m5.共同生活
ウチは今ペルと一緒に荒野を抜けて森にある湖に向かっとる。
なんで湖に行くんかと言うと、水浴びや!
流石にそろそろベタベタするからな。
湖でスッキリしよかっちゅう訳や。
でも一個だけ疑問があった。
「なー、ペル、羽あんのに飛ばへんの?」
ペルは立派な羽がついとんのに走るばっかりやった。
「…………昔怪我をしてな。飛べないんだ。」
気になるけどなんかあんま触れて欲しく無さそうやな……。
「そーなんや、まあでもペル走んの早いから風が気持ちええわ!」
ウチが話題を変えようとそう言ったら
「……そうか。
ならもっと早く出来るぞ。しっかり掴まれ。」
ペルはそう言う。そして一気に加速した。
先程の比じゃない振動と風がウチを襲う。
ちょ、早すぎ、怖い!怖いって!
必死にしがみついてなんとか落ちんかったけど風圧で目も開けれんかった……。
早すぎてどんぐらいの距離移動したんか分からんかったけどどうやら着いたらしくペルが減速して止まる。
「ちょっと!早すぎやって!!死ぬかと思ったわ!!」
ホンマに死ぬかと思った。ペルに文句をなげる。
「掴まれと言っただろう!あれぐらいで落ちてどうする。
それよりもほら、着いたぞ。」
ペルがそう言って指す先にはには木に囲まれとる綺麗な湖があった。
「わあああ!!めっっちゃ綺麗やん!!
斧とか落としたら女神でも出てきそうやな!!」
湖面が太陽の光を反射してキラキラと光り、湖を囲むように生えている木がとても幻想的に見えた。
「斧?女神?なんの話か分からないがとりあえず入ってみたらどうだ。」
そう言ってペルは姿勢を低くして降りやすくしてくれる。
ウチは急いで降りて湖に駆け寄る、その勢いで制服のまんま湖に飛び込んだ。
どうせ洗うつもりやしええやろ。
「めっちゃ気持ちええ!!景色もええし、ここ最高やんか!」
ウチの機嫌は最高潮や。
「そうだろう、ここは私もよく来る。」
ペルも得意げになってそう言いながらゆっくり湖に入ってきた。
あ!せや!
思いついたようにニヤリと笑うとウチは手で水を弾いてペルの顔にかけたった。
ペルは鬱陶しそうに顔にかかった水を首をブルブルと振って払うとこっちを見て前足で水を弾いてやり返してくる。
瞬間。とても大きな水の礫が超スピードでウチを襲った。
水圧で上半身がひっくり返って鼻とか耳にめっちゃ水入ったぞ。
………まるで津波や。加減って知らんのか、、、
「もう!めっちゃ鼻に水入ったやんか!!」
水からガバッと顔を出して大声で抗議しながらやり返す。
「お前が先に仕掛けてきたんだろう。」
しばらく笑いながらそんなんしてたら、またお腹空いてきた。
まあもう夕方やしなー、そろそろ飯にせんと。
「ペルー、お腹空いたー!」
「そうか、なら狩りに行くとするか。」
ミスったあぁぁぁぁ!!
そうやった!食べる物が全然ちゃうんや!!またあれが出てきてまう!なんか考えんと!
んー、んー………閃いた!!
「ペルが狩り担当でウチが料理担当な!!」
料理なんかあんました事無いけど。
「別に私はそのままでも…
「まあまあまあまあ!!ええから、ええから!
任しとき!ペルがなんか狩りに行ってる間に準備しとくから!」
ペルの言葉に割り込んで一気に押し込む。
「そ、そうか。ならば任せるとしよう。
待っていろ、すぐに戻る。何かあったら大声で呼べ。」
ウチの勢いにちょっとたじろぎながら承諾してくれた。
「はーい、ペルも気をつけてな!!」
ウチはそう言って走っていくペルを手を振って見送った。
なんやかんやで心配してくれたりやっぱ優しいよな。
さて、ウチはペルが戻ってくる前に近くの枯れ木を集めて焚き火の準備をする。
そうや!なんか食べれそうな木の実とかもあったらええな!
あとは、、、串がいるか!後でペルに爪でやってもらお。
ほんで焚き火やるんやったら、ついでに洗った服も乾かさなあかんな!
ウチは服を脱いで近くの木の枝にかけといた。やっぱ裸やったら夜はちょっとだけ寒いな……。
ちょっとの間寒さと格闘しとるとペルが帰ってきた。
口にはでっかいイノシシみたいなんを咥えとる。
「おー、おかえりー!
凄いな!めっちゃでっかいやん!!帰ってくんのも早かったし!」
「当然だろう。これぐらい簡単だ。」
やっぱ褒めたらちょっと得意げになんのが可愛い。
「ペル、ちょっと手伝って欲しいんやけど。」
ペルに火を起こしてもらい、木を切り裂いて串も作ってもらう。
さらに肉もちょうどええ大きさにちぎってもうた。
てかこれほとんどペルが料理してるな。ウチ材料集めただけやん。
それからその肉を串にさして焚き火で炙る。
あとは木の実も添えたら完璧や!
さっそくいい焼き加減の肉を口へと運ぶ。
「美味あああ!!ちょっと味気ないけどまあそれはしゃあないな!それでも美味いわあ!」
「そうだな。初めて食うがじっくり焼いた肉というのもなかなか悪くない。」
ペルは器用に前足で串を抑えながら美味そうに食っとった。
良かった……。
生の方がええって言われたら、焚き火なんかしてくれるか分からんからな……。
そうなったら毎日生焼け肉になるとこや……。
それにしてもペル、木の実も食べるんやな。
肉しか食べへんのかと思っとった。
2人とも、いや一人と一匹はたわいもない話をしながら食餌をすませ焚き火を囲っていた。
「さて、食べ終わった事だ。もうそろそろ眠るか。」
ペルは大きな口を開けてあくびをしながら言った。
「そーやな!ウチもお腹いっぱいなったら眠なってきたわ……」
ウチは丸くなったペルの上に寝ころぶ。
さっきまでは寒かったけどペルの近くにいるとあったかい。
そのまま2人でぐっすり眠った。




