2話「三年休後の学校」
2話です!
日常へ再び...?
ドサッ
おもむろにベッドに寝転がる。
色々ありすぎて忘れてたけど魔王討伐後ほとんど休めてなかったな...
『ヒール』
なんてね
そんなんで回復するわけ──?!
一気に疲労が回復していく。
手にあった傷もきれいに消えていった。
ヒールは向こうの世界にいたときに使えた呪文の一つで、
疲労や軽いけがを治してくれる。
どうやら、能力はそのままらしい...
これも例の「サービス」とやらの一つなのか?
「それにしても...
これぜってぇバレないようにしよ。」
コンコンコンッ
「やっべぇ...」
「優斗?どうしたの? そんなに慌てて。
ご飯できたわよ?」
「う、うん。すぐ行く」
(バレるところだったぁ...)
怪しまれないように早めに行くか。
「いただきます!」
三年ぶりに食べる母さんのごはん、信じられないぐらいうまいなこれ。
泣きそうになってしまうがそういうわけにもいかずひっこめる。
なんだか心まであの頃に戻ったみたいに感じる。
そういえば三日間、俺はどこにいたことになっているのだろうか。
見た目が戻っているみたいに何かあるのか...?
[優斗 お泊り]
と書いてあった
どうやらどこかにお泊りしに行ったことになっているらしい。
外見が変わってないことと言い、都合のいい「サービス」だな。
まぁ、さっき降りてくる前に一応試したが力もそのままらしい。
この細い腕でまさか辞書が破けるとは思ってもなかった...
そんなことを思っていると母さんの見ているニュースが聞こえてきた。
「本日もモンスターの被害についてお知らせします。」
モンスター?そんな馬鹿な。
なんでこの世界に?今?
信じたくはなかった。
でも、画面に映っているのは、
いやというほど見慣れたやつらだった。
暗い緑で、小さくて醜い人型のゴブリン。
人獣姿のコボルト。
二足歩行の大きな豚のオークまでいるじゃないか。
ん?あの奥に映る扉、魔王の部屋で見たやつとそっくりだな。
まさかね...
「またもや侵攻してきたモンスター。依然としてアメリカに出現しています。
ですが、また謎の二人組ハンターが全員撃破したようです!」
謎の二人組?どこのだれだろう。
「モンスターの進行が確認されて以来、この二人が──」
母がテレビを切ってしまった。
謎の二人というのも気になるが、もう知れ渡っているなら聞くのも不自然そうだしな。
よくわからないが、強い二人が抑えてくれてるから大丈夫。
…なのかな。
ありがたく俺は静かに暮らさせていただこう。
一抹の不安もあるけど、平和ってだけで安心感やばいな。
早めに寝よう...
ベッドに入った瞬間、意識が消えていった。
「ハッ──敵ッ!
武器は、無い、無い?!」
あ、夢か...
なんか懐かしくて嫌な夢だったなぁ。
朝ご飯を食べ、支度を終わらせた。
三年ぶりの学校...正直まったく乗り気じゃない。
でも超久々だし何か思うところがあるかもしれない。
久々に優にも会えるしな。
そう思いつつ暑い中学校へ向かった。
魔法で自分の周りだけ涼しくしてもいいかもしれない。
でもバレたらまずいから我慢だ...
ついこの前まで流していたものとは違う汗が流れた。
周りを見ても襲ってくるモンスターなんていない。
そんなこんなで周りを見ていると、
七瀬 陽葵を見つけた。
七瀬 陽葵、俺の幼馴染だ。
中学のころ、結構仲が良かった俺は、
調子に乗って告白して、
…あっさり振られて終わった。
そのあとは気まずさもあってお互い遠ざかっていった。
陽葵はミルクティーブラウンの髪を揺らしながら周りの人に笑いかけていた。
当然のように周りには人が集まる。
あいつは昔からそういうやつだった。
対して俺は少し長めの髪を無造作に伸ばしている。
陰キャという言葉が似合う。
もとから釣り合っていなかったと思う。
そんなことは置いといて、学校へ...ようやくここまで戻ってきたんだ!
久しぶり(俺にとっては)で遅刻はしたくないからな。
俺は足早に校門をくぐった。
陽葵を避けるために道を変えたが裏目に出たようだ。
三年も経つとペースもわからなくなるな、次から気をつけよう。
遅刻しないように教室にさっと入ると懐かしい声が聞こえてきた。
「お、黒川が遅刻ギリか。おはよ」
と言っているのはクラスのイケメン委員長、陽翔だ。
明るい茶髪のウルフカットをしていて、みんなの人気者。
俺にも明るく話しかけてくれる数少ないクラスメイトだ。
「ギリギリの優斗、レアだな。ぐもーにーん」
そういって赤っぽい茶色の髪を揺らしながらにやにやしてる。
優というのはあいつのことだ。
優も陽翔に引けを取らないイケメンであり、陰でモテているらしい。
そして俺の中学からの親友でもある。
二人に軽く返事をして席に着く。
ふと教室を見渡すと、
なんだか誰かと目が合ったような気がした。
…気のせいか
窓の外をぼーっと見ていると──。
ガラッ
「おーいおまえら、席に着け~」
担任の朝倉先生が扉を開けて入ってきた。
クラスでも好かれている、とても親しみやすい先生だ。
「今日はいいニュースがある。
なんと、転校生が二人も来た!」
クラスがざわめきだしたが、
まぁ、俺には関係ないだろう。
俺はそう思ってまた窓の外に視線を移した。
さてさて、二人の転校生とはいったい...
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