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ヤクザと召喚師  作者: 緑一色
レイグルロード~レイグル編
7/38

レイグルロード脱出

狂助とレイヴンは各々、構えをとった。



狂助は右手を後ろに引き、左手を前に突き出している空手の基本的な構えが一番近い構え。



レイヴンは両手で剣を持ち、頭の上に振りかぶる剣道でいう上段の構え。





その態勢のまましばらく時間が流れた。



そこへレイヴンにとって聞き覚えのある低い声が響いた。




「そこまでだレイヴン。仕事は終わりだ」


声の主は当然クラークである。



その少し後ろでエレナが立っている。





それを見て、狂助は構えを解いた。



しかし、レイヴンは構えを解こうとしない。







ここまできて「はい、そうですか」と退くことはレイヴンのプライドが許さなかった。




それはプライドかはたまた子供の様に頑固なのか。




少なくともクラークと狂助は後者だと考えていた。


狂助は呆れてエレナの方に視線を移し、聞いた。



「大丈夫か?」


「はい、狂助さんは?」


「俺は死のうにも死ねないからな」



そう言って苦笑した時だった。




レイヴンが狂助に向かって剣を振り下ろしてきた。



狂助は突然の事で反応が出来なかった。





が、狂助は反応する必要は無かった。




レイヴンの剣は3本の鎖によって捕えられていた。




その鎖の先はクラークのトレンチコートの袖につながっている。



「止めないでください。クラークさん」



「落ち着け。襲撃事件の証言も手に入り、ゲイルだけでなく{スネークボール}まで潰した。これ以上の闘いは無駄以外の何物でもない」


「俺が望むのはあいつの死体です」



「じゃあ、俺と闘うってことか?」




そう言ってクラークは鋭い視線でレイヴンを見据えた。



その迫力に圧倒されたのかレイヴンは剣を離した。


クラークはそれを確認すると鎖を解いた。




鎖はクラークのコートの中へと消えていった。


レイヴンは剣を拾い、鞘に納めてからクラークに聞いた。


「で、証言はどうだったんですか?」


「俺達の調べとほとんど一緒だ。休み時間にエレナ・Ⅴ・クリューズは何の気なしに午前中の授業で教えられた召喚をしようと魔方陣を描いた」



確認するかのような視線でクラークはエレナを見た。



エレナは目で頷いた。



「そこへ、片目の狼がやってきた。慌てた彼女は召喚を行い、その隙に中にいた生徒、教師どちらも皆殺しにされた」


「やっぱりそうですか。面白味ないですね」



そう言ってレイヴンはポケットから簡易魔方陣が描かれている紙を出した。



クラークも続けて取り出し、それを地面に広げた。




すると、簡易魔方陣が淡い紫の光を出しながら発光し始めた。



「邪魔したな」



クラークは不愛想にそう言って魔方陣に乗り、消えた。





「今度会った時こそ殺しますよ?狂助さん」



不気味な笑みを浮かべながら同じ要領でレイヴンも消えた。




「何なんだ?あいつら」



「ガードの凶悪犯罪殲滅部は殺しの専門で凶悪犯を殺すのが仕事なんです」






しばらく茫然としていた狂助は我に返り、歩き出した。



「出口はすぐそこだな」


「はい、行きましょう!!」




二人は光のさしこむ方へと歩き出した。





















レイグルロードを抜けるとレイグルは目の前だった。



エレナは村という表現をしていたが少なくとも入口付近は町と言っても過言ではない。




約200m程先まで様々な店が左右に並んでいる。



狂助はここでも字が読めないので記号で判断しただけでもレストラン、本屋、あるいは武具屋といったそれこそRPGでしか見られないような店の記号もあった。




「これでも村か・・・・・・」



「まあ、ここは商店街ですから。ここを少し抜けたところに先生の家があります」


歩きながらエレナはそう言った。




しかし、狂助はきょろきょろと辺りを見回していたので後半の部分は聞いていなかった。



狂助にとってこの村は上界とほとんど変わらない物だった。





人々の服装や売り物に多少の違いはあれど、そこそこ町にも活気が溢れている。



狂助は初めて来た場所のはずが馴染み深く感じた。




それから10分弱二人はとりとめのない会話をしながら歩き続けた。
















商店街を抜けると、急激に人の姿が減った。



民家がちらほらとあれど、この辺りはまさに村といった感じだった。




50m程先に純和風の大きな日本家屋が見えるが、あとはこじんまりとした家ばかりだった。



「で、その先生の家はどこなんだ?」


「あれです」





そう言ってエレナは先ほど狂助の目に留った日本家屋を指差した。




「へっ?」




狂助は一瞬口に咥えた煙草を落としそうになった。



まさか、こんな大きな家に住んでいるとは思っていなかったからである。




狂助は先生の家の前でもう一度聞いた。



「こ・・・・・・これか?」


「はい」



「普通こういうところは大金持ちが住むんじゃ・・・・・・」




「実際、先生は大金持ちですから。{三武の天才}と呼ばれた賞金ハンターだったんです」


「三武の天才?」


「はい。この世界では剣術、魔術、召喚術の3つを総称して三武と言われています」




そう言ってエレナはドアをノックした。しかし、返事がない。



「留守か?」


「いえ、この様子だと多分野菜を収穫に」





「おっ、エレナじゃん。どうした突然?」



その声に振り返り、声の主の姿を見て狂助は口から煙草をポトリと落とした。




その人物は長い銀髪の男性で片手に野菜のたっぷり詰まった籠、もう片方に草刈り鎌を持ち、麦わら帽子を被っている。





体格は中肉中背だが、召喚術、魔術は出来てもどう見ても剣術には向いていない。



歳も狂助より5つ、6つ上といったところだろう。




「あっ、先生お久しぶりです」

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