True End
最終話です。日常の生活は戻った。、、のか?
目が覚めた。
カーテンの隙間から差し込む朝日がまぶしくて、思わず目を細める。
どこにでもある朝だった。
静かで、穏やかで、特別なことなんて何もない。
しばらく天井を見つめたあと、枕元に置いてあったスマホへ手を伸ばした。
画面をつける。
通知はない。
メッセージも、ニュースも、SNSも、ただそこに並んでいるだけだった。
当たり前の光景。
それなのに、ほんの少しだけ違和感があった。
何かを待っていたような。何かを忘れているような。
そんな気がした。
けれど、それが何なのかは分からない。結局、そのままスマホを机の上へ置いた。
気にするほどのことでもないと思ったからだ。
制服に着替え、家を出る。
空は青かった。
春らしい風が吹いている。
駅へ向かう坂道を下りながら、ふと空を見上げた。
雲がゆっくり流れている。
それを見ているうちに、胸の奥に引っかかっていた違和感も少しずつ薄れていった。
学校へ着く。
下駄箱で靴を履き替え、教室へ向かう。
「おはよー」
「また遅刻ギリギリかよー」
「昨日のドラマ見た?まじあれ号泣もんだって。」
友達の声が聞こえる。笑い声も聞こえる。
いつも通りだ。本当に、いつも通りだった。
午前中の授業が終わり、昼休みになる。
窓際の席でパンを食べながら、ぼんやりと中庭を眺める。
風が吹いていた。
桜の葉が揺れている。
その様子を見ていると、不思議と心が落ち着いた。
放課後のチャイムが鳴る。
帰り支度を始めようとしたところで、担任が教卓を軽く叩いた。
「少し静かにしてくれ」
ざわついていた教室が少しだけ静まる。
「急な話だが、今日から転校生が来る」
教室中から驚きの声が上がった。
「この時期に?」
「珍しくない?」
そんな声が聞こえる。
転校生なんて別に珍しいわけじゃない。
なのに、なぜか気になった。
「入っていいぞ」
担任の言葉と同時に教室の扉が開く。
夕方の光が廊下から差し込み、一人の女子生徒が教室へ入ってきた。
その瞬間だった。
強い風が吹いた。胸の奥で何かが小さく揺れた。
理由は分からない。
初めて見るはずなのに。知らないはずなのに。
なぜだか目が離せなかった。
女子生徒は教壇の横まで歩いていく。
長い髪が夕陽を受けて少しだけ光って見えた。
担任が黒板に名前を書く。
女子生徒は教室をゆっくり見渡した。
そして、ふとこちらを見る。
一瞬だけ目が合った。
本当に一瞬だった。
それなのに、時間が止まったような気がした。
相手も少し不思議そうな顔をする。まるで、どこかで会ったことがあるような。
そんな表情だった。
しかし、それもすぐに消える。
女子生徒は小さく微笑んだ。
女子生徒は前を向き、教室のみんなに向かって口を開く。
「はじめまして」
静かな声だった。
また俺の中に風が吹く。
今までお付き合いありがとうございました!
また今度は違う系統で書いてみようと思うので、フォローよろしくお願いします。
それではまた。




