」


皇后は優しく微笑んだ。


しかし、どこか顔色が優れない。

クラリスは少し心配になった。


「婚約式は内輪で早々に行う。それからそのままこちらで過ごしてもらう予定だ。仲良くしてやってくれ」


「かしこまりました」


そう言って、クラリスはマリアを伴い部屋を出た。

「皇太子とクラリスが結ばれるの?」とチャットGTPに聞かれたのですが

そっちは全然考えてなかったので「ああ、そういう路線もあったのね」とびっくりでした

もし、そちらを期待されていた方がいたらすみません

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