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ヤクザと召喚師  作者: 緑一色
片桐組誕生編
21/38

番外編・キリコVSヴェロニカ(前編)

番外編ですが一応本編にはシフトしてます

ジンと狂助の戦いがあったその日の夜。



広場に打ち捨てられていた茶色の蝙蝠の首。

いや、首だったもの。

ジンの体はもうほとんど再生していた。


「悪魔をなめやがって・・・・・・あの男、絶対殺してやる」

ジンはまだ再生しきっていない四肢を使って地べたを這い始めた。



そこに黒の傘を持ち、黒のドレスを着た1人の女性が現れた。


「ジンさん、大丈夫ですか~?」



その口のきき方に憤りを感じながらもジンは安堵した。

女性の名はキリコ。

ジンの同僚である。



「キリコか・・・・・・すまん。下界まで連れてってくれ。油断しちまった」


しかし、キリコは何の反応も示さない。


「キリコ?」

「すいません。ルシファーさんからの伝言でー、『あの雑魚は始末してこい』だそうです」

「な・・・・・・そんな」



ジンは必死にキリコから距離を取ろうと地べたを這って進んだ。

だが、ジンの這うスピードは亀の歩みを髣髴させる程のゆっくりとしたものだった。


キリコは傘の先端をジンへと向けた。

「さよなら~」



キリコが陽気な声でそう言うと、傘の先端から黒く光る野球ボールくらいの大きさの光が発射された。

勿論、ジンには避ける術など無かった。





だが、ジンの命の火は未だ燃え続けている。



「要らなくなったらすぐ捨てる。悪魔の考えそうなことね」

ジンへと近づく光の目の前に突如、白の修道服が割って入った。


黒の光はその人物によってかき消された。



「誰ですか~?」


「ガード凶悪犯罪殲滅部№8ヴェロニカ・E・ガスト」

「ガードの方でしたか~。なら、殺してもルシファーさんから文句は言われませんね」



キリコは邪魔者の登場に驚くこともなく、躊躇なく3発の光をヴェロニカに向けて発射する。

が、またもヴェロニカによって全てかき消された。



月が雲と雲の切れ間から顔を出し、ヴェロニカの武器の全体を露わにする。


「嫌味ですね~、そんな物武器に使うなんて」

「お生憎さまね。あたしは8歳の時からこれを愛用してるわ」



ヴェロニカの右手にあったのは全長1.2mはあるであろう巨大なラテン十字だった。


十字架。キリストが磔にされたと言われるいわくつきの道具。




それを呆気にとられて見ていたジンはその場から逃げだすという本来の目的を思い出し、まだ再生しきっていない不完全な四肢を使ってまた這い始めた。


すると、ヴェロニカからの叱声が飛んだ。



「動かないで!!あなたは重要な容疑者なんだから。洗いざらい話してくれるなら身の安全は(・・・・・)保障するわ」


ジンはその言葉を聞き、留まるか逃げるか決めかねているようだった。



そんなジンを無視してヴェロニカは十字架を頭上に振り上げ、一気にキリコとの距離を詰めた。



「白兵戦は苦手なんですよ~。私」


そう言って、キリコは十字架の振り下ろしをヒラリと跳んでかわした。

十字架は石畳の広場に深々と突き刺さり、大量の石の破片がキリコに向かって飛んだ。


「くっ」


キリコは傘を広げ、自分に向かってくる石の破片を全て弾いた。



しかし、この行動が裏目に出た。

この瞬間、キリコの前方の視界は完全に塞がれていた。




間髪入れずにヴェロニカは地面に突き刺さっていた十字架を抜き、切上の動作を行う。


十字架の軸木が傘を月に向かって払った。



キリコは咄嗟に回避して、地面に着地した。

その手に傘は握られていない。



キリコの顔には焦りの色が浮かんでいるが、対するヴェロニカは余裕の表情である。


「武器はなくなったわね。降参する?」



「・・・・・・誰が?もしかして自分のこと言ってるんですか?」


そう言っているキリコの顔には焦りの色等一片も残っていなかった。





「うぐっ!!」



突如、ヴェロニカの背中に強い衝撃が伝わった。


その衝撃で、修道服のフードが下り、ヴェロニカの金髪がなびいた。



ヴェロニカはすぐさま後ろを振り返った。


ヴェロニカの背後にはキリコの傘がこちらに銃口・・を向けて浮いていた。



「驚きましたよ~。その服、ただの服じゃありませんね?」



「ちょっとばかり魔法に抵抗がある。それだけよ。こっちこそ驚いたわ。後ろから撃たれるなんて」

「ちょっとばかり遠隔操作が出来る。それだけですよ」


キリコの右の人差し指が曲がると傘は持ち主の元へと戻っていった。


「じゃあ何発撃ったら壊れるんですか?」


そう言い終わらないうちに、キリコは光を連続で撃ちはじめる。


飛んでくる光を片っ端からヴェロニカは消していく。







生きるか死ぬか。



それが問題ではない。


これはキリコの弾が尽きるのが先かヴェロニカのミスが目立ち始めるのが先かのマラソンのようなものである。

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