表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/33

未《選択》

残り2話です!よろしくお願いします。

三十秒。

 世界の終わりにしては、あまりにも短い。


 俺は画面を見つめる。

【観測を継続する】

【観測を終了する】


 指が震える。


 選べない。選べるわけがない。


 継続すれば、はるなが消える。


 終了すれば。今まで積み重ねてきた全部が失われる。


 観測も。記録も。未来も。


 俺自身もどうなるか分からない。


 でも。分かっていることが一つだけあった。


 この選択は。


 正解を選ぶためのものじゃない。

 責任を選ぶためのものだ。


《00:00:20》

「ねえ」

 時間が止まっているはずなのに。


 声が聞こえた。振り返る。

 はるなだった。動いている。


 いや。

 薄く透けている。存在がほどけ始めている。

「……なんで」


「たぶん最後だから。存在が薄いから縛る力も薄いんだろうね。」


 少し困ったように笑う。初めて会った日の笑い方だった。


「聞こえるんだね」


「やめろ」

 即座に言う。

「そういうの」

「最後みたいじゃん」


「最後なんだよ」

 声が裏返る。


 はるなが少し目を見開いた。そして。優しく笑った。


《00:00:11》


「私ね」


「うん」


「後悔してないよ」


「……」


「あなたに会えてよかった」


 その言葉が。

 胸の奥に刺さる。

 痛い。

 苦しい。

 でも。

 一番嫌だったのは。

 その言葉を言わせてしまったことだった。


《00:00:07》


「違う」

 気づけば口にしていた。


「何が?」


「会えてよかったとかじゃない」


「……」


「まだ終わってない」

 はるなが少しだけ笑う。泣きそうな顔で。


「終わるんだよ」

「終わらせない」

 即答だった。

 考えるより先に出ていた。

《00:00:05》

 先生の言葉が蘇る。

 観測者。責任。収束。確定。全部。


 全部おかしい。最初から。ずっと。


 通知は未来を教えてきた。

 でも。

 一度も命令はしていない。

 選んだのは。全部俺だ。

 なら。

 最後も。


《00:00:03》

 俺は画面を見る。

 選択肢。

 二つ。違う。


 本当に二つしかないのか。


 違う。

 ずっと違和感があった。


 観測とは。


 未来を見ることじゃない。

 可能性を見ることだ。


 なら。

 収束とは。一つを選ぶことじゃない


《00:00:01》


 画面を強く握る。

 そして。

 初めて。

 通知を無視した。

 ボタンを押さない。

 どちらも選ばない。


 先生がこちらを見る。

 初めて。表情が変わった。

「お前、、」


 画面が赤く点滅する。

《選択未完了》

《これよりエラーコード**b*0p**883#867を遂行します。》


 そして。

 時間が尽きた。

エラーコードはちゃんと意味があるので、ちょっと考えてみてくださいね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ