26話「THE・フェスティバル」
あと学校始まる前に課題終わらせなきゃ...
今回いつもより少し長めです~
「うまーい!!きれい~!!」
「はぁ、落ち着けベアトリス!」
ため息をつきながらはしゃぐ少女の後ろ姿を見る。
今日は前から約束していた夏祭りに来ていた。
ダンジョン攻略の祝勝会も兼ねている...のだが陽葵も一緒だ。
今日着いたとき偶然一人で居るのを見かけて、ベアトリスが引き込んだのだ。
「夏祭りって面白いな。リンゴ飴?果物を砂糖で包んでいるのか!」
エリックが珍しくめっちゃはしゃいでる。あのエリックが。
海以来か。こういうときにエリックは王子様って言う皮が剥がれるよな。
「いいもんだろ?」
といいつつ俺も祭りに来るのはまだ陽葵と仲が良かったときに家族ぐるみで来たのが最後か?
なにせぼっちを謳歌していたものでね。よよよ...
「ユートも遊ぼっ!あ、射的だって!!」
「射的かぁ。やるか!」
かくいう俺も今夏は楽しみな物で返事をしてそっちに行こうとする。
近づいたらセレナが手を引っ張ってきた。
お互い浴衣だと新鮮でちょっとドキッとしてしまった。
セレナと初対面であった人はやっぱり高確率で惚れるだろうな。
高嶺の花ってやつか?俺とは縁の無い言葉だが。
ベアトリスはどこで聞いたのかみんなで浴衣を着たいと言い出したもんだからみんなでレンタルして着た物を着ているのだ。
俺は黒に青で模様が入った物。陰キャと言われようがこういうのが安心するのだ。
エリックは白色の浴衣に金色の線が入っている。金髪と合わせるとなかなか美しい。
ベアトリスは黒色にピンクのバラが描かれている。エリックの組み合わせとは違う雰囲気だが、これも金髪が映えるな。
そしてセレナだが、白色の浴衣に水色で花の絵が描かれている。
銀色の髪が浴衣の上に流れてくると美しさが際立つ。
その証拠になかなか注目を集めている。
「おじさん!射的二人いいかな」
「おうよ。一人500円な」
屋台のおじさんに1000円を手渡す
「よし、頑張れよ!」
「はい。セレナ」
受け取ったコルクと銃をセレナに渡した。
「ユート!どっちがいっぱいとれるか勝負よ!!」
「いいぜ。負けた方が勝った方にジュース一本でどうだ?」
「いいわよ!」
二人で顔を合わせてニヤリ
「あ、私も──」
「あー!!なんか面白そうなことやろうとしてる!」
セレナが口を開きかけたとき、リンゴ飴を片手にベアトリスとエリックが走ってきた。
「お、じゃあ五人みんなでやって最下位が一位にジュース一本おごりな」
「のったぁ!!」
THE・ベアトリス...
「俺もやるぞ」
「わ、私も」
「よし、勝負だ」
エリックと陽葵の二人もベアトリスと一緒にお金を払って加わった。
「あ、魔法はだめだからな?ベアトリス」
「え、そ...そんなことするわけない。じゃん?♪」
ほんとかよ...
さて射的か。飛び道具は魔法頼りだったからなぁ。どうなるか...
♢♢♢
ちなみに結果は...ベアトリスのボロ負けだ。
そして、一位は陽葵だった。
陽葵がうまいのか俺たちが下手なのか、こっちも圧倒的な差だ。
今はみんなでラムネを飲んでいる。
当たり前のように10本ぐらいベアトリスが買ってきたからだ。
一人一本にしてあまりはこっそりアイテムボックスにしまわせた。
「このあとやりたいことある人~」
「花火!!」
「花火か~。あと30分ぐらいだし場所取っちゃうか」
「やった!花火~♪」
こういうとこだよなぁこいつが子供みたいなの。
両手を挙げて喜ぶベアトリスをみんなで見守りながら思った。
親4人子供一人みたいな構図だな...
「はやくはやく~♪」
ベアトリスが先導してみんなで土手に向かって歩いて行った。
♢♢♢
「ね~まだぁ...?」
「あと二十分はあるぞ?」
みんなで土手に腰を下ろしてすぐにベアトリスは退屈したように寝転がった。
こいつらしいと言えばそれで終わりだな。
「そういや、陽葵花火好きだったよな」
来て以来あんまり話せていなかった陽葵に話を振る
「え、あ。私?!そうね。あのときのお祭りは楽しかったわ」
「あれからも来てたのか?」
「勉強が忙しくて来られてなかったわ」
少し寂しそうに陽葵が言った。
「そっか~。俺もお祭り自体は久しぶりだなぁ~」
陰キャが一人で来るのはハードルが高いし、
なんなら俺はこの世界自体三年ぶりだったからな。
「なら今日は楽しもうぜ」
「そうね」
「ユートッ!楽しみね♪」
唐突に俺の腕にセレナが手を絡めてきた
「?! そ、そうだな。」
もう動じない、動じないぞ...
というのは俺には無理な話なんだけどな...
「俺は花火はベアトリスが爆発させたのしか見たこと無いからな、楽しみだ」
「あ~、エリック...あれは花火とは言わん」
あれを初花火としてもらっちゃ困る。
言うなればきたねぇ花火だったしな。
「そうなのか?!」
「おう。楽しみにしておけよ~」
「分かった」
イケメンスマイルまぶしいな...
「ユートモテモテだね~」
「ッ?!俺がモテるわけないやん」
寝転んでいたベアトリスが唐突に言ってきた。
「そ、そうよ!」「うえ、えぇ。」
う...事実とは言え人に言われるのはいくら勇者といえど傷つくぞ?
セレナも急に手を離して顔を手で隠すし。
「モテると言えばエリックじゃねぇの?
イケメン、強い、王子ときた。ハイスペが~」
「そうか?あんまり考えたこと無かったな。
飛び出してくるまでは許嫁や政略結婚になると思っていたからな」
真顔で言ってのけるエリック
「王子ってやっぱそういうもんなのか。
エリックなら呼びかけたらすぐに女子も男子も来そうだけどな」
「どうだろうな。でも俺はユート達と話してる方が他の人と居るより楽しいぞ?」
苦笑しながら言ってくれるエリック。
「嬉しいこと言ってくれるじゃんかエリック~」
「当たり前だろ。どれだけ一緒に居たと思ってるんだ」
「そうだな」「そうね」
『これより、第57回〇〇祭り花火大会を始めます!』
エリックとセレナと上の方を見上げていたらアナウンスが入った。
「花火?!」
「お、起きてたか」
「寝るわけ無いじゃん!!」
THE子供な口の膨らませ方をするベアトリス。
「じゃあ空見てろ~」
「もちろん☆」
ヒューーー
ドーン!!!!
真っ暗だった夜空に大輪の花が咲いた。
「おぉ~!!花火きれい!!」
「落ち着けベアトリス。まだまだ続くし迷惑だ」
「まだあるの?!やった~♪」
「それにしてもきれいだな」
「そうね。カラフルできれいだわ」
「久しぶりの花火っていいわね」
三人もそうつぶやきながらじっと空を見つめていた。
「きれいだな...」
花火が平和の象徴のようにも思えてきて、なんだか感慨深い。
「また来年も来たいな」
「そうだな」
「そうね♪」
「えぇ」
「もちろん♪」
俺がぼそっと言ったらみんな賛同してくれた。
そのままみんなで顔を見合わせて、
花火に照らされながら笑っていた。
夏祭り楽しかったなぁ
途中で課題を思い出したこと以外(((




