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ヤクザと召喚師  作者: 緑一色
ガラム武術大会編
28/38

モンスター・パニック!

狂助たちがジルの控室に行ってからすぐに準決勝2試合目の準備は出来上がっていた。




ライアック・ザバスは腰にスローイングナイフを何本か差しており、カール・レヴァノンは最もオーソドックスな木刀を持っている。


あとは試合開始のドラを待つのみだ。




「失礼、1つ良いですか?」



ライアックが諸手を上げて質問した。


運営委員長の老人が続きを促す。



「この会場には少なくともガラムの人口の3分の1近くは集まってますよね」




試合前の質問にしてはあまりにも奇怪なものだった為か観客席からブーイングが飛んできている。



老人は黙って頷く。




「ありがとうございます」



ライアックは礼を言うと醜悪な笑みを浮かべ、ぶつぶつと何か呟き始めた。



観客の大多数はライアックの言葉の意味が分からなかった。


だが、エレナは勿論召喚師はすぐにその言葉の意味の恐ろしさが分かった。




「召喚の呪文!?しかもこれは」



誰かがそう叫んだ。



途端に観客席の方から悲鳴が上がった。


悲鳴のした方向から大量の大きなトカゲがわらわらと出てきた。




トカゲだけではない。



会場のありとあらゆる場所から様々な生物が現れ始めた。



その生物たちに共通していることと言えば全て肉食ということくらいだろうか。




「おい、何だよこれ・・・・・・」



対戦相手のカールは周囲をキョロキョロと見渡している。


その時、ようやくライアックは対戦相手に気付いたかのような素振りでカールの方を向いた。



カールは本能的にライアックの目を見て危険を感じた。


だが、あくまでそう思っただけだった。




カールがここから逃げ出そうと思った時には既に自分の胸にナイフが数本刺さっていた。






場内は悲鳴とライアックの芝居がかった台詞しか聞こえない。




「僕は下界からのテロリスト、ライアック!!

この行動によって下界の中界へのテロの始まりを宣言する!!

繰り返す。僕は・・・・・・」


























トカゲ達は狂助たちの姿を視界に捉えると一斉に襲い掛かってきた。



「うおおおおおっ!?」




驚き半分の掛け声で自分を叱咤しながら狂助は襲ってくるトカゲたちに拳を浴びせた。




だが、1匹殺してもまたすぐに他のトカゲがと続くうちに狂助は転んだ。


転んだところに一斉にトカゲたちが襲い掛かる。




「うおっ!!ちょっ、ああああっ!!」



狂助は大量のトカゲたちに飛びつかれた。



トカゲたちは奇声を上げながら狂助の身体に鋭い爪や牙を突き立てる。




「あ、キョースケ」



「狂助!!・・・・・・無駄だジル。もう助からん、諦めよう」




直久は悲しそうな顔つきでジルに告げた。





が、ジルはもう狂助のことなど忘れたかのようにナイフでトカゲの喉笛を切り裂いている。




「え?ナオヒサ何か言ったー?」



「いや・・・・・・何でもない」



直久はこのトカゲたちを始末したら次はこいつの番だと決めた。



















「さ・・・・・・流石に疲れた」



数十匹のトカゲの死体の海でジルはそう呟いた。




「待て。まだ狂助の死体にトカゲがくっついてやがる」



直久は狂助の身体に向かって手を突き出した。



「炎球」



手の平サイズの火の球がトカゲたちに当たり、驚いたトカゲたちは四散していった。



逃げようとするトカゲたちも一匹残らず直久の剣とジルのナイフで駆逐された。





「ナオヒサ魔法使えたんだ」


「かなり初歩の奴ならな」




直久とジルは狂助の傍へと寄った。



この時、彼らが冷静な思考が残っていたら狂助の遺体の異常に気付いていただろう。




だが、彼らは疲れと驚きから彼の服は破れているのに体に傷がついていないということにすら気づかなかった。




「狂助・・・・・・俺はお前の強さに惚れて一生着いて行こうと思ってたんだがな。

・・・・・・残念だ」



「うわ、ナオヒサ惚れたとかキモ」



「お前、少し黙れ」



「キョースケ、あたしもナオヒサと同じで貴方の強さに惚れてた。

・・・・・・賞金欲しかったな」



「よし、分かった。ナイフ抜け」




2人の決闘が始まろうとしたその瞬間、狂助の両目は見開かれた。





「あー、痛かった。痛さで気絶するほどだったからかなりのものだったんだろうな。

てか、傷とかつかないのに気絶とかはするんだな~。不思議だ」



直久はジルに向けていた剣をジルも直久に向けていたナイフを狂助に向けた。



狂助はすごい勢いで後ずさり、聞いた。



「ま、待て。とりあえず武器下ろせ」



「ゾンビか何かか?まあ自我がなくなる前に死んでくれや」




「いやいや、あれくらいで死ぬかよ!!」





一瞬、直久とジルは動きを止めたが決意したように同時に狂助へと向かっていった。




「あ、ごめん今の間違えた!

いや、あれくらいで死なないのは俺だけでってうあああああっ!!」










狂助は2人からのリンチを受けながら何とか自分の能力について説明をした。



そのためにわざわざ自分がここまで来るまでの経緯まで話したので少しばかり難儀だった。




説明を終えてもしばらく2人は信じてくれかった。

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