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ヤクザと召喚師  作者: 緑一色
レイグルロード~レイグル編
5/38

暗躍する影

狂助とエレナはすぐに宿屋を出て2km程歩いた。



しばらく歩いているとエレナが言っていた北の村に続く道を見つけた。





「これが・・・・・・ハァ、レイグルに続く・・・・・・ハァ、レイグルロード・・・・・・ハァ、ハァ・・・・・・レイグルロードです」


「息上がり過ぎだろ」



エレナはペッタリと木にもたれかかり座り込んだ。呼吸が落ち着いてエレナは言った。




「なんで、2kmもの道程を悠々と歩けるんですか!!」



「普通だろ」


その言葉にエレナは言い返せず言い訳がましく



「召喚師に体力は必要ありません」

と言って、そっぽを向いた。




それから5分程時間が経った。



「もう大丈夫です」


「じゃあ行くぞ」





2人は木々の生い茂る暗い森に伸びていく一本道へ歩いていった。



















しばらく歩いていると大きな木が道に横たわっていた。




「何だ、台風でも通ったか?」



「昨日は晴れてたはずでは・・・・・・」


「どうするんだ、これ」



「まあ、任せてください」



エレナはそう言うと何かボソッと呟いた。


すると、エレナの前の地面に魔方陣が現れた。そこから大量に消しゴムくらいの大きさの小人が出てきた。



「おっ、これが召喚か。すごいな」


「下界の低レベルな魔物だったら自動書記で召喚できます。

自動書記というのは呪文を唱えるだけで魔方陣を作り上げ、召喚することです」



エレナは狂助の聞くであろうすでに予測していたようだ。


狂助はそれに面喰った。



小人たちはすぐに目の前の木をどかそうと歩いていった。


「ピ〇ミンみたいだな」


「何ですかそれ?言い忘れましたが、この小人たちが貴方を宿まで運んでくれたんですよ」


「へー」



10分もしないうちにピ〇ミンのような小人たちは目の前に立ち塞がる木をどかした。



役目を終えると小人たちは森へ消えていった。




「さて、これでやっと前に進め・・・・・・」



狂助は言葉を失った。




30m程先に男が倒れているのが見えたからである。


エレナもすぐにそれに気付き、倒れている男に走り寄って行った。





その人物は頭に真っ赤なバンダナを巻き、胸に2匹の蛇がお互いの尾に噛みついているバッジを付けていた。

年齢は30そこそこだろうか。


一つだけ分かることはもうこの男は死んでいるということだろう。


胸から血が滲み出ている。




「この人は、レイグルロードにたむろしている盗賊の{スネークボール}のメンバーみたいですね」




エレナははっきりとした口調でありながらも少しぶるぶると震えていた。



すると、近くの茂みから何かが飛び出してきた。それは2人とも良く知った人物だった。




「たっ、助けてくれえええええ!!」



「ゲイル!?」




それは狂助が殴り倒した片目の狼のリーダー、ゲイルだった。



すでに人狼ワーウルフ状態で体中血まみれだ。


ゲイルはこちらに気付いた。




「!!・・・・・・もうこの際お前らでも良い!!助・・・・・・」



その時、ゲイルの首が飛んだ。


そして、消えた首の後ろから残酷な笑みを浮かべた男の首が現れた。





「きゃああああああっ!!」



エレナは悲鳴を上げた。


2回も連続で惨殺死体を見れば当然だろう。



男は2人を見て、また笑みを浮かべた。



「君達かな?目撃者ウォッチャーが言っていた2人組は」




狂助は笑いながら人を殺せるこの男に警戒しながらも答えた。



「何の事だ」



「とぼけないでくださいよ」




そう言って男はエレナの首筋で剣を寸止めした。



しかし、一般的な剣の場合、エレナの首筋には届かない。


かといってその剣が太刀のような物だった訳でもない。




男の持っていた剣が伸びたのである。



「エレナ!!」



「大丈夫です。狂助さんは話を続けてください」


「こんな子供ガキを人質に取るような奴はヤクザの・・・・・・いや、人間の片隅にも置けねえな」


「いや、今はその話は良いですから」


「お前の根性叩き直してやる!!」



「ちょっと!!また、面倒な事に」




エレナがそう言った時には既に狂助のロシアンフックが男の顔面に見事にヒットしていた。


男は数m吹っ飛んだ。




「あれ?」



狂助とエレナは同時に間抜けな声を上げた。





「おいおい、まさかこんな簡単に?」



すると、男はゆっくりと起き上がった。


吐血はしているがあまり応えていないようだった。



「人が悪いな。わざと喰らっただろ?」



「いや、あれは本当にかわせなかったんですよ。やっぱり俺が睨んだ通りあなたは強い」




そう言って男は森の奥へと走って行った。



「エレナ、少し待っててくれ」


「・・・・・・分かりました」



エレナは止めても無駄だということが分かったのかすんなりと申し出を承諾した。



その答えを聞き、狂助も後を追った。






エレナは一人になった途端、孤独感が込み上げてきた。



だが、今から狂助を追いかけても意味は無いだろう。





すると、まるでエレナの思いを察したかのように一人の長身の男が茂みから出てきた。



「あっ」



「・・・・・・失礼だがここに・・・・・・いや、先にこっちを聞いた方がいいな。エレナ・Ⅴ・クリューズだな?」


「えっ、はい」



「召喚師育成学校襲撃事件について話してもらおう」


エレナは驚愕したが、その気持ちを表に出さないように努力した。




「俺はこういう者だ」



そう言って長身の男は名刺・・・というより手帳をエレナに見せた。





「ガード凶悪犯罪殲滅部NO.4クラーク・B・ラズエルだ」




エレナは一刻も早く狂助の元へ向かいたかった。



ガードの凶悪犯罪殲滅部といえば、犯罪者に対して実力行使も躊躇わずに行うほとんど殺し屋みたいな部隊であることは有名だったからだ。



しかし、クラークがそれを許すはずは無いし下手に動けば人質に取られるか最悪殺される。


そうなれば狂助の勝率は格段に下がる。




そう思ったエレナは事件のあらましをクラークに話し始めた。





狂助さん、私はこの人を出来る限り足止めします。私は自分に出来ることを精いっぱいします。



エレナは心の中でそっとそう呟いた。

と言う訳で新章突入です。まあ、新章って言うほど話は変わってませんが。

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