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第39話 指名依頼は英雄の続き
査問から三日後、ギルドの掲示板の前に人だかりができた。
新しい依頼書が貼られたのだ。
『市公認遺品回収業務 担当 レイン・ハーヴェスト』
正式な指名依頼だった。
依頼主は監査局と荷役組合の連名。内容は二つ。
一つ、隠し倉庫の遺品を正しい持ち主へ返還すること。
一つ、英雄アーク遠征隊の残置遺品を、第三分岐主荷室から回収すること。
「出世したじゃない」
ミーナが笑う。
「責任が増えただけだ」
「それを出世って言うのよ」
ダリオは荷車を貸すと言い、ロムは補給計画を引き直し、リゼットは正式な同行許可証を持ってきた。セリアは何も言わず剣帯を締め直す。
気づけば、俺の周りにはもう勝手に動いてくれる大人たちがいる。
英雄の続きを、英雄一人で背負う時代じゃない。
運ぶ人間、記録する人間、監査する人間、戦う人間。
それぞれの仕事がつながって、ようやく次へ行ける。
掲示板の前で、俺は依頼書に手を伸ばした。
これは新しい始まりだ。
でも同時に、ずっと途中で止まっていた仕事の続きでもある。




